タイの大麻・CBDの合法化/法律/規制/歴史/ビジネスを解説

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皆さん、こんにちは。
大麻・CBDのビジネス、経済メディア「CANNABIS INSIGHT」です。

本記事ではタイにおける大麻規制と合法化について詳しく解説します。東南アジアで最初に大麻を非犯罪化した国であるタイは、医療用から嗜好用まで幅広く大麻を許可しています。タイ語では大麻は「กัญชา」と表記されており、タイに旅行した際には内部での文化の広がりを感じられることでしょう。

本記事では、その歴史的背景、現在の規制状況、ビジネス動向、経済・社会への影響について詳しく探ります。

この記事は大麻産業・合法化の情報をまとめ、学習やリサーチを補助する目的で作成されています。日本国内では、THC・大麻は厳しく規制されています。

目次

タイでの大麻利用は合法化され、解禁済み

タイ国旗

(2025/3/26現在)タイでは、大麻の所持・利用は合法です。タイでは、2018年に医療用大麻が合法化され、2022年6月には嗜好用大麻も非犯罪化されています。

タイは東南アジアで最初に全ての形態の大麻を非犯罪化した国となります。実際にタイではTHC含有製品の入手が可能ですが、これはショップのライセンス取得が合法化当初は比較的容易だったため、数多くのショップがTHC製品の扱いが可能となり、実質的に誰でも入手することができる状況が出来上がりました。

合法化・規制変更の背景について

出来事内容
2000年代初頭メタンフェタミン・ヘロインの乱用安価で入手しやすく、学生や労働者層に蔓延。2002年に薬物乱用者更生法が施行され、強制的な治療制度が導入。
2018年医療目的の大麻合法化政府管理のもと、大麻抽出物の使用を許可。医療大麻の支持と農村部経済の活性化が背景。
2019年Bhumjaithai党の政策大麻を農村経済活性化の作物として推進。貧困問題や観光業復興の手段として注目。
2022年大麻の完全合法化THC含有量0.2%以下の大麻を麻薬リストから除外し、アジア初の合法化国に。
2023年Pheu Thai党の新政権2024年末までに嗜好目的の大麻使用禁止を目指す。罰則を伴う新法案を提案。
2024年9月新しい大麻規制法案規制強化のための法案を策定し、パブリックコメントを募集(9月末終了)。

2000年代初頭、タイではメタンフェタミン系薬物の乱用が深刻化していました。安価で入手しやすく、薬害に対する認識が低いため、学生から労働者まで幅広い層に蔓延していたと言われています。また、ヘロインの乱用も深刻でした。2002年には薬物乱用者更生法が施行され、薬物使用者に対する強制的な治療制度が導入されています。薬物乱用はつねに生活の近くにあり、今日でも、タイの人々にとって社会問題だったといえるでしょう。

そのような背景のなか行われた大麻の非犯罪化が行われてきたという背景があります。

2018年、タイは薬用目的での大麻の使用を合法化し、厳格な政府の管理下で抽出物の使用を許可しました。この決定は、世界中で医療大麻の支持が高まっていることと、タイ経済、特に農村部の北東地域を活性化するという期待によって推進されました。

2019年の総選挙で、Bhumjaithai党は、農村部の経済を活性化するための作物として大麻を宣伝しました。農家は一般的に小規模経営であり、土地の所有権問題や農業技術の不足、気候変動の影響などで貧困に陥る割合が高く、国内の大きな問題のひとつでした。またCOVID-19の流行によって壊滅的な打撃を受けた観光産業の復興のためにも大麻産業の振興が注目されると考えられました。

政策によって、2022年にはTHC含有量が0.2%以下の大麻抽出物を麻薬のリストから除外。その結果、タイはアジアで初めて大麻を合法化した国となり、大麻のすべての部分が消費用に許可されました。

