オランダと大麻・CBDの合法化/法律/歴史/ビジネス|完全まとめ

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こんにちは、CANNABIS INSIGHT(カンナビスインサイト)です。

今回はオランダにおける大麻・CBDの合法化・法律・歴史・ビジネスについて解説します。

この記事は大麻産業の情報をまとめ、学習やリサーチを補助する目的で作成されています。日本国内では、大麻・THCは厳しく規制されています。

目次

オランダの大麻はいつから合法?なぜ?

オランダは大麻が合法的に扱えることで有名ですが、じつはオランダにおいて、大麻の所持・販売・生産等は違法です。

しかし、一定の条件下で大麻の販売と使用が許可されています。 オランダはソフトドラッグに関して寛容政策をとっており、大麻はソフトドラッグに分類されます。この寛容な政策は1970年代にスタートされます。

日本国内の感覚では理解しづらいですが、すなわち、少量のソフトドラッグの販売は刑事犯罪ですが、検察庁は販売者であるコーヒーショップを起訴しません。 同様に少量のソフトドラッグの所持についても、一般市民は起訴されません。

ただし、大麻の使用と販売を取り巻く法律は複雑であり、多くの誤解を生んでいます。 

ソフトドラッグは、身体的・精神的中毒性が(ハードドラッグに比べ)低いドラッグ、もしくは、中毒性が明らかでないドラッグを言及する際に用いられる。ハードドラッグは非医学的使用が非合法であり、深刻な身体的・精神的中毒をもつドラッグを言及する際に用いられる。

参考:ハードドラッグとソフトドラッグ – ハードドラッグとソフトドラッグの概要 – わかりやすく解説 Weblio辞書

大麻に関する政策・法律の背景

年代出来事詳細
1928年アヘン法大麻の輸入・輸出を規制。所持や販売の犯罪化は1953年まで実施されず。オランダのアヘン乱用対策の一環。
1970年代最初のコーヒーショップ1972年に「Mellow Yellow」開業。1976年に30グラムまでの所持が非犯罪化され、薬物政策の大転換点となる。
1976年非犯罪化の開始30グラムまでの大麻所持が非犯罪化され、ソフトドラッグ政策の基盤となる。
1995年所持量の引き下げ非犯罪化される所持量が5グラムに引き下げられ、コーヒーショップの運営基準にも影響。
1999年アヘン法改正THC含有量0.2%未満の産業用ヘンプの栽培が合法化。EU基準に沿った規制。
2003年医療大麻プログラム医師の処方箋に基づく医療大麻の薬局販売が開始。厳格な管理下に置かれる。
2013年容認ルールの引き締めコーヒーショップの利用がオランダ居住者に限定。実施は地域差があり、観光客への販売も一部継続。
2019年合法供給チェーンのパイロット試験一部の市でコーヒーショップへの合法的な供給チェーンの試験運用開始。黒市場対策と品質管理向上を目的とする。

オランダの大麻政策は1970年代に始まり、政府と警察はソフトドラッグを容認することでハードドラッグから人々を遠ざけるというアプローチを取りました。これにより、ソフトドラッグとハードドラッグを区別する独自の政策が生まれました。

その結果、コーヒーショップが登場し、大麻の販売が許可されました。多くのコーヒーショップはアムステルダムの観光エリアにあり、市町村が営業許可とその数を決定します。コーヒーショップの窓には公式のステッカーが貼られています。ハードドラッグの販売禁止、未成年者への販売禁止、宣伝禁止、一度に5グラム以上の販売禁止などの規制がかけられています。

しかし、大麻の栽培は基本的に違法で、個人消費用に5本以下を栽培する場合に押収だけで済みますが、これを超えると起訴される可能性があります。

このため、違法市場が形成され、コーヒーショップは品質管理や安全性の面で問題を抱えていました。これを改善するために、オランダ政府は「wiet experiment」を開始し、認可を受けた栽培者から大麻を供給しています。この実験は2028年まで継続される予定で、品質管理と安全性の向上、違法市場の縮小を目指しています。

オランダ国民の大麻使用率

オランダの国立薬物監視機関 (NDM) によると、オランダ国民の過去1年間の大麻使用率は約7.6%と推定されています。生涯使用率は24.3%、過去1か月間の使用率は4.9%です。大麻は成人の間で最も一般的に使用されている薬物です。

学生においては2023年には、通常の中等教育(12〜16歳)の生徒の8.5%が大麻を使用したことがあり、7.0%が過去1年間に大麻を使用し、4.4%が過去1か月間に大麻を使用しています。大麻は学童の間でも最も一般的に使用されている薬物で、大麻の使用は年齢とともに増加すると報告されています。

日本人が渡航する際には注意が必要

THCはオランダでは違法であり、CBD製品はTHC含有量が0.05%未満の場合にのみ許可されています。これは、世界の多くの地域で一般的な0.3%の基準よりもはるかに厳しいものです。渡航の際には、カンナビノイド関連商品を持ち込まないほうが安全でしょう。

またコーヒーショップで大麻を購入できるのは、基本的にオランダの居住者だけです。 2013年1月1日に導入された新しい規則により、大麻を購入できるのは「オランダの居住者」のみとなりました。オランダの居住者とは、オランダの自治体に住み、そこに登録されている人のことです。コーヒーショップのオーナーは、入店するすべての人と、そこで大麻の購入を許可されている人が、18歳以上のオランダの居住者であるかどうかを確認する必要があります。ただし、このルールの適用は自治体によって異なります。

