2026年1月3日から2026年1月9日の期間に世界の大麻・CBD業界で起きた出来事をまとめた『週刊大麻ニュース』をお届けします。大麻に関する合法化、政治、ビジネスなどのテーマを中心に取り扱っております。
※日本国内の違法行為を推奨するものではありません。
チェコ共和国、大麻栽培・所持の新ルール 2026年1月1日より施行
チェコ共和国で2026年1月1日、新たな大麻(カンナビス)栽培・所持ルールが施行され、成人の個人用大麻に関する法制度が大きく変わった。新ルールは刑法改革の一環で導入され、明確な量的基準が設けられるとともに、司法・警察の負担軽減も狙いとされている。
新制度では、21歳以上の成人が自宅で最大3株まで大麻を栽培できることが認められ、乾燥大麻を自宅で最大100グラム、外出時には最大25グラムまで所持できるようになった。これまでの曖昧な運用から統一された基準への移行は、法的な不確実性を解消するとの狙いがある。
ただし、商業的な販売や社会的クラブでの流通は現段階では認められておらず、完全な市場開放には至っていない。政府は個人の栽培・所持を合法化する一方で、販売・流通については今後の社会的議論を踏まえた上で段階的な対応を進める方針だ。
新制度は、これまで刑事罰や行政罰が混在していた大麻関連の法執行の過剰負担を軽減する目的もあるとされる。保安当局は、軽微な事案については罰金や行政処分で対応しつつ、重大な違反行為や大麻取引については引き続き厳格に対処する構えだ。
チェコの大麻政策は、2025年の議会承認を経て成立したもので、同国はマルタ、ルクセンブルク、ドイツなどに続く「段階的合法化モデル」の位置付けとなっている。欧州内でも比較的リベラルな枠組みとされる今回の新ルールは、他国の政策議論に影響を与える可能性がある。
今回の改正は、国際的にも注目される動きとなっており、チェコ国内での大麻規制のあり方や隣国への影響について、今後の動向が注目される。
タイで大麻販売店が大量閉鎖 規制強化で7,000店超が営業終了へ
タイ政府は2025年、大麻(カンナビス)をめぐる規制を大幅に強化し、その結果、全国で7,000店を超える大麻販売店が閉鎖されたと発表した。新たな許認可制度と厳格な更新要件が背景にあり、国内の大麻市場は大きな変革期を迎えている。
タイ保健省によると、2025年末までに全国には18,433件の大麻関連事業者が登録されていたが、そのうち**免許の有効期限を迎えた8,636件のうち更新申請をしたのはわずか1,339件(約15.5%)**にとどまった。このため、約7,297件が再申請を行わず営業を終了し、実質的に閉店した形となった。
今回の閉店ラッシュは、タイ政府が導入した新たな規制の影響によるものだ。これまでの2016年制定の省令では、急速に拡大した大麻販売の実態に対応できなくなったとして、新省令が閣議承認され、商業目的の大麻販売や取り扱いについて、許可対象施設の種類や運営基準が明確化された。医療機関や薬局、ハーブ製品販売店、伝統医療従事者の四つに限定され、処方や販売には有資格者の関与が求められるようになったという。
保健省は、こうした規制見直しについて「大麻市場が急拡大する中で、消費者保護と地域社会への影響軽減を図るため」と説明。新ルールでは、営業施設の設備や管理体制の厳格化、臭気対策、適切な保管条件の確保、そして営業中の専門スタッフ配置などが義務付けられる予定だ。
一方、政府は医療用としての大麻供給体制については安心感を強調している。医師の処方に基づく医療用途向けの供給については、全国の医療機関で対応可能な体制が整っており、患者が必要な治療を受けられるよう十分な医療人材と設備があると説明されている。
この動きは、タイが2022年に大麻を非犯罪化して以来、急拡大してきた娯楽目的の販売店が“新たな規制の網”にかかった形だ。政策転換は地域社会の安全や若年層への影響を抑制する狙いもあるが、自由化から管理強化へと舵を切った象徴的な事例として国際的な注目も集めている。
ウクライナ、医療用大麻の生産枠を公式承認
ウクライナ政府は、医療用大麻生産の年間生産枠(クオータ)を正式に承認したと発表した。今回の承認は、医療大麻の合法的な栽培・供給体制の確立に向けた大きな前進とみられ、欧州の医療用カンナビス市場に新たなプレーヤー登場の可能性を示した。
