ハワイ州の大麻・CBDの合法化や歴史、大麻規制に関して解説します。ハワイにおける大麻規制は、医療用と嗜好用で大きく異なります。
2000年に医療用大麻が合法化され、患者が厳格な規定のもとで利用できる環境が整備されました。一方で、嗜好用大麻の合法化は議論が続いており、州内でも意見が分かれています。
ハワイ州における大麻規制・法律と合法化
ハワイ州では、医療大麻と嗜好用大麻の規制は異なります。医療大麻は合法化されていますが、嗜好用大麻は依然として違法です。
大麻に関する政策・法律の背景
医療用大麻の合法化の背景
2000年に医療大麻が合法化され、患者は医療大麻患者登録プログラムに登録することで合法的に使用できます。医療用大麻を合法化した8番目の州となりましたが、投票ではなく州議会を通じて医療用大麻の解禁を可決した最初の州がハワイです。
登録には、医師や看護師の証明を受け、ハワイ州保健省の審査を通過する必要があります。登録後、患者や指定された主な介護者は、最大10本の大麻植物を栽培できますが、厳格な要件を遵守しなければなりません。栽培場所の指定、タグの添付、登録者以外の取り扱い禁止などが規定されています。
また法的保護についても徐々に改正が行われてきました。患者と医療用大麻事業者が刑事罰から保護されることに加えて、2015年に、教育、住宅、医療、および子供の養育権に関して患者に対する差別禁止保護が追加されています。
総じて、ハワイ州では医療大麻は認められていますが、州の厳格な規制を遵守することが求められます。
嗜好用大麻について
医療大麻の解禁から20年余りが経過していますが、嗜好用大麻はまだ議論の最中です。
2024年、ハワイ州議会では成人向け嗜好用大麻の使用を合法化する法案が提出されましたが、下院財務委員長であるKyle Yamashita氏が採決を行わなかったため、法案は否決されました。
過去数年間、ハワイ州議会では保守的な下院が嗜好用大麻の合法化の取り組みを阻止する動きを見せてきました。一部の下院議員や法執行機関は、子供の安全、経済への影響、住民の健康への懸念を理由に合法化に反対しています。これらの主張は、合法化反対派がよく用いる論点と一致しています。一方、ハワイ州上院では、成人向け大麻の販売と個人栽培を許可する法案が圧倒的な賛成多数で可決されました。この法案には、新たな規制機関と社会公平プログラムの創設も含まれていました。
現在、ハワイ州では医療大麻の使用が合法であるものの、嗜好用大麻の合法化についてはまだ課題が残されており、さらなる議論が必要とされています。
市場
CANNABIS BUSINESS PLANによると、ハワイの医療用大麻の売上は2022年に5%減少しましたが、その後2023年に約6,470万ドルまで回復しました。医療用大麻の売上は2028年までに7,750万ドルに達すると予測されています(MJBiz発表)。
ニュース・レポート
CANNABIS INSIGHTではハワイの大麻に関するニュースや情報を発信していきました。人気の観光地ということもあり、日本人にとって親近感の高い土地なだけに、どのようにこの大麻植物を扱うのかというのは気になるトピックです。これからもハワイの情報をお伝えしていきます。
▼ 直近のニュース
ハワイ州、嗜好用大麻合法化へ
週刊大麻ニュース |11月18日-11月24日(2023年)
ハワイ州司法長官は、嗜好用大麻の合法化に向けた計画を発表しました。現在、ハワイでは医療用大麻が合法化されていますが、過去の嗜好用大麻合法化案には反対意見や懸念が多くありました。今回の法案では、これらの懸念を解消し、医療用大麻の規制にも適切に対応しながら、嗜好用大麻の合法化を推進する方針です。