渡航される際などは、ご自身で必ず最新の情報をお確かめください。

オランダにおける大麻ビジネスについて

オランダの大麻市場の値段

2018年のオランダにおける大麻の価格は、Statistaの報告によると、コーヒーショップで販売されるオランダ産の大麻が平均10ユーロ(1,600円)/グラムでした。ただし2025年ではインフレが進んでいるため、13ユーロ/グラムあたりが妥当な肌感覚でしょう。

さらに、2024年のアムステルダムでの価格情報も確認しました。例えば、2024年の価格は7-8ユーロ/グラムから30ユーロ/グラム以上と幅広いですが、平均的な価格は10ユーロ/グラム前後とされています。

注目企業

会社名
Growery
Barneys
CBD Oil Europe
Conscious Wholesale
Phytocine

Growery

特徴: 大麻製品を提供するオランダの企業です。大麻種子、育成用品、栄養剤など、大麻の栽培に関連するさまざまな商品を取り扱っています。特に、有機栽培に力を入れており、持続可能な栽培方法を推奨しています。

Barneys Farm

特徴: アムステルダムを拠点とする大麻種子の生産会社です。自社で開発した高品質なインディカとサティバの種子を提供し、多くのカンナビスカップを受賞しています。多様な種子を取り扱い、医療用大麻目的の品種も提供しています。

Cannabis Cupは、世界中の大麻愛好者や生産者が集まり、最高の大麻製品を競い合うイベントです。この大会は1988年にアムステルダムで始まり、Steven HagerがHigh Timesマガジンの編集者となった後に発案されました。当初は小規模なイベントでしたが、年々規模が拡大し、多くの参加者を集めるようになりました

CBD Oil Europe

特徴: ヨーロッパ全域にCBD製品を供給する企業です。高品質のCBDオイルや関連製品を取り扱い、すべての製品は第三者機関のラボでテストされ、安全性と効果が確認されています。EU内での迅速な配送サービスも特徴です。

Conscious Wholesale

特徴: カンナビス関連製品の卸売業者で、特にCBD製品に力を入れています。バルクでの購入が可能で、欧州各地の小売業者に供給しています。高品質な製品を提供するため、厳格な品質管理を実施しています。

Phytocine

特徴: オランダの企業で、CBDおよびヘンプベースの製品を提供しています。ガム、オイル、ティンクチャーなど、多様な製品ラインナップを持ち、すべての製品は非遺伝子組み換えのヘンプから作られ、ラボテストされています。

市場・税収

Statistaの報告のサマリーによるとオランダの大麻産業は、収益とユーザー数の両面で着実な成長を遂げています。特に薬用・嗜好用大麻のカテゴリが大きな成長を見せています。一方で、ユーザーあたりの平均収益は減少しており、今後の市場競争の激化が予測されます。

2016年から2023年にかけて、総収益は195.8百万USDから259.2百万USDに増加しました。特に2020年以降の成長が顕著で、毎年着実に収益が増加しています。カテゴリ別の収益を見てみると、特に薬用・嗜好用大麻の成長が目立ちます。

(百万USD)201620202023
CBD製品100.30101.60104.90
医療用4.194.905.90
薬用7.8410.7024.48
嗜好用83.5098.50123.90
合計195.80214.9259.2

総ユーザー数は、2016年の1,318千人から2023年の4,852千人に大幅に増加しています。この急増は、カンナビス製品の需要の高まりを反映していると考えられます。

総ユーザー数(一千人)
20161,318
20202,349
20234,852

一方、ユーザーあたりの平均収益は減少傾向にあります。これは、ユーザー数の急増に伴い、製品の価格競争が激化し、平均収益が減少したことを示している可能性があります。

平均収益 (千USD)
20166.93
20204.17
20234.45

ニュース・レポート

CANNABIS INSIGHTではオランダの大麻に関するニュースや情報を発信していきました。オランダは大麻利用が可能で、動きの早い地域です。しかし、現状はかなり複雑でブラックマーケットの拡大などさまざまな問題を抱えてています。引き続き、オランダの状況をお伝えしていければと思います。

【他の地域の大麻の状況について知る】

参考記事・情報

※本記事は、日本国内ならびに国外での違法行為を助長する意図はありません。
この記事の内容は、あくまで読者の皆様のリサーチや学習の一環として提供しています。
法律に関する最新情報は各国の公式サイトをご確認ください。

編集者

赤木 孝臣のアバター 赤木 孝臣 CANNABI INSIGHT代表/編集長

2022年4月20日にCANNABIS INSIGHTを創刊。国内外の大麻・CBDニュースの発信や、国内有識者へのインタビュー、産業動向の解説などを行っている。CBD業界の情報発信として「CBD白書」「ASAラジオ」「大麻・CBDニュース総選挙」などの企画を運営。業界イベントへの登壇や取材活動も行い、日本のCBD・ヘンプ産業に関する情報発信とコミュニティ形成に取り組んでいる。さらに、CBD原料比較プラットフォーム「アサバンク」を開発し、原料サプライヤーと事業者をつなぐ業界インフラの構築を進めている。

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