ベトナムと大麻・CBDの合法化/法律/歴史/ビジネス|完全まとめ

今回はベトナムにおける大麻・CBD規制について紹介します。ベトナムでは、医療用も含めて大麻は違法であり、厳しい罰則が設けられています。特に密輸や取引に関与した場合、懲役刑や死刑の可能性も。一方で、CBDは合法であり、都市部ではCBD商品を扱う店舗も見られます。この記事では、ベトナムの大麻規制の現状や背景について詳しく解説していきます。

目次

ベトナムにおける大麻規制・法律と合法化

ベトナムの街の画像

医療用も含めて違法

ベトナムでは大麻は違法です。

使用、所持、販売は違法であり、違反者は厳しい罰則の対象となります。医療用大麻も違法です。 カンナビジオール(CBD)は、許可されており自由に販売されています(THCの基準値あり)。

例えば、大麻を所持していることが判明した場合は、懲役刑または死刑判決を受ける可能性があります。 2018年には、Facebookで2パックの大麻を販売しようとした人物が、違法薬物取引の罪で懲役24ヶ月の判決を受けました。

しかしベトナムの法律は厳しいものの、特に観光客が関与している場合に、他の違法薬物ほど厳格には適用されていないことが多いという報告があります。 観光客が大麻を所持していることが判明した場合、約100米ドルの罰金と厳重な警告を受ける可能性があります。

ただし密輸・流通・栽培に関与している場合は、はるかに厳しい罰則が科されます。

大麻に関する政策・法律の背景

ベトナムは、1961年の麻薬に関する単一条約1971年の向精神薬に関する条約などの国際的な薬物規制条約を批准しており、これらの条約に基づき、大麻を規制する義務を負っているとされます。

法律上、大麻の栽培・輸送・売買・所持・使用を含むすべての活動が完全に禁止され、ケシ・コカ・大麻・または政府が定めるその他の薬物含有植物の栽培は禁止されています。

具体的には、以下の法律が適用されます。

大麻を取り締まる規制の一部

法律名(英語表記)背景
2000麻薬防止法(Law on Drug Prevention and Combat)薬物含有植物の栽培、違法な製造、所持、輸送、売買などを包括的に禁止するために制定されました。
2008麻薬防止法改正(Amendment to the Law on Drug Prevention and Combat)2000年の麻薬防止法を強化し、国際的な薬物規制の動向を反映するために改正されました。
2017刑法改正(Amendment to the Penal Code)刑法を強化し、薬物犯罪に対する罰則を強化しました。
2018政府決定第73/2018/NĐ-CP号(Decree No. 73/2018/ND-CP)大麻および大麻製品を、医学および社会生活における使用が絶対に禁止されている麻薬および前駆物質のリストIに分類しました。

日本から渡航する際には注意が必要

ベトナム当局は、大麻の密輸や組織的な栽培、取引には厳しく対処しています。 大量の大麻を所持していた場合や、大麻の取引に関与していた場合は、外国人であっても厳しい処罰を受ける可能性があります。

ベトナムへの渡航を検討されている方は、再度CBDの規制を確認し、規制の範囲内で持ち込むように十分ご注意ください。 ベトナムの法律は非常に厳格であり、違反した場合は深刻な法的責任を負うことになります。

渡航される際などは、ご自身で必ず最新の情報をお確かめください。

ベトナムにおける大麻ビジネスについて

CBDが合法であるためベトナムにはCBD市場が存在します。日本と同じような状況だと言っていいでしょう。

Saigon Retro Vapeというディスペンサリーは二店舗をホーチミンに構え、CBD商品を販売しています。

Saigon Retro Vapeトップ画像

画像出典元 –Saigon Retro Vape

編集長のまとめ・考察

ベトナムでは大麻に対する規制が非常に厳しく、違反者には重い罰則が科されます。一方で、CBD市場は存在しており、今後の展開に注目していく必要があります。産業用大麻に関しても一部の地域では取り組みも行っており、大麻・CBD・産業用大麻どの市場も引き続き注目する必要があるかもしれません。

ベトナムの大麻関連の情報はまだ限られていますので、もし新しい情報をお持ちの方がいれば、ぜひ共有いただけると助かります。今後も、東南アジアの大麻事情を注視し、最新の情報をお届けしていきます。

【他の地域の大麻の状況について知る】

【参考記事・情報】

編集者

CANNABIS INSIGHT代表/編集長
世界の大麻・CBDのビジネスや経済情報を調べています。

目次