今回はCBDオイルやCBDグミなど健康成分として近年注目を集めている「CBD(カンナビジオール)」について、その効果や日本国内での法律、研究論文を調査した結果などをまとめてみました。日本国内でCBDの使用は合法です。大麻と聞くとよくイメージされる幻覚作用についてもCBDには含まれておらず、違法性もありません。
本記事に日本国内での違法行為を幇助する目的はありません。学習や調査の参考情報としてご活用ください。またCBDの健康に関する使用につきましては、専門的なアドバイスを受けた上での使用が推奨されます。
CBD(カンナビジオール) とは?
カンナビジオール(CBD)は、大麻植物から得られる天然の物質です。
幻覚成分(THC)がハイになるための成分として紹介されるのと対照的に、リラックス成分として紹介されます。近年、CBDにも健康のために働く効果があることが研究によって解明されつつあり、多くの国で利用されています。2025年現在では日本でもCBDは規制されておらず、専門店やインターネットで購入することが可能です。
世界を見渡してみれば、GW Pharmaceuticalsが開発した医療用大麻製剤 Epidiolex®が存在し、難治性てんかん発作の治療薬として米国食品医薬品局(FDA)によって承認されています。また、日本国内でも試験的な実用が始まっており、難治性てんかん発作の治療薬の問題解決にCBDが役に立つ可能性が高いとされています。
専門的に言えば、CBDは21個の炭素を持つテルペノフェノール化合物であり、多くの分子標的を持つことから、様々な疾患に対する治療応用が研究されています。CBDは、カンナビノイド受容体、TRPVチャネル、セロトニン受容体など、様々な分子標的に作用することがわかっています。
CBDの化学式

CBD(カンナビジオール)の効果は?
メリット
2021年にまとめられたレビュー論文によると、医薬品グレードCBDの安全性・効果に関しては、WHOの報告で安全性が高く、副作用は限られていると結論付けられており、健康とウェルネスの分野で広く利用されています。
CBDの効果に関する研究は「落ち着く」「リラックス」「不安軽減」「睡眠障害」「不眠症」など様々なテーマがあり、世界中で研究が進んでいます。

デメリット
臨床試験では、下痢、頭痛、食欲減退、眠気などの副作用が報告されており、てんかんを持つ子供においては肺炎のリスクが上昇する可能性や肝機能検査値の異常について報告されています。また、CBDは他の薬剤の代謝に影響を与える可能性があり、併用する薬剤によっては注意が必要です。英国食品基準庁などの機関では薬物相互作用のリスク等を指摘し、特定の集団(妊婦・薬物服用者)での使用制限を推奨しています。
また一方、てんかん以外の疾患に対する有効性については、まだまだ不明瞭な点も多く、これから研究が進んでいく分野になります。また、CBD産業全体の問題点として製品ラベルの情報に誤りがあることや有害物質が混入している可能性があることが指摘されています。
CBDはブリブリになるのか?
CBDのみでは精神活性化作用や高揚感、体感はないとされていることからCBDを使用しても「ブリブリ」にはなりません。筆者もCBDを利用していますが、精神活性化作用や高揚感、体感は一度も感じたことがないです。
CBDの医学的な研究とは?|難治性てんかんや痛みとの関係について
CBDの最も確立された研究は、難治性てんかんに対する効果についてです。FDAは、ドラベ症候群とレノックス・ガストー症候群の治療にEpidiolexを承認しています。これらの条件に対する臨床試験では、発作頻度の有意な減少が示されており、特に小児患者において効果的であることが確認される情報や論文を多く見かけます。
THCとCBDの違いは?大麻由来成分について
CBDは、大麻由来の成分の一つですが、THCとは異なり、精神活性化作用がなく「ハイ」にならない点が大きな特徴です。
THCとの大きな違いは、「精神活性化作用の有無」と「合法性」です。THCは精神活性作用があり、多くの国で厳しく規制されていますが、CBDは一般的に規制が優しくで、医療や健康目的での利用が進んでいます。ただし、国や地域によって法律が異なるため、利用前には最新の規制を確認することが重要です。

CBDの持つポテンシャルや市場の成長性は、大麻業界全体の未来を占う上でも注目されるポイントです。THCの規制や合法化の議論とあわせて、CBDの現状と今後の動向にも注目していきましょう。
CBDは違法なのか?日本の大麻に関する法改正・規制について
日本でCBDを使用することは違法なのでしょうか?
日本国内のCBDを取り巻く大麻規制
日本では麻薬及び向精神薬取締法において、Δ9-THCそのものが規制されていますが、CBD関連製品については合法です。2024年12月12日から、大麻に関する新しい法律が一部施行され、CBD事業者にはTHC含有量の基準値が設けられましたが、一般消費者には比較的に関係ない法律改正の内容となっています。
この法改正の主なポイントは以下の通りです:
- 大麻の不正使用が禁止され、罰則の対象になります(使用罪の設置)。
- CBD製品等の中のΔ9-THC(テトラヒドロカンナビノール)の量に制限が設けられます。制限値は製品の種類によって異なります: 液体の油脂や粉末:0.001% 水溶液:0.00001% その他の製品:0.0001%
- これらの制限値を超えるΔ9-THCを含む製品は「麻薬」とみなされ、規制の対象となります。
- 制限値以下の製品は規制対象外です。
法律改正前に購入したCBD製品を所有している場合はTHCが基準値以上に入っている場合がありますので、処分もしくは確認が必要かもしれません。新規制対応のCBD製品を販売している場合は日本国内でも引き続き問題なく、CBD製品を使用することができます。
この法改正についての詳細は、厚生労働省のウェブサイトで確認できます。

