若者の大麻使用者は急増しているのか?検挙率、使用率、国比較などから「大麻×若者」について考察

若者の大麻使用者は急増しているのか?検挙率、使用率、国比較などから「大麻×若者」について考察
目次

はじめに

皆さん、こんにちは。CANNABIS INSIGHTのたかおみです☕️

今回の記事はCBD部メンバーであり現在カナダ留学をしているまさきくんとの共同記事になります。

【コンテンツ】


第1回テーマ:「大麻と若者の関係を24歳の学生がまとめてみる」
執筆担当 まさき/CBD部・カナダ留学生

第2回テーマ:「お金・経済・ビジネスからみる大麻」
執筆担当 たかおみ/CANNABIS INSIGHT運営


各担当者がメインコンテンツの情報リサーチ、記事の執筆を行います。
そして、最後にお互いがコメント形式で内容を深掘りしていきます。

今回は第1回なので執筆担当はまさきくんになります。
「日本で若者の大麻の検挙数が増加しているのは本当なのか」、「他の若者は大麻に対してどのようなイメージを持っているのか」など、カナダの留学先で出会った同世代に大麻に対するイメージを聞いた時の感想や数字(ファクト)を抑えた考察が述べられている記事になっていますので、ぜひ最後まで読んでみてください!それでは!


【本当に若者の大麻使用者は急増してるのか?】検挙率、使用率、国比較などから「大麻×若者」について考察してみる

イントロダクション

 近年、「若者の間で大麻の使用者が急増している」というニュースや新聞記事を見かけるようになってきました。そういったニュースに対して、SNSでは「日本の若者は大麻に前向きだ」というコメントがあり、賛同している方もいることを確認しています。しかし、僕はそこに強い疑問を抱きました。なぜなら、24歳の僕の周りに「大麻に前向き」な友人が非常に少ないからです。今回は「日本の若者と大麻」について、日本の若者の一人である僕が、調べたことやそこから感じたことなどをまとめていきます。最後まで読んでいただければ幸いです。

検挙率から見る日本の若者大麻事情

 今回このような記事を書こうと思った発端である「若者の間で大麻の使用者が急増している」という事実について確認していこうと思います。

まずは、警察庁が発表している平成26年(2014年)~令和元年(2019年)の「薬物事犯全体及び大麻事犯の検挙人員の推移」というデータから確認していきます。

参照データ:2022/6/6 警察庁組織犯罪対策部 組織犯罪対策企画課「令和元年における組織犯罪の情勢」

このデータから薬物事犯全体の検挙人員は大きく増減はありませんが、大麻事犯の検挙人員が増えていっていることが分かります。つまり、大麻事犯が占める割合が大きくなっていて、2014年と比べると令和元年の大麻事犯数は2倍以上になっています。

続いてのデータは、「人口10万人当たりの大麻事犯検挙人員の推移」です。

20歳未満と20〜29歳の検挙人員は他の年代に比べて大きく増加しており、「若者の間で大麻の使用者が急増している」という事実がこのデータから確認できます。さらに、2019年の大麻事犯全体の59.2%を29歳以下の若者が占めていることが分かりました。

(データを基に記事制作者が作成)

これらのことより、「若者の間で大麻の使用者が急増している」というのは事実であり、検挙数だけで見れば大麻で検挙されている約60%が29歳以下の若者だということが分かりました。

やはり、日本の若者は大麻に対して前向きなのでしょうか?

僕は、「若者の大麻使用者が急増している」という事実は、「若者が大麻に対して前向きである」ということに繋がらないと思っています。その理由を「未だに大麻使用者が少数派である」「若者の大麻使用者が急増している要因が他にあるのではないか」という2つの視点から考えていきます。

「未だに大麻使用者が少数派である」

確かに、平成24年以降の大麻検挙数は増加の一途を辿っており、若者が占める割合が大きいことは事実です。しかし、検挙数だけを見ると、令和元年の20〜29歳の人口1182万人の内、検挙数は1950人。比率にして全体の0.00016%である。検挙されていない大麻使用者の若者を鑑みても、極めて少ない数字だと感じます。

