今回は、日本で大麻を含むドラッグを規制している法律のひとつである「麻薬特例法」について調査してみました。
解釈が難しい…?麻薬特例法とは?

麻薬特例法は、正式名称を「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」といいます。
国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律(全文|e-gov)
この法律は、国際的な協力の下、規制薬物に関する不正行為を助長する行為を防止し、薬物犯罪による収益を剥奪することを目的として、平成3年10月に成立しました。
つまり、麻薬特例法は、覚醒剤や他の違法薬物による犯罪の収益を取り締まることにフォーカスした法律になっています。一方で、覚醒剤取締法や大麻取締法は、麻薬そのものの製造、所持、使用、輸出入を直接取り締まる法律です。
このように、麻薬特例法は犯罪収益に関する規制が中心という点が異なります。
第二条 この法律において「規制薬物」とは、麻薬及び向精神薬取締法に規定する麻薬及び向精神薬、大麻取締法に規定する大麻、あへん法に規定するあへん及びけしがら並びに覚醒剤取締法に規定する覚醒剤をいう。
この法律では、THC成分によって規制されている大麻だけではなく、さまざまな物質が「麻薬」として取り締まられています。以下の記事に大麻とあへんやコカインなど、他のドラッグの違いをまとめていますのでご興味のある方はご覧ください。

麻薬特例法では、下記の行為等を規制しています。
「業として」行う不法輸入等
マネー・ローンダリング(薬物犯罪収益等の仮装・隠蔽・収受)
規制薬物としての物品の輸入等
薬物犯罪収益等の仮装・隠蔽・収受等のあおり・唆し
具体的には、麻薬特例法は以下のような内容を定めています。
薬物犯罪収益等の没収・追徴
薬物犯罪によって得られた収益や、その収益から得られた財産を没収・追徴することができます。国際的なコントロールド・デリバリー(監視付き移転)
薬物犯罪の捜査において、規制薬物の移動を監視しながら、犯罪者を摘発することを可能にする制度です。クルーズ船の外国人旅客に対する特例上陸許可制度の利用者に対するコントロールド・デリバリー捜査
平成26年の改正により、クルーズ船で入国する外国人に対しても、コントロールド・デリバリー捜査を適用できるようになりました。
麻薬特例法は、薬物犯罪を厳しく取り締まり、国際的な協力の下に麻薬問題の解決を図るための重要な法律です。