2025年4月19日(月)から2025年4月25日(金)の期間に世界の大麻・CBD業界で起きた出来事をまとめた『週刊大麻ニュース』をお届けします。大麻に関する合法化、政治、ビジネスなどのテーマを中心に取り扱っております。
※日本国内の違法行為を推奨するものではありません。
4月19日(土) スロベニア、欧州最先端の医療用大麻法案を提出
4月20日(日) アメリカ運送業界の運転手不足、大麻の検査が原因か
4月21日(月) 4月20日、ハンガリーで大麻合法化を訴えるデモが開催
4月22日(火)カナダ、大麻合法化後に10代の使用が増加傾向に
4月23日(水) ドイツ大麻合法化後、ベルリンの大麻関連の逮捕数が75%減少
4月24日(木) カナダ、大麻使用障害による死亡リスクの研究が発表される
4月24日(木) 米ワイン卸協会、ヘンプ飲料規制へロビー活動
4月25日(金) カリフォルニア州の都市、大麻事業者の税負担軽減を発表
スロベニア、欧州最先端の医療用大麻法案を提出
スロベニア議会は、医療用大麻に関する新たな法案を提出しました。この法案が採択されれば、ヨーロッパで最も先進的な医療用大麻モデルの一つになるとされています。主な内容としては、規制された管理体制のもとで、医療および科学研究目的における大麻の栽培、生産、流通、使用が合法化されることに加え、資格を満たせば個人や企業を問わずライセンスを取得できる、非制限的な許認可制度が導入される点が注目されています。
この法案提出の背景には、2024年に実施された国民投票で医療用大麻の栽培に対して66.7%の支持が得られたことがあります。すべての選挙区で過半数の賛成を得たとされており、この動きがスロベニアの経済成長に影響を与える可能性もあります。
【参考リンク】
Slovenian Parliament Introduces Europe’s Most Progressive Medical Cannabis Law (ICBC)
アメリカ運送業界の運転手不足、大麻の検査が原因か
米国の運送業界で深刻化する運転手不足問題について、連邦政府による厳格な大麻薬物検査ポリシーが一因となっている可能性が指摘されています。運送管理会社が発表した「大麻、コンプライアンス、ドライバーの定着率」と題された報告書によると、昨年、同業界では約8万人の運転手が不足しており、その背景には、連邦運輸省(DOT)が採用する「ゼロ・トレランス」方針のもと、大麻の陽性反応によって運転資格を失うケースが多発していることが挙げられています。
多くの州で大麻が合法化されている一方で、連邦法では依然として規制対象となっているため、運転手が対応に混乱する状況が続いています。大麻合法化と州ごとの規制の違いが、運送業界の人材確保に悪影響を与えているのかもしれません。
4月20日、ハンガリーで大麻合法化を訴えるデモが開催
4月20日、ハンガリーの首都ブダペストで、大麻合法化を支持するデモが開催されました。
このデモは、風刺的な政治団体「Two-Tailed Dog Party」によって主催され、同党は「アルコールやデザイナードラッグの方が大麻よりも社会的に深刻な害を及ぼしているにもかかわらず、若者による大麻使用が依然として犯罪とされている」として、現行の薬物政策を批判しました。
当日は薬物政策の改善を訴えるプレゼンテーションも行われ、参加者たちは、大麻使用者に対する社会的偏見や支援の不足についても言及しました。
4月20日は世界中で大麻に関するイベントやデモ活動が行われる日として知られており、合法化を求める声は年々高まりを見せているのかもしれません。
【参考リンク】
Demonstration in favour of cannabis legalisation takes place in Budapest (euronews.)
カナダ、大麻合法化後に10代の使用が増加傾向に
カナダで2019年に大麻エディブル製品が合法化されて以降、10代の使用率が26%増加、特にチョコやキャンディーなど食用製品の使用は43%増とする研究がJAMA誌に発表された。合法化により若者にとって大麻が身近になったことが要因とみられ、専門家は販売規制強化や教育キャンペーンの必要性を訴えている。違法製品の流通も課題となっている。
【参考リンク】
Teen cannabis use increased after legalization in Canada, study finds(CNN)
ドイツ大麻合法化後、ベルリンの大麻関連の逮捕数が75%減少
ドイツが大麻を合法化した影響により、ベルリンで大麻関連の刑事事件数が大幅に減少したことが報じられました。2024年4月から2025年3月までの1年間に報告された大麻関連の犯罪件数は約2,300件で、前年の8,430件から大きく減少しています。
この動向について、ドイツ緑の党のヴァシリ・フランコ議員は「警察と司法への負担軽減の証拠であり、消費者を不必要に追及・スティグマ化しないという法改正の目的が達成された」と歓迎の意を示しました。
【参考リンク】
Deutlich weniger Cannabis-Straftaten in Berlin (t-online.)
カナダ、大麻使用障害による死亡リスクの研究が発表される
カナダのオンタリオ州に居住する15歳から105歳までの全住民を対象とした大規模な研究が報告されました。本研究では、大麻使用障害により病院ベースのケア(救急外来の受診または入院)を受けた個人が、死亡リスクの増加と関連しているかどうかを調査しました。
主な結果として、大麻使用障害(Cannabis Use Disorder:CUD)で病院ベースのケアを受けた個人は、5年以内の死亡リスクが有意に高いことが明らかになりました。CUDとは、大麻の使用をコントロールできず、生活に支障や苦痛をもたらす精神的な障害であり、物質使用障害の一種とされています。今回の研究結果は、CUDに対する理解と介入の重要性を示すものといえます。
米ワイン卸協会、ヘンプ飲料規制へロビー活動
米国ワイン・スピリッツ卸売業者協会(WSWA)は、連邦政府によるヘンプ由来の向精神性飲料に関する規制整備を求め、議会への働きかけを行ったことを、2025年4月10日にプレスリリースで発表しました。首都ワシントンD.C.で開催された催しでは、議員と面会し、連邦レベルでの明確かつ包括的な規制枠組みの必要性を訴えました。
2018年の農業法(Farm Bill)を背景に、ヘンプ由来のTHC製品の流通は急速に拡大しており、直近3か月間で34州において100件以上の関連法案が提出されています。
WSWAはこの状況を受けて、公共の安全確保と市場の公平性を担保するためには、国として統一された対応が不可欠であると主張しました。大麻・ヘンプ規制は、様々な業界に影響を及ぼしていることが改めて浮き彫りになっています。
【参考リンク】
WSWA Members Advocate for Federal Regulation of Hemp-Derived Beverages on Capitol Hill(WSWA)
カリフォルニア州の都市、大麻事業者の税負担軽減を発表
カリフォルニア州デザートホットスプリングス市は、苦境にある地元の大麻販売業者を支援するため、市の大麻税を現行の10%から5%へ引き下げると発表しました。この条例案は市議会で第一読会を全会一致で通過し、5月6日の最終採択が見込まれています。税率の高さは事業者にとって大きな問題となっており、その問題に対してカリフォルニア州が動き始めたことで話題となっています。
【参考リンク】
City of Desert Hot Springs planning tax cut on cannabis (NEWS Channel 3)
週刊大麻ニュース 4月19日から4月25日 は以上になります。
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