こんにちは、CANNABIS INSIGHT(カンナビスインサイト)です。
今回は、チェコにおける大麻規制と法律、そして合法化の背景について詳しく解説します。チェコ共和国では、2013年に医療目的での大麻使用が合法化され、個人的な使用に関しても寛容な政策が取られています。
この記事では、チェコの大麻規制の歴史や現行の法律、医療大麻の処方について詳しくご紹介します。また、大麻ビジネスの注目企業や市場動向についても触れ、最新のニュースやレポートをお届けします。チェコの大麻政策を理解し、その複雑な法律と規制の全貌を知るために、ぜひ最後までご覧ください。
チェコにおける大麻事情|規制・法律と合法化

大麻に寛容な政策
チェコ共和国では医療目的での大麻の使用は2013年に合法化されました。 医療目的での大麻の使用を許可する実施規則では、1ヶ月あたり180グラムの乾燥重量を処方することができます。一般開業医ではなく、専門の医療従事者のみが大麻を処方することができます。
チェコ共和国では大麻に関する法律は比較的寛容で、個人的な使用のために少量の大麻を所持することは違法ではありません。しかし所持量によっては最大15,000チェココルナ(約612米ドル)の罰金が科せられる可能性があります。 2010年に施行された新しい刑法では、大麻と他の薬物を区別し、大麻の使用と栽培に対してより軽い罰則を科しています。2010年に「個人的な使用」の量が、ハッシュは最大5グラム、ハーブ大麻は最大15グラムと定められました。
大麻の販売や供給は違法であり、より厳しい法律の対象となります。 つまりチェコ国内でTHC1%以上を含有する大麻を買う場合、その大麻の供給源はブラックマーケットということになります。刑罰は、犯罪の性質に応じて懲役刑が科せられます。 たとえば、前回の犯罪後すぐに再犯が認められた場合、より重い刑罰が科される可能性があります。
また、大麻の栽培はかなり普及しているとされています。 小規模な家庭栽培者のほとんどは、訴追されるリスクがほとんどないとされています。個人的および私的な使用のために最大5株の大麻を栽培することが許可されていますが、これらを他人に供給または販売するために収穫することはできず、収穫された大麻を公共の場で使用することもできません。
大麻に関する政策・法律の背景
西暦 | 関連法案、出来事 |
---|---|
1961 | 刑法(Criminal Law No. 140/1961) |
1998 | 刑法改正(Law No. 112/1998) |
2009 | 刑法(Criminal Code No. 40/2009) |
2013 | 最高裁判所刑事部の意見(Opinion of the Criminal Division of the Supreme Court No. 301/2013) |
2013 | 医療大麻法(Law No. 50/2013) |
チェコ共和国における大麻規制の歴史は、厳しい取り締まりから、より寛容的な方向性にアプローチへの移行を遂げてきました。同国の歴史の中で重要な法律や政策を以下に示します。
1961年刑法(Criminal Law No. 140/1961): 共産主義時代、薬物関連犯罪は主にこの法律で扱われていました。第187条と第188条は麻薬物質の所持、製造、販売を犯罪としており、1990年の共産主義体制崩壊後に改正され、個人使用のための薬物所持は非犯罪化されましたが、薬物中毒を蔓延させる行為*は新たな犯罪として追加されました。
1998年刑法改正(Law No. 112/1998): 1999年、刑法第187条aが追加され、「少量を超える」量の薬物を所持することが再び犯罪となりました。しかし、「少量」の定義が曖昧であったため、法執行上、問題となりました。
2009年刑法(Criminal Code No. 40/2009): 1961年の刑法に取って代わる新しい刑法が制定されました。この法律では、薬物の製造、流通、「少量を超える」量の所持、麻薬成分を含む植物の栽培、薬物製造とそのための物品の所持、薬物中毒の蔓延、ホルモン作用のある物質の製造に対し懲役刑が定められました。注目すべきは、この刑法では大麻が他の薬物と区別して扱われたことです。個人使用のための所持と栽培に対する罰則が軽減されました。
2013年憲法裁判所決定(Decision of the Constitutional Court No. 259/2013): 憲法裁判所は、「少量」の定義は政府規制ではなく、法律によってのみ行うことができると判決を下しました。薬物法執行における法的枠組みの明確化が求められることになりました。
2013年最高裁判所刑事部の意見(Opinion of the Criminal Division of the Supreme Court No. 301/2013): 憲法裁判所の決定を受けて、「少量」の定義を明確化するために最高裁判所刑事部が意見を表明しました。メタンフェタミン、ヘロイン、コカイン、乾燥大麻、エクスタシー、ハシシなど、一般的な薬物については、より厳格なルールを設定しました。
2013年医療大麻法(Law No. 50/2013): 2013年には、医療目的での大麻の使用を許可する法律が制定されました。この法律の施行規則(Decree No. 236/2015)では、医療専門家は特別な電子処方箋を使用して、1か月あたり最大180gの乾燥大麻を処方することができると定められています。
