モロッコ政府が、規制下で製造された大麻由来製品67品目の流通を新たに承認したことが分かった。医療・ウェルネス用途を中心とする製品群で、同国の管理栽培制度にもとづく一次原料を用いたもの。承認は、医療・産業用大麻の合法化(2021年成立の枠組み)に沿って進められており、監督当局は「品質・トレーサビリティ・安全性の基準を満たした」として市場投入を認めた。
モロッコでは近年、指定地域での栽培許可や加工・流通のライセンス付与が段階的に拡大しており、今回の製品承認はサプライチェーンの実運用が一段進んだことを示す。国内市場向けに加え、輸出も視野に入るとみられ、農家の合法的な収入源の確保、地域雇用の創出、付加価値の国内回帰といった経済効果が期待される。
一方で、国際市場では各国で規制要件が異なるため、ラベリングや残留成分、GMP/GACPなどの国際基準への適合が引き続き課題となる。現地業界団体からは「製品カテゴリーの拡大とともに、検査体制の強化、輸出先ごとの認証取得支援が不可欠」との声も上がっている。今回の67品目承認は、モロッコが管理栽培・加工・流通の実績を積み上げ、合法市場でのプレゼンスを高めるうえで重要なステップとなりそうだ。