※本記事は日本国内の違法行為を推奨するものではありません。
※データは全て執筆時(2022/07/04)のものになります。
自己紹介/本記事の目的
皆さん、こんにちは。CANNABIS INSIGHTのたかおみです☕️
今回の記事はCBD部メンバーであり現在カナダ留学をしているまさきくんとの共同記事になります。
「同い年やしお互い大麻やカンナビノイドのことに興味持ってるからいい記事書けそうやない?」とまさきくんからご提案があり、今回の企画がスタートしました。
企画内容としてはまさきくんが中心に執筆した1本目の記事と私が中心に執筆した本記事の二本立てで大麻に関する考察記事をお届けするものになります。
【1本目】
【本当に若者の大麻使用者は急増してるのか?】検挙率、使用率、国比較などから「大麻×若者」について考察してみる
【コンテンツ】
第1回テーマ:「大麻と若者の関係を24歳の学生がまとめてみる」
執筆担当 まさき/CBD部・カナダ留学生
第2回テーマ:「お金・経済・ビジネスからみる大麻」
執筆担当 たかおみ/CANNABIS INSIGHT運営
各担当者がメインコンテンツの情報リサーチ、記事の執筆を行います。
そして、最後にお互いがコメント形式で内容を深掘りしていきます。
今回は第2回ということで「大麻×経済・ビジネス」をテーマにCANNABIS INSIGHTのたかおみが記事の執筆担当をします。
大麻・カンナビノイド業界で活動されている方、注目をしている方の多くは「1人でも多くの方に大麻・カンナビノイドのことを知ってもらうたい」という想いをお持ちではないでしょうか?
政治活動、情報発信、起業する、消費者になる、研究をする、Twitterで議論するなど知らない人に自分達の興味を伝える方法は沢山あると思います。そして、実践されている方も多くいます。私たちが行なっているこれらの活動は全て「市場拡大」・「認知拡大」に良い影響を与えていると考えます。(ただし、外部に悪いイメージを与える活動は良くないと思います。)
私たちの活動が市場拡大に影響を与えているということは「経済」にも大きく影響を与えています。でも、実際にどのくらいの変化があるのか?、また海外の大麻・CBD市場はどうなっているのか?が見えてこないので本記事で各データを踏まえて見ていこうと趣旨になります。大麻・CBDに関する数値やデータを色んな角度から集めましたのでぜひご参考までに!
※「経済」というと定義の範囲が広いのと若干大袈裟なのでここでは「大麻・CBD業界のお金の流れ・市場状況」とします。
イントロダクション
大麻市場はビックマーケット。
近年、「Web3」「DX」「エネルギー」「eスポーツ」「モビリティ」「メタバース」などスタートアップ界隈を中心に日々新たな産業が誕生しています。これらの言葉の中にはバズワードとして消費されるものもあれば、見事に社会実装が成され社会に必要とされる言葉つまり産業となるものも多くあります。「大麻」もこれらの新しい産業に加わる可能性が大きくあります。海外の市場の変化や市場の変化、政治の動きをみるとそれは顕著に現れています。また、業界が大きく変化するときは市場のニーズが高まるときであり、お金が儲かる状態になった時に規制の修正や市場課題の課題が大きく進むと思っています。
「儲かる」「ビジネス」という言葉はカルチャー性のある業界にはナンセンスな言葉なのかもしれませんが業界全体が前進するためには「儲かる」や「お金の動き」を作る必要があります。その上で今回の記事では日本の経済(特にビジネス面)、アメリカとの比較、その他政治や大麻に関する市場状況やお金の流れをみていき読者の大麻の動きを捉えるきっかけになればと考えています。
アメリカの大麻市場
日本・アメリカどちらも市場状況やお金の流れを見ていきたいところですが、日本の市場データが少ないことからまず初めにアメリカの大麻に関する市場状況・お金の流れをご紹介します。アメリカは一部合法化している州もあることやスタートアップ(イノベーション)が強い国のため大麻の合法化市場・経済影響のデータが数多くあります。その中でも税収、雇用、M&A、売上の観点から近年の大麻市場の変化を見ていきます。「合法化した国ではお金や人が動いてるんだな」と思っていただけると嬉しいです。
合法化した州の税収額の合計

