週刊大麻ニュース |5月28日-5月31日

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2025年5月28日(水)から2025年5月31日(土)の期間に世界の大麻・CBD業界で起きた出来事をまとめた『週刊大麻ニュース』をお届けします。大麻に関する合法化、政治、ビジネスなどのテーマを中心に取り扱っております。

日本国内の違法行為を推奨するものではありません。

目次

米国成人の約7割「カジノの大麻専用エリア設置」に賛同

アメリカの成人のおよそ7割がカジノやリゾート施設内に大麻の指定消費エリアを設けることに賛成しており、約4割はカジノで大麻使用が許可されれば、よりカジノを訪れる傾向があることが、ネバダ大学ラスベガス校のカンナビス政策研究所(CPI)による新たな調査で明らかになった。 この調査は、大麻産業とゲーミング産業の関係性に関する国民の意識を把握し、来年州議会へ提出される報告書に活用されることを目的としている。 調査結果によると、21歳以上の成人の約70%がカジノリゾートへの大麻ラウンジや消費エリアの導入を支持し、過半数はホテルが特定の客室での喫煙を許可するように、大麻使用が許可される指定客室のアイデアも支持した。大麻使用がギャンブル習慣に与える影響については、約6割が「変わらない」と回答し、「増える」と「減る」はそれぞれ約2割であった。また、大麻使用がギャンブル体験を「より楽しくする」と回答したのは約25%だった。 CPIのリアナ・デュレット所長は、大麻消費がギャンブル意欲を抑制するという認識に対し、それを裏付ける文献がないため調査を行ったと説明。同研究所のマーラ・ロイン・スタッフォード研究部長は、両活動の間に関係性が見られるとしつつも、約6割がギャンブル習慣は変わらないと回答した点は興味深く、予想されたほど強い関係ではない可能性を示唆した。

【参考リンク】
70 Percent Of Americans Support Allowing Marijuana Use At Casinos And Resorts, New Poll Shows (Marijuana Moment)

RAW協賛、世界初早巻きコンテスト「ローリングダービー」開催

大麻のジョイントを巻く速さと技術を競う、世界初のスピードローリング大会「ローリングダービー」の開催が発表された。 これはアメリカ大麻業界のベテランらが設立したもので、21歳以上の参加者が1グラムのジョイントを指定された手順で最も速く巻く技術を競うトーナメントである。参加希望者は、ハッシュタグ「#rollingderby」を付けてジョイントを巻く動画をXやYouTubeに投稿することでエントリーでき、最終的には上位16名によるチャンピオンシップが開催されるようだ。 運営に関わるeコマースプラットフォーム「bud.com」のCEOディーン・アービット氏は、この大会が日常的な行為を観戦スポーツへと昇華させ、真の職人技を称賛するものだと述べている。また、スポンサーであるRAWローリングペーパーズのCEOジョシュ・ケッセルマン氏も、大会がローリング文化の真の芸術性を称賛するものであり、RAWのブランド理念と一致すると語った。

【参考リンク】
CultureFirst-Ever Marijuana ‘Speed-Rolling’ Competition Launches, Turning Cannabis Culture Into A ‘Spectator Sport’ (Marijuana Moment)

アメリカ、大麻を禁止する連邦法は憲法に違反しないとの判決

米連邦の大麻禁止の合憲性が再び問われている。連邦控訴裁判所は先日、大麻関連企業連合が提起した訴えを退けたが、企業側はこれを想定内とし、当初からの計画通り 最高裁判所での審理 を目指す。 企業側は、2005年に最高裁が連邦の禁止権限を認めた判決以降、多数の州で成人向け大麻が合法化されるなど社会状況が根本的に変化したと主張。さらに、大麻栽培・取引の歴史的権利、現行の規制物質法によるデュープロセス(適正な法の手続き)違反、医療用大麻保護措置に見られる連邦議会の禁止意図の希薄化、そして過去のトーマス最高裁判事による連邦大麻法への懐疑的発言などを根拠に、連邦による一律禁止はもはや憲法に反すると訴えている。 しかし控訴裁判所は、2005年の最高裁判決当時に成人向け大麻は存在しなかった点や、多くの州が近年大麻を合法化したという事実だけでは、もともと憲法で保護されていない活動が憲法上の保護を受けるようになる法的根拠や前例はないとして、企業側の主張を退けた。 この訴訟が最高裁で取り上げられれば、米国の連邦大麻政策に大きな影響を与える可能性がある。

【参考リンク】
US Supreme Court is the next stop for challenge to federal marijuana prohibition (MJBizDaily)

ドイツ、医療用大麻輸入量が過去最高を記録 第1四半期に41トン

ドイツにおける医療用大麻市場の急速な拡大と、同国の進歩的な大麻政策の現状が報告されている。 ドイツは2025年第1四半期に、記録的な量となる約41トン(37.2トン)の医療用大麻を輸入した。これはドイツ連邦医薬品医療機器研究所(BfArM)によるデータで、前年の同四半期と比較して約4.6倍の増加を示している。この輸入量のうち、約17.7トン(16.1トン)はカナダからのものであった。 Medizinalcannabisverkehr – Ein-/Ausfuhr (BfArM) フランクフルトに本社を置くブルームウェル・グループのCEOは、ドイツが患者の処方箋入手の容易さから、世界最大の医療用大麻市場になる可能性があると指摘している。同氏は、2025年に年間150トンの大麻がドイツに輸入されると予測し、ドイツの取り組みが、医療用大麻への安全で信頼できるデジタル化されたアクセスを確保し、違法な患者ケアシステムを合法化する点で、EU全体のモデルとなり得るとの見解を示した。 これらの動きは、ドイツ国内の医療用大麻市場のさらなる成長と、同国の大麻政策がEU内の他国へ影響を与える可能性を示唆している

【参考リンク】
Medizinalcannabisverkehr – Ein-/Ausfuhr (BfArM)

イギリス初、薬剤師向けの医療大麻ガイドライン発行

イギリスにおいて、医療用大麻の安全な調剤を支援するための薬剤師向けガイドラインが2025年5月27日に初めて発行された。この包括的なガイドラインは、医療用大麻臨床家協会(MCCS)によって発表されたものであり、大麻ベースの医薬品の調剤に携わる薬剤師が、法的枠組みの中で安全に業務を遂行できるよう支援することを目的としている。大麻ベースの医薬品が民間セクターで広く処方されるようになり、薬剤師に法的責任、製品の種類、そして患者の安全に関する明確な理解が求められるようになった背景から作成された。ガイダンスを執筆したMCCS執行委員会のズル・マモン氏は、薬剤師が医療用大麻の安全で効果的な使用に中心的な役割を果たすとし、この指針が実用的で利用しやすいサポートを提供することで、質の高いケアの提供を可能にすると述べている。

【参考リンク】
First Pharmacy Guidelines to Support Safe Dispensing of Medical Cannabis (Cannabishealth)


週刊大麻ニュース 5月28日から5月31日 は以上になります。

大麻・CBDのビジネス、経済メディア「CANNABIS INSIGHT」編集長:たかおみ

※本記事は、日本国内ならびに国外での違法行為を助長する意図はありません。
この記事の内容は、あくまで読者の皆様のリサーチや学習の一環として提供しています。
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編集者

CANNABIS INSIGHT代表/編集長
世界の大麻・CBDのビジネスや経済情報を調べています。

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