ディスペンサリーとは? ソーシャルクラブとの違いも解説

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ディスペンサリーとは?|大麻産業の文脈で

Cambridge English Dictionaryの定義によると、ディスペンサリーという言葉は「薬を調合し投与する場所。(a place where medicines are prepared and given out, often in a hospital)」とされています。

大麻産業の文脈においては、嗜好用・医療用大麻、CBD商品を合法的に販売している店舗になります。薬局の商品ラインナップを大麻関連商品に厚くしたものというイメージを持っていただければと思います。大麻プロダクトに詳しい専門のスタッフ(店員)が常駐していることが多く、ディスペンサリーを利用することでより良い体験が得られる可能性が高くなるでしょう。

例えば、Veranoという上場企業ではZENLEAFというディスペンサリーブランドを運営しています。これは製造元のブランドが、ブランドの商品を扱う直販店を運用するようなものです。大麻関連商品を製造する企業では、このようにディスペンサリーを直営することで、ブランディングにも役立てていることが見受けられます。Veranoでは、2023年12月31日現在、13州で138のディスペンサリーを運営しています。

画像引用元:https://verano.com/retail-brands/

カンナビス・ソーシャルクラブとの違い

大麻を合法的に入手するシステムには「カンナビス・ソーシャルクラブ(CSC)」のモデルもありますが、ディスペンサリーとは全く異なるものです。

ディスペンサリーが、薬局のような店の形態を表す言葉として使われるのに対して、カンナビス・ソーシャルクラブは団体の名前として使われています。ディスペンサリーが販売を通じて大麻を提供するのに対して、分配をベースとして大麻を提供を行っているところも大きな相違点です。

カンナビス・ソーシャルクラブを定義する特徴には以下のようなものがあります。

  • 非営利団体としての登録:
    CSCは通常、正式な非営利団体として登録されます。
  • 会員システム:
    CSCは一般的に、成人した国民または居住者のみが会員になることができ、会員になるには会費を支払う必要があります。
  • 生産機能:
    大麻の生産は、会員の消費量の推定値または法的枠組みに基づいて行われますが、クラブによって適用される基準は国によって大きく異なります。
  • 分配機能:
    CSCは、会員への大麻の分配に関して異なる取り決めを開発しています。

参考文献

  1. Cambridge English Dictionary
    https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/dispensary
  2. Decorte, T., Pardal, M., Queirolo, R., Boidi, M. F., Sánchez Avilés, C., & Parés Franquero, Ò. (2017). Regulating cannabis social clubs: A comparative analysis of legal and self-regulatory practices in Spain, Belgium and Uruguay. International Journal of Drug Policy, 43, 44–56. https://doi.org/10.1016/j.drugpo.2016.12.020
  3. Manthey, J., Rehm, J., & Verthein, U. (2024). Germany’s cannabis act: A catalyst for European Drug Policy Reform? The Lancet Regional Health – Europe, 42, 100929. https://doi.org/10.1016/j.lanepe.2024.100929

編集者

CANNABIS INSIGHT代表/編集長
世界の大麻・CBDのビジネスや経済情報を調べています。

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