大麻の合法化により、薬物による暴力や乱用に関する懸念が、タイ国内に生じてきました。規制の緩さにより、大麻はオンラインとオフラインの両方で容易に入手できるようになりました。免許を持つ事業者は、大麻入り製品を提供することが許可されています。大麻の販売は20歳未満に制限されていますが、タバコやアルコールと同様に若年層へのアクセスを完全に制御することは難しく 特に大麻入り食品や飲料は有効成分の含有量が適切に管理されていないとされています。

そのような問題点を踏まえ、2023年に選出されたPheu Thai党が率いる連立政権は、2024年末までに嗜好目的の大麻使用を禁止することを目指していました。提案されている法律では、大麻の一部を販売禁止とし、嗜好目的の使用に対しては罰金と懲役刑を科すとしていました。

そんななかで、発表された2024年9月の「大麻を合法のまま規制する」新法案には大麻の娯楽目的の使用を明示的に禁止する条項は含まれていません。また、新政権が大麻を「麻薬」として再分類する試みを事実上断念したことも意味しています。以前の政権では、大麻を再び麻薬として規制する動きもありましたが、新政権は規制による市場管理を選択した形です。

この法案は、大麻とヘンプの医療的および経済的利益を重視しながら、過去2年間の規制不足による悪影響を軽減するために、生産、販売、非医療用途の消費を規制することを目的としています。

この法案に関しては、パブリックコメントが募集されていました(2024年9月末に終了)。

パブリックコメントの主な内容は以下の通りです。

  • 大麻取締委員会(CCB)の新設: CCBは大麻産業の規制枠組みを監督・開発し、THC含有量の制限などを設定します。
  • ライセンス制度の導入
  • 成人による使用の制限: 公共の場(宗教施設、教育機関、公園、動物園、遊園地など)での使用は禁止されますが、自宅での使用は合法のままです。
  • 販売制限: 販売者は20歳未満および妊娠中の女性への販売を禁止されており、特定のライセンスを取得する必要があります。
  • 医療目的での使用: 疾病の治療、症状の緩和、疾病の予防のための使用は許可されますが、免許を持つ専門家(現代医学、伝統的なタイ医学、応用タイ医学、漢方、認定された村のヒーラーなど)の監督が必要です。

日本人がタイに旅行する時の注意点

タイでは大麻が規制のもと管理されており、旅行者がアクセスすることにはリスクがあります。また大麻関連製品を持って空港を出入りするのは、他国の法律に抵触する可能性があり、大きなリスクがあります。海外渡航の際はCBDを含む大麻由来製品を携帯することは避けましょう。

以下のように大使館から大麻についてのアナウンスも入念に行われています。大麻・THCは現代日本では規制されている物質であり、大きなリスクを抱えています。安易に利用しないようにしたほうが良いでしょう。特に2025年以降からは現地での公衆消費は法的なリスクも高まることが考えられます。新たな法案では、医療や特定の産業用途以外での使用は「許可されていない用途」とされ、最大60,000バーツの罰金が科せられる可能性があります。

非合法的な大麻やその他規制薬物等の所持や使用等により警察に拘束される事案も存在しておりますところ、在留邦人の皆様及び渡航者の皆様におかれましては、日本及びタイの法律を遵守された上、日本国外であっても安易に大麻に手を出さないように注意願います。

引用:在タイ日本国大使館

※渡航される際などは、ご自身で必ず最新の情報をお確かめください。

大麻の歴史

伝統医学、古くから続く大麻の利用

大麻はヘルスケアの観点から様々な効果があるとされ、これらの効能は古くから農村の人々にとって重要な役割を果たしてきました。

伝統的なタイ医療では、大麻の使用方法がいくつかあります。例えば、乾燥させた大麻の葉や花を粉末状にして、薬草の一部として利用しました。また、「ボング」という竹製の水パイプを用いて大麻を吸引する方法も一般的でした。吸引することで大麻の医療効果を高め、より迅速に体内に取り込むことができると考えられていました。

