カリフォルニア州の大麻・CBDの合法化/法律/歴史について

今回は、カリフォルニア州における大麻・CBD規制の背景、法律、そしてビジネス市場について解説します。

カリフォルニア州は、嗜好用大麻と医療用大麻のどちらもが合法化されているアメリカの代表的な州です。1996年に医療用大麻の利用が認められ、2016年には住民投票によって嗜好用大麻も合法化されました。これにより、21歳以上の成人が自由に大麻を使用・購入・栽培できるようになり、同州は全米最大規模の大麻市場を形成しています。

目次

カリフォルニア州における大麻規制・法律と合法化

カリフォルニア州では、2016年11月8日に行われた住民投票で嗜好用大麻の合法化が可決されました。

合法化の内容

  • 21歳以上の成人は、医師の推薦状や医療用マリファナカードがなくても、大麻を購入、使用、所持、栽培することが合法です。

  • 医療用大麻は、医師の推薦状または郡発行の医療用マリファナカードがあれば、18歳以上から使用できます。

  • 大麻は、カリフォルニア州大麻管理局(California Bureau of Cannabis Control)から認可を受けた小売店でのみ購入できます。医療用大麻は、認可を受けた医薬小売店で購入できます。

  • 自宅での大麻の使用は合法ですが、公共の場での使用、吸引、摂取、蒸気の吸引は禁止されています。また、タバコの使用が違法となっている場所では、大麻の使用も違法です。


大麻に関する政策・法律の背景

嗜好用大麻の合法化の背景

カリフォルニア州では、2016年11月8日に行われた住民投票で嗜好用大麻の合法化が可決されました。この住民投票は、Proposition 64と呼ばれ、成人による大麻の使用を合法化するものでした。

この背景には、全米で高まる大麻合法化の動きが挙げられます。カリフォルニア州は、アラスカ州、コロラド州、オレゴン州、ワシントン州、そして首都ワシントンD.C.に次いで、全米で6番目に嗜好用大麻を合法化した州となりました。アメリカでは人種差別や、それに関連する投獄の問題などが密接に大麻政策と絡み合っています。そのような問題に対する批判や、社会の考え方の変化により、住民投票による規制の変更が実現しています。

しかし、連邦法では大麻の所持と使用は依然として違法であるため、国立公園などの連邦政府所有地では大麻の使用や所持はできません。また、大麻を所持したまま他州へ行くことも違法です。

医療用大麻の合法化の背景

カリフォルニア州で医療用大麻が利用可能になったのは1996年です。1971年、ニクソン大統領は薬物乱用を「国民の敵ナンバーワン」と位置づけ、「薬物戦争」を宣言しました。この政策は、薬物問題を公衆衛生として捉えるよりも、禁止や犯罪化を重視するものでした。大麻についても同様で、研究者の評価を無視してスケジュールI薬物に指定したとされています。これにより、医療や科学的研究への大麻利用が制限されました。

しかし、この政策への批判が次第に高まり、科学者や慢性疾患の患者たちが医療用大麻の合法化を求める運動を開始しました。特に、HIV/AIDSや癌患者の症状緩和における有効性を訴える草の根運動が力を持ち、医療用大麻への社会的認識が変化しました。それに加え大麻がアルコールやタバコほど有害ではないという見方が広がり、合法化への支持が増加しました。

こうした流れの中、1996年にカリフォルニア州で「提案215(proposition 215)」が投票にかけられました。この提案は、医師の推奨があれば21歳以上の人が医療用大麻を使用できるとする内容で、多くの著名人や団体が支持しました。一方で、健康リスクや子どもへの影響を懸念する反対意見もありましたが、住民投票で可決されました。これにより、アメリカで初めて医療用大麻が合法化される道が開かれたとされます。

市場

カリフォルニア州における大麻市場は、2024年11月の時点で約3億4641万ドルの売上高(Headsetのデータより)を記録しており、全米でも最大規模の市場となっています。

しかし、前年同期比では0.5%の減少となっており、成長率の鈍化が見られます。これは、ニューヨーク州やオハイオ州など、他の州の市場が急速に成長していることと対照的です。

ニュース・レポート

CANNABIS INSIGHTではカリフォルニアの大麻に関するニュースや情報を発信していきました。カリフォルニアはこの市場を先導しています。テックの最先端の場所であるここからはさらに新しい動きが生み出されると思います。他の国は議論をするためにカリフォルニア州のような合法化してから時間の長い場所をベンチマークにしつつ、あらゆる検証ができます。状況は刻一刻と変わると予測されますが、ここからも情報発信を行なっていきます。

▼ 直近のニュース

カリフォルニア州では、THC入りヘンプの販売禁止に対する業界団体の拒否の動きに対して、州裁判所がその訴えを却下しました。これは、州裁判所がTHC入りヘンプの販売禁止を支持することを意味しています。この決定を受け、業界団体や規制支持者は市場の安定と消費者の安全を確保するため、代替案を模索しており、自主的なルール制定に向けて検討を進めています。カリフォルニア州の事業者たちは、自主規制に向けた一歩を踏み出しました。

参考記事・情報

編集者

CANNABIS INSIGHT代表/編集長
世界の大麻・CBDのビジネスや経済情報を調べています。

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