ウクライナ保健省によると、正式に承認された生産クオータは、医療用途向けの大麻原植物および成分を対象とするもので、認可を受けた企業・農場はこの枠内で栽培・生産を行うことができるという。政府関係者は、「患者ニーズに応え、安全かつ法的に管理された供給体制を整えることが目的だ」と述べている。
今回の措置は、ウクライナがこれまで医療用大麻に対して規制を厳格に維持してきた流れを転換するものとして注目される。合法的に医療用大麻を生産できる体制が整うことで、国内患者の治療選択肢が拡大するだけでなく、欧州全体で進む医療カンナビス市場のサプライチェーンにも新たな影響を与える可能性がある。
ウクライナは2020年代に入ってから医療大麻に関する議論を本格化しており、医療専門家や患者団体からは長らく制度整備を求める声が上がっていた。しかし、これまでは規制の不透明さや生産体制の欠如が障壁となっていた。今回の生産枠承認は、そうした課題に対する具体的な政策対応といえる。
国際的には、欧州や北米で医療用大麻市場が拡大しており、各国・地域が政策の見直しや制度化を進めている。ウクライナもこの潮流に追随する形となり、合法生産のインフラ整備を進めることで、国内需要の満たし方と国際市場への関与という二つの方向性を模索している。
一方で、制度設計に関しては慎重な見方もある。品質管理、トレーサビリティ、輸出入規制、医療用途以外の取り扱いなど、今後の法整備や運用の詳細が政策の実効性を左右する要素となる。特に隣国 EU 諸国との規制調和は、サプライチェーン構築の上で大きな鍵を握るとみられる。
ウクライナ政府は、生産クオータ制度の導入を皮切りに、「医療用カンナビスの安全な供給」と「質の高い治療環境の整備」を進めていく方針だ。国内の医療関係者や患者からは歓迎の声が上がる一方、今後の制度運用や市場形成がどのように進むか、引き続き注目が集まっている。
参考記事:Ukraine approves medical cannabis production quota(International CBC)
モロッコが鶏などの家畜向けCBD飼料の研究を承認
北アフリカのモロッコ政府が、家禽(ニワトリなどの家畜用)向けのCBD含有飼料に関する研究を正式に承認したことが明らかになった。CBD成分が飼料として動物の健康や生産性に与える影響について科学的な検証を行うことが目的で、農業・畜産分野でのカンナビノイド活用の可能性を探る一歩として注目されている。
今回承認された研究プログラムは、モロッコ農業省が関与する枠組みの下で進められるもので、特にCBD(カンナビジオール)成分が家禽の行動やストレス反応、免疫・成長にどのような影響を及ぼすかを評価する。CBD は一般的に人間向けのリラクゼーションや炎症抑制に用いられているが、畜産物の健康と生産性への応用はこれまで十分に研究されていなかった分野だ。
研究はまずパイロット試験の段階から開始され、CBD を添加した飼料を用いた複数の鶏群について、健康状態、生育速度、ストレス指標などが長期的にモニタリングされる。モロッコ政府関係者は「畜産業は国の重要な基幹産業の一つであり、先進的な飼料の開発と動物福祉の向上を両立させたい」と説明している。
モロッコはすでに対人用のカンナビス利用にも柔軟な姿勢を見せている国で、医療用大麻制度や合法化議論が進んでいる。今回の家禽向け研究承認は、アニマルヘルス(動物健康)と農業技術の融合という新たな潮流の象徴ともいえる。
一方で、家禽用飼料へのCBD添加には規制上の課題も残る。食品安全基準、残留成分規制、消費者の受容性など、多岐にわたる法的・社会的検討が必要とされる。モロッコ政府内でも専門家パネルが立ち上がっており、安全性と倫理性の両面から慎重な審査が行われる見込みだ。
国際的には、畜産物の生産性向上やアニマルウェルフェア(動物福祉)の観点から、飼料添加物の研究が進んでいるが、CBD 成分の活用はまだ初期段階だ。モロッコの取り組みは、農業大国としての同国の競争力を高めると同時に、グローバルな畜産技術の新潮流を生むかもしれないとして業界の関心を集めている。
今後の研究成果は、家禽業界だけでなく、広くカンナビノイド利活用全般における新たな可能性を示すものとして注目される。
参考記事:Morocco Approves CBD Poultry Feed Study(International CBC)