[人口]参考データ(令和元年)

15~19歳 約571万人(5,706,558人)
20~24歳 約596万人(5,960,242人)
25~29歳 約586万人(5,862,140人)

参照データ:2022/6/6 厚生労働省 令和元年(2019) 人口動態統計月報年計(概数)の概況

以前の記事で、合法化以前のカナダの大麻使用者数のデータを挙げましたが、日本の使用者数は多いのでしょうか?急増し始めた2019年以前のデータになってしまいますが、日本人が大麻を生涯で経験する割合は他国と比べて極めて小さいです。

参照データ:主要な国の薬物別生涯経験率

以上のことから大麻の使用/経験者というのは国内で比較しても、海外と比較しても非常に少ないということが分かります。これが「若者が大麻に対して前向きである」ということに疑問を感じる1つ目の理由です。

もちろん、「大麻未使用者=大麻を完全に否定している」というわけではないと思います。使用はしていないが、大麻に対して前向きである若者も一定数いるかもしれません。しかし、その数も少数だと僕は考えます。その理由は次に続きます。

若者の大麻使用者が急増している要因が他にあるのではないか

加えて、僕は若者の大麻使用者が急増している要因が「若者が大麻に対して前向きである」以外にもあるのではないかと考えました。

第一に、「警察による大麻の取り締まりが強化された」という推測をしましたが、大麻事犯に対してどれくらいのコストや人員をかけているのかの推移は公表されていないので、検証が難しいです。

第二に、「若者の大麻への関心が強まっている」という推測をしました。これは本題である、「大麻に対して前向き」という理由に近いですが、「大麻を悪いものだと思っているが使ってみたい」という後ろ向きな理由も含めての推測です。調べてみると、京都府が京都の高校生1万人に調査した違法薬物等に関するデータで興味深いものがありました。

「大麻が脳の成長に害がある」と考える京都の高校生は、令和に入ってから10ポイントほど下がっているものの、74.9%と依然として多いです。また、大麻を含む違法薬物には興味がないと答えたのが96.7%と高いことが分かります。

参照データ:6/12 高校生に対する「違法薬物等に関するアンケート調査」結果について(令和3年)

令和以前のデータにはなりますが、全国の15歳以上の若者を対象に行った調査でも同様の結果が得られたことから、日本の若者の大多数が「大麻は脳の成長に害を及ぼす、恐ろしいものだ」と考えているように感じます。これらのことより、大麻に対する認識は大きく変わっていないと考えられます。よって、「若者の大麻への関心が強まっている」という推測も外れているのかなと思いました。

参照データ:6/12 内閣府が平成 18 年に実施した「薬物乱用に関する世論調査」

第三に、「大麻の入手が比較的容易になった」という推測をしました。

また、関西の有名四大学の学生を対象に行われた調査では、「入手方法の有無に関わらず、大麻を手に入れられる」と考えている大学生が64.2%に達することがわかりました。

参照データ:2022/6/12 関西四大学「薬物に関する意識調査」集計結果報告書について(2011)

現在はネットの普及と大麻リキッドの増加で入手が簡単になっているのかもしれません。そして、「大麻を初めて使用した経緯」に関しては若者の80%以上が「誘われて」と答えました。

前述した2つの推測に関するデータと第三の推測より、


①若者の大多数は基本的に大麻に前向きではない。
②しかし、大麻の入手が容易になったことから、一部の興味ある若者や大人の使用が増加した。
③その結果、使用者が周囲の若者を誘うことで、若者の使用者が急増しているのではないか