Cannabis Tax Revenue in States that Regulate Cannabis for Adult Use
合法化大麻市場の税収は累計1兆円を超えています。事業者に対する税率が高いことと合法化大麻の売上が年々伸びていることから図のような成長率を見せています。税収の伸びは市場の伸びでもあるので今後も注目したい数値になります。
大麻市場の雇用数の増加

アメリカでは大麻関連の仕事に就く人が増えています。Leaflyのレポートによると2021年段階で30万人を超え、2022年には40万人を超えるとの見通しです。日本の大企業であるトヨタ自動車株式会社の従業員数が37万人(連結)なので巨大産業の自動車関連企業の一つを超える規模感になってるということですね。一つの大きな産業になってきていることがわかります。
大麻関連企業のM&A件数

2021 Will Be a Big Year: Cannabis Mergers & Acquisitions
Marijuana M&A sizzled in 2021 and is poised for a hot 2022
昨年から大麻関連企業のM&A件数が増加しています。他業界で資金力のある企業が大麻事業を買収したり、大麻業界で有名な企業が販路拡大を目的に新たな買収を仕掛けたりとアメリカでは大麻関連企業のM&Aが積極的に行われています。取引額の総額も1兆円を超えていることからビジネスが動いていることがわかります。M&Aは経済の影響を大きく受けるので今年の件数はどうなるかわかりませんが大麻市場が大きく動いています。
コロラド州の合法大麻の売上高

コロラド州が公式に発表している合法化大麻の売上高です。伸びてますね。
日本・海外どちらも市場規模を算出することができれば良いかもしれませんが正確性に欠けるのでコロラド州の公式ぺージを参考にしました。アメリカでは税収が40%ほどかかることから先程ご紹介した税収データからもアメリカの市場規模感はなんとなく掴むことができると思います。売上は数兆円規模になりますね。
日本のCBD市場
現在、日本は大麻取締法や麻薬及び向精神薬取締法などの法律によりCBD以外(合成カンナビノイドは除く)の大麻製品は使用・販売・所持ができません。そのため日本の市場に関してはCBDを中心とした市場状況・お金の流れをご紹介していきます。正確な情報が少ないことから少し変わった観点から日本のCBD市場の現状を見ていきたいと思います。
検索数 ーGoogleトレンドで比較ー


CANNABIS INSIGHT調べ
各成分で比較したのちにCBDの検索層と近い気がする「サウナ」というワードで比較しました。芸能人の大麻逮捕ニュースや新成分の流通で一時的に検索数が伸びることはありますが、まだまだニッチな市場であることがわかります。
プレスリリースの投稿数

CANNABIS INSIGHT調べ
PR TIMESさんで「CBD」というワードのプレスリリース数を調査してみました。ここ一年で投稿数は増加しています。投稿内容の多くは新サービスや新商品の発表に関するものなので日々新しいものが登場しています。ちなみに他業界かつトレンドである「NFT」に関するプレスリリース数は約600件(2022年6月のみ)です。
CBDの取り扱い店舗数
CBDLibraryさんの公式ページによると1230件のCBD取り扱い店舗が見つかりました。専門店としてではなく、販売商品の一部でCBDを取り扱っている場合もあるのでこのような数値になっています。
まとめ
ここまでビジネスやお金という面を主に「大麻×経済」を見ていきました。アメリカは合法化されている州が多いだけに具体的な数値が計測されていることから日本と比較して大麻全般の正確な市場状況が見えてきています。その反面、日本ではCBD市場に限られていることやまだ黎明期な市場であることから市場全体の情報量が少ない印象です。そして、計測できるデータを見ても徐々に成長はしているもののまだまだニッチな市場であることがわかります。しかし、『徐々に成長している』は皆さんが日々活動されていることが市場に少なからず影響を与えていることの証明にもなります。市場成長が製品の品質を向上させ、ユーザーのリテラシーを高め、新しいユーザーが増えるという循環を生むと思います。アメリカほど大きな成長や変化はなくとも市場状況が変化することを楽しむのが日本の大麻・CBD業界の健全な立ち回りかもしれませんね。
執筆担当:たかおみ
補足/深掘りツッコミ!

