2026年1月10日から2026年1月16日の期間に世界の大麻・CBD業界で起きた出来事をまとめた『週刊大麻ニュース』をお届けします。大麻に関する合法化、政治、ビジネスなどのテーマを中心に取り扱っております。
※日本国内の違法行為を推奨するものではありません。
大麻大手ティルレイ、四半期売上330億円規模に 過去最高を更新
大麻関連企業の Tilray Brands は、最新四半期において**純売上高2億1800万ドル(約330億円)**を計上し、四半期ベースで過去最高を更新した。国際市場およびカナダ国内事業の堅調な推移が業績を押し上げた形だ。
同社の発表によると、売上成長を牽引したのは医療用大麻を含むカンナビス部門に加え、飲料アルコールや流通事業など多角化したポートフォリオ全体だった。特にカナダ市場では価格競争が続く中でも出荷量を伸ばし、市場シェアの維持・拡大につなげたという。
また、国際事業も引き続き好調だった。欧州を中心とした医療用大麻の需要増加が寄与し、規制に対応した供給体制を構築してきた戦略が成果を上げたとされる。ドイツなど主要市場での存在感は依然として強く、同社は「国際展開は今後も成長の柱になる」との認識を示している。
収益面では、売上増加に加えてコスト管理の改善も進んだ。統合による効率化や不採算事業の整理が奏功し、財務体質の健全化が進行している点も投資家の注目を集めている。経営陣は、短期的な市場変動に左右されにくい事業構造を構築しつつあると強調した。
一方で、世界的に大麻市場は依然として政策や規制の影響を受けやすく、競争環境も厳しさを増している。北米では価格下落圧力が続き、欧州でも制度設計の行方が不透明な地域が少なくない。こうした中で、ティルレイは「多角化と国際分散」を軸にリスク耐性を高める戦略を継続する構えだ。
四半期売上の過去最高更新は、同社にとって象徴的な成果となった。大麻産業全体が再編と淘汰の局面にある中で、規模と多角化を武器に成長を維持できるかどうかが、今後の評価を左右しそうだ。
参考記事:Tilray Brands Delivers Record Quarterly Net Revenue of $218M(Cannabis Business Times)
米国ヒップホップMVの37%に“大麻描写”
米国で公開されているヒップホップおよびラップのミュージックビデオ(MV)の約37%に大麻の描写が含まれていることが最新の研究で明らかになった。映像内で大麻が使用・表示される割合は、ジャンル全体の文化・イメージ形成に深く影響している可能性があるとして、音楽・メディア業界で関心が高まっている。
この記事が引用する研究は、ヒップホップとラップの人気MVを対象に、大麻に関連するシーンや象徴がどの程度登場するかを定量的に分析したものだ。調査の結果、およそ37%のMVで大麻の吸引、製品、シンボルが登場し、視覚的に大麻が示されていることが確認された。特に若年層やストリートカルチャーに強い影響力を持つジャンルだけに、こうした描写が視聴者の認識にも影響を与えているとの見方がある。
大麻描写が多い背景としては、ラップ・ヒップホップ文化に根付いたストリートのリアリティやライフスタイルの表現が挙げられている。アーティストが自らの経験や価値観を歌詞と映像で表現する中で、大麻はしばしばリラックス、解放、反体制的イメージと結び付けられてきた。音楽評論家の一部は、「ジャンルのアイデンティティとして大麻が象徴的に使われている」と指摘する。
一方で、研究者たちはこの傾向が視聴者の価値観や行動にも影響を与える可能性を懸念している。特に10代〜20代の若年層がミュージックビデオを日常的に視聴する現状において、娯楽コンテンツにおける大麻描写が、大麻に対する認識や受容の仕方に影響を与えうるという指摘だ。ある社会学者は「映像メディアは文化的価値観の一部を形成するため、そこに頻繁に登場する要素が観念形成に寄与する可能性がある」とコメントしている。
また、ミュージックビデオ制作側にも責任論がある。表現の自由と文化的リアリティの再現を尊重する一方で、公共衛生や若年層への影響をどう考慮するかという議論が音楽業界内でも起きている。これまで大麻描写は、規制対象外の芸術表現として扱われてきたが、社会全体の大麻に対する姿勢の変化とともに、制作現場でも一定の自省が求められる局面が出てきた。
一方で研究者は「大麻描写そのものが即座に使用行動を促すわけではない」としつつも、「文化圏全体としての受容度が高まっていることは確か」と分析する。大麻の社会的受容が進む米国において、音楽・映像コンテンツでの描写はその潮流とリンクしているとの見方だ。
参考記事:37% of U.S. Hip-Hop and Rap Videos Show Weed, Study Finds(High Times)
米マサチューセッツ州の大麻売上が過去最高 年2,600億円規模に
米マサチューセッツ州で、2025年の大麻販売額が**過去最高の16.5億ドル(約2,600億円規模)**に達した。州の規制当局「マサチューセッツ大麻管理委員会(CCC)」が公表したもので、価格下落が進む中でも、購入量の増加が市場全体の売上を押し上げた形だ。
注目されるのは、売上が伸びた背景に“値下がり”があった点だ。州内では大麻製品の価格が大きく下落している一方、消費者は以前より多くの商品を購入しており、市場規模はむしろ拡大したという。結果として2025年の総売上は前年をわずかに上回り、過去最高を更新した。
実際に店舗側が報告した2025年の取引件数は4,630万件で、前年より340万件増加。購入回数そのものが増えており、ディスペンサリー(販売店)に足を運ぶ消費者が定着していることがうかがえる。
CCCは「2018年に成人向け大麻販売が始まって以来、州内の大麻事業者数は過去最高に達した」として、市場が成熟局面に入ったとの見方を示した。さらに規制当局は、事業者の負担軽減を目的とした“規制の見直し”にも乗り出しており、制度面でも運用改善が進められている。
一方で、マサチューセッツ州では成人向け大麻販売を終わらせることを目指す投票運動も報じられており、州の大麻市場は「拡大」と「逆風」が同時に存在する複雑な局面にある。売上が過去最高に達したという事実は、市場が一定の需要を獲得していることを示すが、政策面の不確実性は引き続き残りそうだ。
また州によると、大麻産業は2025年度に2億6,500万ドルの税収も生み出した。税収は社会復帰支援や啓発施策、社会的公正を目的とした基金などに充てられているという。
価格下落による収益圧迫は事業者にとって課題となる一方、消費者側では購入ハードルが下がり、市場を広げる要因にもなっている。マサチューセッツ州の「売上過去最高」という結果は、合法市場が成長する過程で起きる典型的な構図を映し出した形だ。
参考記事:Massachusetts cannabis sales hit record $1.65 billion despite falling prices(MJBizDaily)