というのが僕の考えた「若者の大麻使用者が急増しているその他の要因」です。

その他にも考えうる要因があるかもしれませんが、「若者が大麻に対して前向きである」という要因は可能性として低いと僕は考えています。

結論

今回は「日本の若者と大麻」について調べました。若者の大麻使用者の急増は事実でありますが、やはり日本の若者にとっては「大麻=ダメ、絶対」というイメージが未だに強いのだと思います。大麻に対する偏見はなくなるべきです。しかし、その結果、本来関わる必要のなかった若者、特に未成年がみだりに大麻を使用するようになってしまうのは問題だと僕は考えます。情報の非対称性もあり、日本では様々な観点から大麻と正しい関係を築くというのは難しいかもしれません。しかし、多様な時代を生きている現代の若者だからこそ、情報を常にアップデートし、大麻を含む様々な問題を柔軟に考えることが大事になってくるのではないでしょうか。

執筆担当:まさき


【補足】

孝臣

たかおみ/CANNABIS INSIGHT

数値も交えたレポートになってて興味深かったです!
特に、大麻の生涯経験率が他の国に比べて圧倒的に少ない数値の1%であることはびっくりしました。
この数値を叩き出すのは日本の教育や国民性の影響が大きくありそうですね。

まさき/CBD部・カナダ留学生

ありがとうございます!
確かに、日本の教育と国民性の影響は大きくありそうです。

もう一歩深掘りしてみるために大麻とよく比較される飲酒と喫煙の消費量/使用率も調べてみました!

1人あたりのアルコール消費量:2010年 世界保健機関(WHO)

各国の喫煙率: 2022年 世界保健統計(World Health Statistics)

まさき/CBD部・カナダ留学生

日本のアルコール消費量と喫煙率は大麻の生涯経験率のところでも出した「アメリカ」「ドイツ」「カナダ」などの国々と比較しても下位に位置していますね。

ただ、最下位でもないし日本よりも消費量や喫煙率が低い国もあるね。

下位に位置しているが全く消費量・喫煙率がないってわけでもないのに大麻の数値だけ異常に低い1%という数値はすごい低い数値だなとわかります。

これらのことから、「もし日本が合法化してもそこまで高い使用率にならないのでは?」
なんて思ったりもしてます。

たかおみ/CANNABIS INSIGHT

合法化されても慎重に使用する方や一生使用しない方も多く出てきそうですよね。

日本特有の使用方法が生まれたり…

また、禁煙の流れから煙(VAPEやジョイント)はそこまで拡大しない可能性が高そうですね。
もちろん大好きな方はジョイントを使用するとは思うのですが!

その反面、エディブルやオイルなどのカジュアルに摂取できる製品は人気になるかもしれませんね。

たかおみ/CANNABIS INSIGHT

次に気になったことは、検挙数(特に若者)が増加してる状況をどう捉えるべきなのかということです。

数値やグラフは複数要素から成り立っていることが多いので今回紹介してくださった数値がどのような意味をしているのかは考えてもいいのかなと。

そもそもですが、検挙数増加=大麻使用者が増加ってわけではないですよね?

まさき/CBD部・カナダ留学生

そうですね!今回の記事では推測しうる要因として「興味ある人が入手しやすくなり、その人たちが周囲を誘うことで増えたのではないか」という仮説を立てました。

でも、1つ目の要因として考えた「警察による大麻の取り締まりが強化された」も、データ不足ではありますが、可能性として十分考えられると思います。

若者の検挙数が増加しただけで、全体の大麻使用者の母数は増えてないのかもしれませんね。

たかおみ/CANNABIS INSIGHT

様々な要因がありますからね!

今回は若者の使用者が増えていること=大麻の使用者が増加してるわけではない可能性もかなりあるかなと思います。決していいニュースや悪いニュースとかではなく事実を見ていきたいですね。

これはネガティブなニュースも同じことが言えると思います。

たかおみ/CANNABIS INSIGHT

とは言えど、世間的には「若者で大麻を使う人って増えてるよね…」という意見の方が多いかなと思います。

私たちもその若者なわけですがまさきくんの周りの友人や留学生は大麻に対してどのようなイメージを持っていますか?