まさき/CBD部・カナダ留学生
日本・アメリカの市場状況、お金の流れを理解するのにとても参考になりました〜!
もちろん、アメリカと日本では国民性が違うので合法化されたとしても全く同じ市場の動きになるかは分かりませんが成長率などは似たような数値になるかもしれないですね。

まさき/CBD部・カナダ留学生
ちなみにアメリカのCBD市場はどのくらいですか?
日本がCBD市場と比較できる数値があると分かりやすいかもです!

たかおみ/CANNABIS INSIGHT
アメリカのCBD市場はこのような推移になっています!

※単位:百万円米ドル
2014年から2022年までの米国カンナビジオール(CBD)製品売上高合計

たかおみ/CANNABIS INSIGHT
現在のアメリカのCBD市場は20億ドル(=約2700億円)ほどになります。
大麻関連の商品売上が1兆円近くあることから全体の2-3割ほどがCBD製品の売上になります。

まさき/CBD部・カナダ留学生
多いってわけでもなくかといって少ないわけでもない、そんな数値ですね。
でも市場としては大きく伸びていってますね!
また、THCが含まれた大麻製品の方が人気だということもわかります。

まさき/CBD部・カナダ留学生
2700億円の規模感をもっと分かりやす皆さんにお伝えしたい…
日本のアルコール・タバコ産業の売上や税収も見てみますか?

たかおみ/CANNABIS INSIGHT
アリです!
少し調べてみますね!
【売上高】
酒類卸売業の売上高:3兆3,034億
日本たばこ産業(JT)の売上高:2兆3248億円
JTの21年12月期決算 海外たばこ好調で増収増益 希望退職に3102人
全国「酒類販売事業者」動向調査
【税収】
お酒:1兆3000億円
たばこ:2兆円(国税・地方税)
酒税に関する資料(財務省)
たばこ税等に関する資料(財務省)
たばこ税の仕組み(JT)

たかおみ/CANNABIS INSIGHT
若者のアルコール離れなど言われてますが、依然大きな産業ですよね。
アメリカのCBD産業が2000億円はまだまだ小さな数値なのかもしれません。

まさき/CBD部・カナダ留学生
まだまだ小さな市場ですが、成長率は高い産業なので今後に期待ですね!

まさき/CBD部・カナダ留学生
僕自身がCBDを認知し始めたのは約2年ほど前で、当時と比べると専門店の登場や百貨店などでの販売、amazonでの取り扱いが開始されるなど少しずつではありますが確実に市場拡大・変化していってます。
『徐々に成長している』過程を微力ではありますが若者として貢献しつつ、楽しむことが一番かもしれませんね!
まとめ
本記事ではアメリカの大麻市場、日本のCBD市場を中心にお金の流れや市場状況を見ていきました。数値だけ見ると規模感が大きく感じられますが他の業界と比較してみるとまだまだ小さな市場であることが分かります。その反面、他の業界には見られない成長率なので今後の市場変化にも期待できます。仮に日本が大麻を合法化した場合、アメリカのようなデータになるとは限りません。国民性や規模感が違うからです。しかし、同じような市場変化はあり得るのでアメリカの大麻産業に関するデータを追っていくと日本にも参考になるものは多くあるかもしれません。
儲かる産業ができる→法律が改正されるパターンもあると思うので「お金」という軸で大麻を見ていくのは面白いと思います。



