ニューヨーク州の大麻・CBDの合法化/法律/歴史について

ニューヨーク州では、2016年に医療用大麻の合法的な提供を開始し、2021年には大麻の嗜好用利用が合法化されました。現在は21歳以上の成人は大麻の所持や使用が認められています。

この変化は、大麻に対する社会的な見方の変化や大麻が及ぼす経済的なメリットの享受、刑事司法改革の一環な様々な要因から行われています。

今回はニューヨーク州の大麻・CBDの合法化、法律、歴史など大麻産業の現状についてまとめました。

目次

ニューヨーク州における大麻規制・法律と合法化

ニューヨーク州では、21歳以上の成人は娯楽目的で大麻を合法的に使用および所持できます。

屋外で最大3オンス、自宅で最大5ポンドの所持が許可され、購入は州認可薬局でのみ可能です。喫煙は禁煙法に準じた場所で許可されますが、車両内や事業所などは禁止です。21歳未満の使用は違法で、無許可販売や品質基準を満たさない製品には注意が必要とアナウンスされています。

1977年に25グラム以下の大麻所持を非犯罪化したことで、大麻の非犯罪化が始まりました。しかし、公衆の面前での所持は、警察がより多くの有罪判決を得るために法律を利用され、1997年から2010年の間に、警察は公衆の面前での所持で52万人以上を逮捕しました。逮捕者の80%以上が黒人やラテン系の方々であり、議員や公民権弁護士の怒りを買っていたという前提の背景があります。 

大麻に関する政策・法律の背景

嗜好用大麻の合法化の背景

ニューヨーク州は2021年3月31日、大麻規制税法(MRTA)を可決し、嗜好用大麻を合法化しました。

この要因には大麻に対する社会的認識の変化があります。近年、多くの州が大麻を合法化する中、ニューヨーク州も規制緩和を通じて社会のニーズに応じました。

経済的利益も重要な要因です。大麻産業の成長による税収増加や雇用創出が期待され、州経済の活性化が目的とされています。また、刑事司法改革の側面も見逃せません。大麻関連犯罪の記録抹消を通じて、不平等の是正と社会正義の実現が目指されています。

MRTAの制定により、新たな規制の下で大麻産業の育成と公衆衛生の保護が進められています。この変化は社会、経済、文化に多大な影響を及ぼすと期待されています。

医療用大麻の合法化の背景

2016年に医療大麻法(Compassionate Care Act)が開始され、特定の疾患を持つ患者に医療用大麻が合法的に提供されるようになりました。この法律成立の背景には、以下の要因が挙げられます。

患者の苦痛緩和: 医療用大麻は癌やHIV/AIDS、ALS、多発性硬化症、てんかんなどの疾患に伴う痛みや症状を緩和し、生活の質を向上させる効果が期待されていました。既存の治療法が十分でない場合に、安全で代替的な選択肢として支持されました。

社会的支持: 米国各地で医療用大麻が合法化される中、その有効性と安全性が認識され、ニューヨーク州でも医療用大麻へのアクセスを保障すべきだとの声が高まりました。

2016年には8カ所の調剤施設が運営を開始。その後も施設が拡充され、患者の幅広いニーズに応える体制が構築されています。2024年にはニューヨークの医療用大麻プログラムの登録患者は10万人を超えると報告されています。

ビジネス・市場

Headsetの発表しているデータによると、ニューヨーク州の大麻市場は急成長を遂げており、2024年11月の売上は約9,756万ドルに達しました。これは前年比416.2%の増加を示し、消費者需要の拡大と市場基盤の拡大を反映しています。アイテムの平均価格は36.40ドルと高額ですが、消費者はプレミアム価格を受け入れており、市場は安定した成長を続けています。

ニューヨーク市場は、カリフォルニア州やコロラド州と比べて規模は小さいものの、成長率は圧倒的で、新興市場として注目されています。市場は現在も拡大を続け、ニューヨーク州の経済と文化に重要な役割を果たすことが期待されています。

ニュース・レポート

CANNABIS INSIGHTではニューヨークの大麻に関するニュースや情報を発信していきました。ニューヨークは2024年冬のニュースにもあったようにアメリカの中でも大きく成長している地域です。カリフォルニアと並んで注目すべき地域と言えるでしょう。状況は刻一刻と変わると予測されますが、ここからも情報発信を行なっていきます。

▼ 直近のニュース

ニューヨーク州の大麻市場は、2027年までに売上規模が60億ドルを超える可能性が示唆されています。現在、ニューヨーク州ではライセンスの付与や市場整備が進行中で、州内の豊富な消費者基盤と観光業が市場拡大の追い風になると予想されています。また、業界規模の拡大は州の税収増加にもつながり、教育やインフラへの資金投入も見込まれています。

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参考記事・情報

※本記事は、日本国内ならびに国外での違法行為を助長する意図はありません。
この記事の内容は、あくまで読者の皆様のリサーチや学習の一環として提供しています。
法律に関する最新情報は各国の公式サイトをご確認ください。

編集者

CANNABIS INSIGHT代表/編集長
世界の大麻・CBDのビジネスや経済情報を調べています。

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