まさき/CBD部・カナダ留学生

周りの若者(友達)の反応としては、基本的に「大麻に興味がない」といった感じです。

やはりドラッグとしての認識が強いのかなと思います。

ただ、「興味はないけれど、合法な国の人たちが使用するのは良いと思う。」という友達も一定数います。

一部、大麻に肯定的な友達もいますが、少し若気の至り?のような文脈というか、やんちゃしたいという感覚が彼らにはあるのかもしれません。以前、有名ゲーム配信者が大麻所持で逮捕された際に「19歳の時にかっこつけたくて吸った」と供述していたのを見て、やはりまだまだ「大麻=非合法」だから興味のある人もいるのかなと思いました。

幸いなことに日本の私の友達に「CBD(大麻)業界に興味がある、働きたい、勉強したい」と言うと、
皆んな応援してくれます。

そのため、堂々話題にしています!

まさき/CBD部・カナダ留学生

海外の友人、アジア人の友人はあまり興味がなく、僕が大麻を勉強したいというと凄く驚く(怖がる)人もいます。

ブラジルやメキシコなどのヒスパニッシュ系の友人の多くは大麻に肯定的でした。
「クールだね」て感じです。

以前作ったカナビスマップも「それ頂戴!」って感じで、興味津々でした。

たかおみ/CANNABIS INSIGHT

私の友人もです!
大麻やCBDの話をすると興味深く聞いてくれますが、使用はしないって感じでした。

HIPHOPが好きな人であれば大麻についてかなり詳しい方もいます。

たかおみ/CANNABIS INSIGHT

最後に、まだまだマス層に溶け込んでない「大麻」で情報のバラツキも多くあるのかなと思っています。

私たちも自分で信じれる情報を得る必要があるかなと思うのですが、どのように情報と向き合うのがいいのでしょうか?

若者の観点も踏まえて考えてみたいです。

まさき/CBD部・カナダ留学生

そうですね!

若者だからこそ考えることやお伝えできることがあるかもしれませんね!
若者はSNSをはじめ多様な情報収集手段があるので、

限定的な情報で考えるのではなく、色々な面から情報を集め、取捨選択していき、

自分なりに考えることが大事なのではないかと思います!

たかおみ/CANNABIS INSIGHT

自分でメディアをしていてアレですが、情報を疑ってみるのも大切かもしれないですね!

若い人だと小さな頃から多くのメディアや情報に触れてることから信憑性の低い情報への感度が高くなっている説がありますね。

「これ言ってることおかしくない?」って思う癖がついてるのかもしれません。

自分が信じれる人の話を聞いたり、一次情報に出会うをやっていくのが大切なのかもしれません。

(若者の意見ではない気もしますが…)

まとめ

今回は若者という観点から現在の検挙数や他国の大麻生涯経験率などを見ていきました。まだまだ語り足りないですが様々な観点から大麻を見ていくと新しい気づきがあって面白いですね。

このようなスタイルで次回は「お金・経済・ビジネスからみる大麻」というテーマで私が執筆した記事を公開します。お金やビジネスが嫌われるカルチャーかもしれませんが業界を前進させるためには「お金」ってかなり重要な要素になるのでアメリカの事例などを踏まえて解説していきます。

次回もお楽しみに!

【執筆担当】
まさき/CBD部・カナダ留学生
たかおみ/CANNABIS INSIGHT運営

※本記事は、日本国内ならびに国外での違法行為を助長する意図はありません。
この記事の内容は、あくまで読者の皆様のリサーチや学習の一環として提供しています。
法律に関する最新情報は各国の公式サイトをご確認ください。

編集者

赤木 孝臣のアバター 赤木 孝臣 CANNABI INSIGHT代表/編集長

2022年4月20日にCANNABIS INSIGHTを創刊。国内外の大麻・CBDニュースの発信や、国内有識者へのインタビュー、産業動向の解説などを行っている。CBD業界の情報発信として「CBD白書」「ASAラジオ」「大麻・CBDニュース総選挙」などの企画を運営。業界イベントへの登壇や取材活動も行い、日本のCBD・ヘンプ産業に関する情報発信とコミュニティ形成に取り組んでいる。さらに、CBD原料比較プラットフォーム「アサバンク」を開発し、原料サプライヤーと事業者をつなぐ業界インフラの構築を進めている。

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