大麻業界には栽培から販売、配送、セキュリティ、運営管理に至るまで、様々な職種が生まれています。また、法規制やマーケティング、研究開発などの領域においても今後さらに多様な役割が必要とされるでしょう。
以下に、主な職種を各分野に分けて紹介します。
今回はアメリカのサイト、Careers in Cannabis.comに掲載されている情報から、職種を調査してみました。
※日本国内ではこれらの仕事はほとんどできません。産業用、医療用等の大麻の規制は整備されつつあり、合法的な大麻栽培のハードルが下がるにつれて、これらの職種が解放されていく可能性はあります。

大麻栽培・製造関連
栽培担当者 (Cultivation Agent)
大麻の生産、状態を監視・維持し、水やり、剪定、落葉、刈り込みなどの日常的な植物の手入れ作業を実行する
トリム担当者 (Manager of Trim)
消耗品、収穫・加工プラントの管理・監督を行い、効果的なトリミング、乾燥、熟成、パッケージングの結果を達成します。
抽出アシスタント (Extraction Assistant)
大麻成分の抽出を補助します。機器を安全かつ効率的に操作し、大麻を高品質の大麻製品に変換する責任を負います。
その他の職業:
処理担当者 (Processing Agent)
収穫後の大麻を加工処理厨房技術者 (Kitchen Technician)
食用大麻製品の製造に従事する包装担当者 (Packager)
製品の包装を担当衛生管理技術者 (Sanitation Technician)
施設内の衛生管理を担当害虫管理技術者 (Integrated Pest Management Technician)
害虫駆除や予防管理
販売・接客関連
薬剤師 (Pharmacist)
大麻製品の調剤を指揮・管理します。この職務では、従来の医療現場と同じく現場の医療担当者として患者に正しい用法・用量を確実に提供し、健全な教育やカウンセリングを行います。
フィールドセールス担当者 (Field Sales Representative)
大麻製品の営業活動を展開。決められたテリトリーで収益を上げ、市場シェアを拡大することや、ブランド認知度とロイヤリティの向上が求められます。また指定された地域内の調剤薬局を訪問し、予定されている店内ポップアップやその他の業界イベントに参加/主催し、顧客に地域主導の製品教育を提供することも求められます。
販売員 (Advisor/Budtender)
安全で信頼できる大麻製品へのアクセスを向上させ、ユーザーに服用と消費に関する知識とオーダーメイドの小売体験を提供する。
その他の職業:
販売アシスタント (Part Time Retail Associate):
販売業務を補助パーソナルケアスペシャリスト (Personal Care Specialist):
顧客への個別対応を担当
配送関連
配送員 (Courier)
栽培施設から、加工施設や販売施設への大麻植物の配送を担当します。
配達ドライバー (Delivery Driver)
大麻製品の顧客への配達を担当します。
研究職
研究所技術者 (Lab Technician)
研究所での分析・実験を担当します。
有害生物管理技師(Pest Management Technician)
園芸、昆虫学、植物病理学のバックグラウンドを持って、大麻栽培現場の害虫/害獣被害を予防します。
セキュリティ関連
資産保護担当者 (Asset Protection Associate/Specialist)
施設の安全管理を担当資産保護スーパーバイザー (Asset Protection Supervisor)
セキュリティチームの監督を行うセキュリティスーパーバイザー (Security Supervisor)
施設のセキュリティ全般を管理
その他の職種
メンテナンス担当者 (Maintenance Worker)
施設のメンテナンス業務を行います。ECディレクター兼デザイナー (E-Commerce Coordinator & Designer)
オンライン販売関連業務を担当します。カスタマーサクセス (Guest Relations Specialist)
顧客対応を行います。HVAC技術者 (HVAC Technician)
施設の暖房、換気、空調設備の保守管理します。在庫コーディネーター (Inventory Coordinator)
在庫管理を行います。注文処理担当者 (Order Fulfillment Agent)
注文の処理を担当します。
HVACとは:
暖房(Heating)、換気(Ventilation)、空調(Air Conditioning)の頭文字をとった略語。
大麻・CBD産業には多くの職業がある
大麻・CBD産業には様々な職種があります。大麻・CBD産業は主に栽培、加工、製造、販売を経て顧客(エンドユーザー)に届くようになっています。その点から見ると上記のような仕事があることがわかります。
他にも大麻・CBDの業界メディアやカンファレンスやビジネスイベントを行うイベント事業、出版など大麻・CBD産業に関わる仕事は多くあります。また、栽培と言っても産業用大麻(ヘンプ)や嗜好用大麻によってもやることは異なります。日本国内ではそれらの仕事を行うことはできませんが、世界を見渡すと多くの仕事があり、興味深いです。