米国で、感謝祭(Thanksgiving)の前日「Green Wednesday」の大麻売上が過去最高レベルになっている。多くの州で成人用大麻の合法化が進む中、大麻ディスペンサリー(販売店)には、週末の帰省や家族との集まりに向けた購入客が殺到。従来の酒文化に代わり、大麻が祝祭の新たな定番となりつつあるようだ。
販売店のひとつ、メリーランド州の店舗では、感謝祭用の“おみやげ”としてエディブル(食用製品)やプリロール(事前巻き大麻)を買い求める客が次々と来店。ある販売スタッフは、「親戚が集まり、少しリラックスしたいという人が多い」と語っており、こうした流れが「Green Wednesday」市場の拡大につながっているという。
長年、大麻利用は一部のユーザーに限られていたが、今回の動きでは――年齢層や利用頻度を問わず――家族や親戚が集まる機会をきっかけに“社会的な消費”が進んだと指摘されている。業界関係者によれば、一年の中で最も大麻販売が盛り上がるのは例年「4月20日(4/20)」だったが、「Green Wednesday」が追随し、業界における第二のピーク日として定着しつつある。
こうした変化は、米国における大麻の「ステータスの変化」を示すものでもある。かつてはタブー視されていた大麻が、家族や友人との団らん・休息の一部として選ばれ始めた。年配世代がグミや低用量製品を好むケースも増えており、「大麻=若者のもの」といった固定観念は過去のものとなりつつあるようだ。
ただし注意も必要だ。米国では州ごとに大麻の合法性や流通ルールが大きく異なるため、州をまたいだ移動や国際取引には法的リスクが残る。また、連邦法では依然として大麻は規制物質に分類されており、合法州以外やFederal 管轄地では法的なグレーゾーンだ。
とはいえ、消費者のライフスタイル変化、大麻への理解の広がり、そして合法化州の増加――こうした潮流は、グローバルで大麻・カンナビノイド関連ビジネスを手がける企業にとって、無視できない“地ならし”になりつつある。今後、日本のヘンプ/CBD市場においても、海外トレンドとしての注目度は高まりそうだ。
参考記事:The other thing Americans consume in record numbers on Thanksgiving: marijuana(CNN)