料理にも大麻の利用があり、例えば、タイの伝統的な麺料理であるボートヌードルスープ(クウェイティヤオルア)には、かつて大麻が使われていたといいます。

アメリカとの関わり

タイの大麻嗜好利用が国際的に注目されたのは、1960年代後半のベトナム戦争時代です。

  • ベトナム戦争の影響: タイ駐留の米兵の多くが休暇中に大麻を利用。ベトナムでも大麻が広く兵士に消費されていました。
  • タイの大麻輸出と規制強化: 戦後、タイは世界最大の大麻栽培国となり、「タイスティック」などが流通。しかし、米国の圧力でタイ政府は取締りを強化しました。

要点として、ベトナム戦争がタイの大麻利用と流通に大きな影響を与え、その後、国際的な圧力で規制強化へと繋がったことが挙げられます。

タイスティック

そのような中で前述の違法薬物の蔓延が起こり、大麻の扱いなどが変わっていき、今日の状況に至ります。

タイにおける大麻ビジネス・市場について

タイの有名大麻企業一部(製薬会社含む)

企業名
Thai Leaf
PACCAN
Dr. CBD
Green house Thailand

Medipharm Labs(カナダ)、Cresco Labs(アメリカ)、Tilray Brands(カナダ)など市場には様々な企業が進出しています。医療用大麻市場では、Tilrayが最も多くのシェアを獲得していると言う報告もあります。

地域ごとの値段の違い

Oxford Treatment Centerによれば、アメリカでは平均価格が最も高いのは、コロンビア特別区(597.88ドル)、ノースダコタ州(383.60ドル)、バージニア州(364.89ドル)の3つで、これらはマリファナの使用がある程度制限されている場所です。マリファナの価格が最も安い3つの州は、すべて西部に位置し、オレゴン州(210.75ドル)、ワシントン州(232.90ドル)、コロラド州(241.74ドル)である。全米平均は326.06ドルです。

バンコクでは、通常1グラムあたり約13米ドルとされています。重さを合わせて比較すると、1オンスでは367.9ドル程度となり、全米平均よりもやや高価という結果が得られます。これはバンコクでは観光客向けに多く販売されていることなどの影響が考えられます。

大麻産業の収益や展望

大麻の合法化により、タイ全土、特に観光地でカンナビスショップが急増しました。2022年、タイの大麻産業は約280億バーツ(日本円で約1200億円)の収益を上げ、2025年までにほぼ倍増すると予測されています。

タイでは大麻の非犯罪化後、大麻関連製品を販売する専門店が急増し、その数は従来の薬局に匹敵するほどになっています。 特に外国人観光客が多い都市部では、アムステルダムやカリフォルニアの大麻業界で経験を持つ外資系企業が進出しており、大麻市場の成長を牽引しています。 北部都市チェンマイでは、220店舗以上が大麻販売店として登録されており、世界有数の大麻観光地としての地位を確立しつつあります。

【他の地域の大麻の状況について知る】

参考記事・情報

※本記事は、日本国内ならびに国外での違法行為を助長する意図はありません。
この記事の内容は、あくまで読者の皆様のリサーチや学習の一環として提供しています。
法律に関する最新情報は各国の公式サイトをご確認ください。

編集者

赤木 孝臣のアバター 赤木 孝臣 CANNABI INSIGHT代表/編集長

2022年4月20日にCANNABIS INSIGHTを創刊。国内外の大麻・CBDニュースの発信や、国内有識者へのインタビュー、産業動向の解説などを行っている。CBD業界の情報発信として「CBD白書」「ASAラジオ」「大麻・CBDニュース総選挙」などの企画を運営。業界イベントへの登壇や取材活動も行い、日本のCBD・ヘンプ産業に関する情報発信とコミュニティ形成に取り組んでいる。さらに、CBD原料比較プラットフォーム「アサバンク」を開発し、原料サプライヤーと事業者をつなぐ業界インフラの構築を進めている。

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