2025年9月27日から2025年10月3日の期間に世界の大麻・CBD業界で起きた出来事をまとめた『週刊大麻ニュース』をお届けします。大麻に関する合法化、政治、ビジネスなどのテーマを中心に取り扱っております。
※日本国内の違法行為を推奨するものではありません。
スリランカ、医療用大麻の輸出栽培を推進 外資誘致で外貨獲得へ
スリランカ政府が、医療用オイルの輸出を目的とした大麻栽培プロジェクトを本格的に動かし始めた。ロイターによると、投資委員会(BOI)は米欧向け輸出を見込む6件の案件で、合計1億ドル規模の投資誘致を進めており、まずは厳重管理区域での栽培をコンテナ型のパイロットから開始する計画だという。大統領府はIMF支援の枠組みを維持しつつ外資導入を加速しており、大麻産業は外貨獲得の新たな柱として位置づけられる。
同国は2022年の経済危機でデフォルトに陥り、財政再建の一環として国営部門の改革や投資優遇策を拡充してきた。政権は「5000万ドル超の大型投資に透明な税優遇を適用する」方針を示しており、医療用大麻もその対象になり得る。輸出先としては米国と欧州が想定され、現地での医薬・ウェルネス用途のオイル需要を取り込む狙いがある。
国内では雇用や外貨収入への期待がある一方、栽培区域の管理、逸脱流通の防止、医薬用途としての品質・トレーサビリティの確保など、制度設計の課題も残る。電力やエネルギーなど他分野の構造改革と並行して、どこまで実装を進められるかが注目点だ。
政権は年内のIMF審査や大型投資計画の進捗と連動させながら、試験栽培から商業規模への移行を探る見通し。大麻を巡る規制・輸出実務の詳細が固まれば、周辺国を含む南アジア市場にも波及効果が広がる可能性がある。
参考記事:From crisis to cannabis: Sri Lanka’s president surprises with pro-market pivot(Reuters)
【大麻株急騰】トランプ氏「CBDは高齢者医療に有効」発言で大麻株が一斉高
米国株式市場で大麻関連銘柄が急伸した。きっかけはトランプ大統領が週末にSNSへ投稿し、カンナビジオール(CBD)が高齢者医療で「病気の進行を抑え、処方薬の代替になり得る」と支持を表明したこと。29日(月)のプレマーケットで、カナダ勢のCanopy GrowthとTilray Brandsがともに約20%上昇、Cronos GroupとAurora Cannabisもそれぞれ13.3%高となった。米上場の大麻ETF「MSOS」は20.6%上昇し、四半期ベースで約70%高と過去最高の伸びに向かっている。
市場では、政権が8月に示した大麻の再分類(リスケジュール)方針に続く“追い風”と受け止められている。再分類が進めば、連邦税法280Eに基づく損金不算入の負担が軽減され、資本市場へのアクセス改善や米取引所上場の可能性が広がるとの観測がある。今回の急伸は政策の正式決定を織り込むものではないが、停滞していたセクターに投資マインドの改善が波及した格好だ。
参考記事:Cannabis stocks surge after Trump endorses cannabidiol for senior healthcare(Reuters)
HOSOO、エイベックス・グループ参画のヘンプブランド「MAJOTAE」継承
西陣織の老舗HOSOOが、ヘンプ(大麻布)を用いるファブリックブランド「MAJOTAE(マヨタエ)」のブランド事業を継承する。FASHIONSNAPによると、マヨタエは自然布研究家の吉田真一郎氏、帯匠の山口源兵衛氏、エイベックス・グループの三者が2014年に立ち上げたブランドで、江戸期の大麻布の制作工程を研究し、現代技術で日常使い可能なテキスタイルへ展開してきた。HOSOOは国内外での成長を見据え、シルクと並ぶ歴史を持つヘンプをポートフォリオに加え、ラグジュアリー分野での拡大を目指すという。現在展開中の約30種類のヘンプテキスタイルは継続販売し、デュベカバーやピローケースなど一部プロダクトはリブランディングののち、2026年以降にHOSOOブランドの一環として発売予定だ。
HOSOOはヘンプについて「少ない水で育ち、環境負荷が低く、抗菌性にも優れる」と説明。日本では縄文時代から布として用いられ、神事にも関わってきた素材で、使い込むほど白く柔らかくなる特性があるという。伝統織物の技とヘンプの素材特性を掛け合わせ、インテリアやファッションの高付加価値テキスタイルとしての展開が期待される。ギャラリー活動や海外見本市での発信も進めるHOSOOのブランド力を背景に、マヨタエの認知拡大とエシカル素材の市場浸透がどこまで進むかが注目だ。
参考記事:HOSOOが大麻布を使用したファブリックブランド「マヨタエ」のブランド事業を継承(fashionsnap)
米大手酒類団体にTHC飲料メーカーが初加盟
米業界紙MJBizDailyは1日、ケンタッキー州のヘンプ由来THC飲料メーカーが、米酒類業界の大手業界団体「Wine & Spirits Wholesalers of America(WSWA)」に初めて加盟したと報じた。加盟企業はCannaBuzzで、同社のアニー・ラウスCEOは「THC飲料カテゴリーの安全でアクセスしやすい市場づくりに貢献したい」とコメントしている。酒類ロビーの中心団体がTHC飲料メーカーを受け入れるのは初で、販売流通やルール形成の場にTHC飲料が本格的に入っていく節目とみられる。
マリフアナ・モーメントも、アルコール業界の主要団体が初めてTHC飲料メーカーをメンバーに加えたと伝え、酒類・THC飲料のサプライチェーンが接近する流れを指摘した。各州で規制がばらつくなか、流通・年齢確認・ラベル表示などの“酒類並み”の業界標準が、WSWAの議論を通じて整備される可能性がある。大手酒類ディストリビューター網へのアクセス拡大が進めば、バーやレストランでの取り扱いも広がるとの観測が出ている。
背景には、クラフトビールを含むアルコール需要の伸び悩みと、低アルコール/ノンアル志向の拡大がある。既に複数のクラフト醸造所がヘンプ由来THC飲料に参入し、ドラフト(サーバー)提供や缶製品など“酒場の体験”を置き換える提案が広がっている。一方で、州ごとのTHC含有量上限や検査・表示の新ルールが市場形成の足かせになるとの懸念もあり、規制当局との綱引きは続きそうだ。
今回のWSWA加盟は、THC飲料が「アルコール産業の隣接カテゴリー」から「同じテーブルでルールを作る存在」へと移行する象徴的な出来事。今後は、年齢確認や責任ある提供、課税や流通規則のすり合わせが焦点となる。
参考記事:CannaBuzz is first hemp THC beverage maker to join alcohol trade group(MjBizDaily)


