大麻ビール、CBDコーヒーとは? 大麻・CBDドリンク市場について解説

近年、世界的に注目を集める大麻・CBDドリンクは、健康志向の高まりと規制緩和の影響で市場が急成長しています。カンナビスの成分を含んだ飲料は、リラックス効果や不安緩和などの健康効果が期待され、新たな消費方法として人気を博しています。

本記事では、大麻・CBDドリンクの種類、成長する市場の背景、そして注目の企業について解説し、同製品が抱える問題点にも触れます。

目次

大麻・CBDドリンクとは|ビール、コーヒー等

大麻・CBDドリンクとは、大麻草から抽出された成分(カンナビノイド)を配合した飲料です。THCやCBDなどを配合しており、日本ではCBDを配合したもののみが販売されています。

カンナビノイドの効果によってリラックス効果等のポジティブな身体効果をもたらします。CBD配合飲料は不安緩和作用等などが期待されています。飲料に含まれるカンナビノイドは体内への吸収が速いという特徴があります。グミやブラウニーなどの食用大麻(エディブル)と比べて、効果が早く現れる傾向があるとされます。

大麻ドリンクの種類

大麻ドリンクは、大きく分けてアルコール入りとノンアルコール入りの2種類があります。

アルコール入り: ワイン、ビール、その他のお酒

ノンアルコール入り: コーヒー、ジュース、お茶、炭酸飲料、エナジードリンクなど

例えば、日本では株式会社チェリオジャパンが「CBDX」という製品を販売しています。

大麻・CBDドリンク市場

世界的に注目を集める大麻・CBDドリンク市場は、特に北米を中心に急成長を遂げています。嗜好用や医療用大麻の合法化が進んだことで、同市場は大きな拡大を見せ、今後さらに成長が期待されています。ヨーロッパやアジア太平洋地域でも大麻飲料の需要が高まり、これからの展開に大きな期待が寄せられています。

「Grand View research」の調査のサマリーによると、2023年の世界のカンナビス飲料市場規模は11億6000万米ドル(約1500億円)に達し、2024年から2030年にかけて年間平均成長率(CAGR)19.2%で拡大する見込みです。また現在では法規制等の関係により、北米市場がこの7割以上を占めています。

主な成長要因として、健康志向の高まりや規制緩和が挙げられます。また、オンラインでの購入の増加や、飲料を含む新たな消費方法が人気となり、従来の喫煙から飲料へのシフトも進んでいます。カフェやレストランでのカンナビスベースの飲料提供が可能になることで、ホスピタリティ業界でも新たな需要が生まれると期待されているとされます。若年層の嗜好の変化や、医療分野におけるカンナビスの活用も市場拡大の大きな要因です。

注目企業

企業名会社HP
ARTET, LLChttps://artet.com/
Tilrayhttps://www.tilray.com/
Canopy Growth (Tweed)https://www.canopygrowth.com/brands/
Boston Beer Companyhttps://drinkteapot.com/about-us/

ARTET, LLC

画像引用元:Grapefruit Rosemary Spritz

2017年に設立された比較的新しい企業で、カンナビス成分を含む非アルコールの飲料を専門にしています。この会社は2人の兄弟と1人のいとこによる家族経営で、THCを含んだカクテル風の洗練された飲み物を提供しています。特徴的なのは、オシャレなデザインで、日常のシーンでも楽しめるよう工夫されている点です。

Tilray

XMG

画像引用元:XMG

カナダを拠点にしている上場済みの企業です。医療用や成人向けのカンナビス製品を世界中で提供しており、グローバルに事業を展開していることが特徴です。XMGという飲料ではカナダナンバーワンの飲料ブランドというふうに謳っています。

Tilrayについては過去に詳しい企業紹介記事も作成しておりますのでぜひご覧ください。

Canopy Growth

画像引用元:Tweed

カナダに拠点を置く大手企業で、Tweedというブランドも保有しています。医療用や嗜好品としての大麻製品を多様に展開し、国際市場でも事業を拡大しています。

Canopy Growthについては過去に詳しい企業紹介記事も作成しておりますのでぜひご覧ください。

Boston Beer Company

画像引用元:TeaPot

Teapot という飲料ブランドを展開。Boston Beer Companyはビールで有名な企業であり、従来のアルコール飲料の経験を活かし、THCを含んだ非アルコール飲料を開発しており、新しい市場での成長を目指しています。

大麻・CBDドリンク製品の問題点

大麻・CBDドリンク製品は、摂取方法の性質上、エディブル製品と多くの問題点を共有しています。特に摂取量の調整、誤飲リスクなどが共通しており、これらの問題はカンナビス製品全般において重要な課題となっています。以下では、大麻・CBDドリンク製品に特有の問題点を説明します。

  • 摂取量の調整が難しい
  • 誤飲のリスク など

規制の強化
アメリカでは、子どもに誤飲されるリスクを防ぐために、FTCとFDAがカンナビス製品のパッケージや広告に対して規制を強化しています。

まとめ

大麻・CBDドリンク市場は、健康志向や規制緩和を背景に急成長しており、今後もさらに拡大が期待されています。アルコール入りやノンアルコール飲料など多様な選択肢が増え、カフェやレストランでの提供も進むでしょう。一方で、摂取量の調整が難しい点や誤飲リスクなど、エディブル製品と共通する問題も抱えています。今後の市場成長とともに、こうした課題に対する規制の見直しが求められます。

参考記事

※本記事は、日本国内ならびに国外での違法行為を助長する意図はありません。
この記事の内容は、あくまで読者の皆様のリサーチや学習の一環として提供しています。
法律に関する最新情報は各国の公式サイトをご確認ください。

編集者

CANNABIS INSIGHT代表/編集長
世界の大麻・CBDのビジネスや経済情報を調べています。

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