厚生労働省のCBDに対する見解
麻薬取締部では、『CBD関連製品の輸入を検討中であり、その製品が麻薬であるか否かの判断がつきかねる方等』を対象に、通関前に確認(麻薬非該当性確認)を行います。この事前確認手続きは、当該製品の輸入に際して必ず必要な法定事項ではありません。
CBD関連製品とは、CBD(カンナビジオール)、CBN(カンナビノール)又はCBG(カンナビゲロール)を含有する製品を言います。
CBDオイルとは?CBD製品の種類について
CBDを摂取する方法は様々です。
CBD製品の種類
特に有名な製品はオイルやベイプです。オイルであれば舌下にたらし、ベイプであれば吸入することになります。またグミやクッキーなどの食品に配合したエディブルという製品もあります。日本各地にあるCBDショップで購入、または通販で入手することができます。また飲料やタブレット、美容用品やサウナ内で利用するものまで、さまざまな事業者がCBDを利用した製品づくりを行なっています。
CBDの製品種類
- CBDオイル
- CBDカプセル
- CBDエディブル(グミ、チョコレート、クッキー、ドリンクなど)
- CBD美容品(クリーム、ローション、バーム、パッチなど)
- CBDベイプ(リキッド)
- CBDアイソレートパウダーフルスペクトラム/ブロードスペクトラム製品
などの製品ラインナップがあります。
国内大手企業によるCBD製品
大正製薬株式会社 CBD taisho(CBD含有量:2.0mg)
販売価格:5,400円(税込)

ワンインチ CBDグミ 28粒 製造:UHA味覚糖

チェリオ CBDX 250ml

大正製薬株式会社、UHA味覚糖、チェリオなど有名企業によるCBD市場への参入事例もあります。


人気なCBDショップ
HealthyTOKYO CBD SHOP
日本初のCBD専門店ブランドで、以下の店舗を展開しています。
羽田空港や京都にも出店しており、国内でもトップクラスのCBD専門店を運営しています。
各店舗では、オーガニックなCBDオイル、エディブル、コスメなどを販売しており、カフェを併設してCBD入りのドリンクやスイーツも楽しめます。オンラインショップもあります。
大麻堂
東京都世田谷区北沢2-9-1 大新ビルB1F
Daishin Bldg B1F 2-9-1 Kitazawa Setagaya-ku Tokyo Japan
日本のカウンターカルチャーを代表するCBD・ヘンプ製品の専門店です。パイプやボング、CBD製品など幅広く取り扱っており、オンラインショップも運営しています。
VapeMania
CBDリキッドやベイプ関連製品などCBD製品を幅広く取り扱っている専門店です。恵比寿店に関してはテラス席があり、CBDドリンクやCBDベイプなどを楽しみながらチルできる空間があります。
[上野本店]
東京都台東区東上野3-16-2
ベンスビル1F
営業時間 12:00~20:00
[恵比寿店]
東京都渋⾕区東3-17-14
クリスティエビスM8階
(Hemp Cafe Tokyo 内2階)
営業時間 12:30~20:30 [火曜定休]
[福岡店]
福岡県⾕福岡市中央区今泉1丁目7-21
営業時間 12:00~20:00 [不定休]
オンラインショップも充実しており、CBD製品のサブスクリプションサービスなどを行っています。
編集長のコメント・考察
CBDについてから国内のCBD市場や現状についてまとめてきました。「CBDは違法でしょ?」と聞かれることが時々ありますが、日本国内ではTHC基準値をクリアしている製品であれば、使用することができます。そのため、CBDも合法であることになります。日本政府として、THCは規制してCBDは活用方法を模索するために研究や臨床実験を進めようという姿勢を取っており、現在の法律を見てもそれは明らかです。
また、今後は大企業参入しCBD市場大きく変わることが予想されます。市場成長に関しては一般の消費者にはあまり関係ないかもしれませんがビジネスが動くと規制の強化(ルール決め)などがよりしっかり行われるようになり、一般消費者もCBDを安全に使えるようになります。
CBDの可能性は様々なので興味がある方はまずは各CBDブランドの商品チェックからしてみてもいいかもしれません。
参考文献
- Britch SC, Babalonis S, Walsh SL. Cannabidiol: pharmacology and therapeutic targets. Psychopharmacology (Berl). 2021 Jan;238(1):9-28. doi: 10.1007/s00213-020-05712-8. Epub 2020 Nov 21. PMID: 33221931; PMCID: PMC7796924.
- National Center for Biotechnology Information (2025). PubChem Compound Summary for CID 644019, Cannabidiol. Retrieved February 19, 2025.
- CBD shown to ease anxiety without the risks that can come with THC
- Cannabidiol (CBD): What we know and what we don’t
- CBD (Cannabidiol) Health Benefits
- 6 Health Benefits of CBD Oil — and a Look at Side Effects