オランダ、「違法大麻」の規制の強化 コーヒーショップの大麻仕入れを合法ルート限定へ

CI_サムネ_オランダ

オランダ政府がコーヒーショップの大麻を合法生産者からのみ仕入れる「規制大麻実験」を強行する方針を固め、各地で賛否が渦巻いている。4月7日からは、全国10の自治体にあるコーヒーショップが、違法ルートの大麻を一切扱えなくなる見通しだ。

コーヒーショップとは:
オランダの「コーヒーショップ」は、飲み物を提供するカフェとは異なり、少量の大麻を合法的に販売・消費できる店舗のこと。これまで大麻の仕入れ自体は違法ルートに頼らざるを得ない、法的な意味では「グレーゾーン」の存在だった。

従来、オランダのコーヒーショップは“グレーゾーン”と呼ばれる寛容政策の下、少量の大麻を客に販売していたが、仕入れに関しては非合法の供給に依存せざるを得ない実態が続いていた。今回の改革では、その「裏口」問題を解消する狙いがある。一方で、コーヒーショップ経営者は「まだ合法生産者は7社しか稼働しておらず、ハッシュやエディブルなどの品不足が懸念される」と強く反発。「このまま進めれば、客が違法市場に流れてしまう」と警告している。

さらに、合法生産大麻の品質や銘柄の多様性にも不安が残るため、「時期尚早」とする声がコーヒーショップ業界から相次いでいる。主要都市ブレダやティルブルフの市長も実験を支持しながらも、「供給不足で消費者が闇市場に逆戻りする恐れ」を指摘。健康被害のリスクや犯罪対策の観点からも、安定した合法供給が鍵になるという。

そもそもこの実験案は、自由主義政党D66の主導で生まれたが、現在の与党は積極的に推進しておらず、極右政党PVVなどはたびたび中止を求めてきた。しかし、法務・治安大臣ファン・ウィールは「途中で中断すれば、参加企業や自治体との信頼関係が崩れ、損害補償が発生する」と主張。計画通り4月に開始する姿勢を崩していない。

今後、3月末に行われるコーヒーショップ経営者と合法生産者の会合が、品薄問題の打開策を導き出せるかが大きな焦点となる。実験が順調に機能すれば、オランダの寛容政策が“正式な合法市場”として生まれ変わる転機になるかもしれない。

参照記事:Dutch government presses ahead with cannabis experiment despite strong opposition (NL Times)

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※本記事は、日本国内ならびに国外での違法行為を助長する意図はありません。
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編集者

赤木 孝臣のアバター 赤木 孝臣 CANNABI INSIGHT代表/編集長

2022年4月20日にCANNABIS INSIGHTを創刊。国内外の大麻・CBDニュースの発信や、国内有識者へのインタビュー、産業動向の解説などを行っている。CBD業界の情報発信として「CBD白書」「ASAラジオ」「大麻・CBDニュース総選挙」などの企画を運営。業界イベントへの登壇や取材活動も行い、日本のCBD・ヘンプ産業に関する情報発信とコミュニティ形成に取り組んでいる。さらに、CBD原料比較プラットフォーム「アサバンク」を開発し、原料サプライヤーと事業者をつなぐ業界インフラの構築を進めている。

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