薬物中毒を蔓延させる行為:
主に薬物の供給と販売、特に大麻栽培を促進する行為。例えば、大麻の種、肥料、植木鉢、栽培に関する書籍をまとめて販売することは「中毒の蔓延」の罪にあたる。
これらの法律や政策に加え、チェコ共和国では、大麻規制、特に大麻栽培用具の販売に関する取り締まりや、違法栽培施設への対応をめぐって、さまざまな出来事や議論が起こっています。
日本人が渡航する際には注意が必要
チェコ共和国では大麻に対する法律は比較的寛容ですが、渡航した際の利用は控える必要があります。大麻は非犯罪化されていますが、「少量」を超える大麻を所持することは違法であり、罰金が科せられます。 ハッシュは最大5グラム、ハーブ大麻は最大15グラムとされています。またTHCが1%を超えるものの売買・所持は違法であるため、それらはブラックマーケットからの供給になります。また医療大麻は合法ですが、厳格な規制の対象となっています。
国外において大麻をみだりに、栽培・所持の場合等に罰する日本の規定があり、罪に問われる場合があります。大麻・THCをめぐる日本の法律は複雑で、また規制が行き届いていない市場では思わぬリスクもあります。日本から渡航される際は薬物の安易な利用を避けるべきでしょう。
渡航される際などは、ご自身で必ず最新の情報をお確かめください。
参考情報:海外での薬物犯罪・違法薬物の利用・所持・運搬(外務省)
チェコにおける大麻ビジネスについて
注目企業
Weedly
チェコ共和国を拠点とするCBD製品のオンライン販売プラットフォーム。高品質なCBDオイル、花、抽出物を取り扱い、健康とウェルネスの向上を目指す。製品の透明性と品質管理に重点を置いており、ラボテストされた製品を提供。
Happease
ヨーロッパ全域でCBD製品を提供する企業。CBDオイル、ベイプ、花、エキスなどを取り扱い、自然療法とウェルネスを推進。製品は有機栽培されたヘンプから抽出され、品質と安全性を保証するために徹底したテストがある。
CanaturaWholesale
ヘンプ製品の卸売業者で、CBDオイル、コスメ、サプリメント、食品など、幅広いヘンプ関連製品を提供。顧客には小売店、健康食品店、ウェルネスセンターなどが含まれる。品質管理と持続可能な製品供給に力を入れている。
Crypto CBD
CBD製品のオンラインマーケットプレイスで、ビットコインなどの暗号通貨での支払いが可能。CBDオイル、花、エディブル製品などを取り扱い、暗号通貨とCBD市場の統合を図っている。利用者には最新のセキュリティ対策を提供し、安全な取引を確保。
市場・税収・値段
チェコでは医療用大麻が合法化されています。Statistaのサマリーによると、2016年から2023年の間に収益がおよそ6倍になっていることがわかります。医療用大麻の合法化は2013年に行われており、その間に医療用大麻という選択肢が市民の間に浸透してきた可能性が示唆されます。
年 | 2016 | 2020 | 2023 |
---|---|---|---|
収益額(百万ドル) | 0.3 | 0.6 | 1.8 |
2023年には、ユーザー数は約17,600人に達しました。2016年にチェコの医療用大麻市場のユーザー数は約5,700人だったことを考えると、大幅な成長と言えます。医療機関や患者の間で医療用大麻の認知度が高まり、多くの新規ユーザーが利用をし始めているといえるでしょう。
年 | 2016 | 2020 | 2023 |
---|---|---|---|
ユーザー数(千人) | 0.57 | 1.1 | 1.76 |
有志がまとめていると思われるサイト上では、大麻の一般的な価格は1グラムあたり250~350チェココルナと報告されていました。価格は売り手や購入者によって異なるとされています。現地の記者によると、観光客価格として1グラム=500CZK程度が相場で、これはアメリカ基準の1/4オンス(約7g)よりやや高めといえます。
ニュース・レポート
CANNABIS INSIGHTではチェコの大麻に関するニュースや情報を発信していきました。大麻利用が非犯罪化されており、2022年末あたりから政府による合法化の計画がニュースになるなど、大麻市場の合法化も視野に入ってきている地域です。引き続き、チェコの状況をお伝えしていければと思います。
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参考記事・情報
- CANNABIS LAW AND LEGISLATION IN CZECH REPUBLIC
- Decriminalization of Narcotics: Czech Republic
- Cannabis in the Czech Republic – Laws, Uses and History
- Sightseeing Prague: The destination for cannabis and CBD lovers
- Here is the list of top 10 Cannabis Brands and Retailers startups in Czech Republic
- Medical Cannabis – Czechia
- Prague, Czech Republic