週刊大麻ニュース |3月22日-3月28日

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2025年3月22日(土)から2025年3月28日(金)の期間に世界の大麻・CBD業界で起きた出来事をまとめた『週刊大麻ニュース』をお届けします。大麻に関する合法化、政治、ビジネスなどのテーマを中心に取り扱っております。

※日本国内の違法行為を推奨するものではありません。


3月22日(土)欧州東部のモルドバが産業用大麻の生産を初めて認可
3月23日(日)
3月24日(月)オランダ、「違法大麻」の規制を強化 
3月24日(月)CBDアドベントカレンダー2025開催
3月25日(火)DMM.com本社でCBD・ヘンプ勉強会&懇親会が開催
3月26日(水)オクラホマ州、認可医療大麻事業者の約40%が減少
3月27日(木)嗜好用大麻の需要増加により、大麻の香りが多様化
3月28日(金)トランプ政権で進む大麻スケジュール再分類の行方とは
3月28日(金)米国、テキサス州のヘンプ由来製品が8,200億円の売上高を記録

目次

欧州東部のモルドバが産業用大麻の生産を初めて認可

東欧のモルドバが、国内初となる産業用大麻の生産許可を発行しました。これまで大麻栽培に対して厳しい制限が課されていた同国ですが、今回の動きにより、工業用途や健康食品など幅広い分野に向けたヘンプ生産への道が開かれました。許可を取得した事業者は、繊維や建材など多様な用途でのヘンプ栽培を計画しており、ヨーロッパ市場への輸出にも意欲を示しています。モルドバ政府関係者は、「適切な規制と管理のもとで、国内農業の新たな収益源となるチャンスだ」とコメントしています。一方で、EU諸国で大麻規制が緩和される中、モルドバが市場との連携をどのように進めるか、今後の政策やインフラ整備に注目が集まります。

【参考記事】
Moldova Issues First Authorization For Hemp Production(ICBC)

オランダ、「違法大麻」の規制を強化 

オランダ政府は、コーヒーショップが合法生産者からのみ大麻を仕入れる試験的な「大麻規制」を強行する方針を固め、各地で賛否が渦巻いています。4月7日からは、全国10の自治体にあるコーヒーショップが違法ルートからの大麻を一切扱えなくなる見通しです。従来、オランダのコーヒーショップは“グレーゾーン”と呼ばれる寛容政策のもとで少量の大麻を販売してきましたが、仕入れについては非合法の供給に依存する実態が続いていました。今回の改革では、いわゆる「裏口」問題を解消することが狙いです。一方、コーヒーショップの経営者からは反発の声も上がっており、「現在稼働している合法生産者はわずか7社で、ハッシュやエディブルの品不足が懸念される」との指摘もあります。

【参考記事】
Dutch government presses ahead with cannabis experiment despite strong opposition (NL Times)

CBDアドベントカレンダー2025開催

CBDや産業用大麻(ヘンプ)に関わるさまざまな人々が、3月24日から4月20日にかけて日替わりでCBDや麻に関する記事や動画を公開する「CBDアドベントカレンダー2025」が開催されました。今回は、日本独自の“Japan CBD Day”である3月24日から、大麻文化を祝う日として知られる4月20日(通称「420」)までの28日間にわたって実施されました。

期間中は、CBDに関する知見や体験談、業界への思いなどが日々共有され、業界内外での関心と議論の高まりが期待されています。有識者やCBD事業者によるコンテンツが毎日更新されるため、関心のある方はぜひチェックしてみてください。

【参考記事】
CBDアドベントカレンダー2025(CBD部)

DMM.com本社でCBD・ヘンプ勉強会&懇親会が開催

2025年3月25日(火)、六本木のDMM.com本社24階イベントスペースにて、国内外のCBD・ヘンプ業界関係者が集う勉強会兼懇親会が開催されました。昨年末から施行が続く改正大麻取締法などを背景に、業界を横断して最新情報を共有し、連携を強化することを目的として、多数の登壇者と参加者が集まりました。

主催・共催はGreen Trade Japan株式会社、CBD部(Asabis株式会社)、@CBDが務め、パネルディスカッションには以下の業界団体が参画。産業用大麻の栽培、CBDビジネス、検査・認証・医療といった各トピックにおいて、現状の課題や今後の展望について活発な議論が交わされました。

【参考記事】
CBD・ヘンプ業界横断勉強会兼懇親会 @ DMM.com本社

オクラホマ州、認可医療大麻事業者の約40%が減少

オクラホマ州の医療用大麻市場は、2023年7月から2024年7月にかけて、商業ライセンスを持つ事業者数が11,330から6,937へと約40%減少しました。 この減少は、2022年8月に開始された新規栽培者、販売店、加工業者向けライセンスの発行停止措置や、規制強化、市場の飽和などが要因とされています。 ​さらに、オクラホマ医療用大麻庁(OMMA)は、2024年に約10%の人員削減を実施し、業界の縮小に対応しています。

【参考記事】
Oklahoma loses 40% of licensed marijuana operators in 12 months(MjBizDaily)

嗜好用大麻の需要増加により、大麻の香りが多様化

近年、大麻の香りが従来の臭いから、柑橘類やラベンダー、キャンディのような甘い香りへと多様化しています。​これは、嗜好用大麻の需要増加に伴い、より香りを持つ品種が求められるようになったためと考えられます。​メリーランド州の栽培施設「District Cannabis」では、年間約6,800キログラムの大麻を生産しており、柑橘系やラベンダーのような香りの品種も栽培しています。​この香りの多様性は、テルペンと呼ばれる化学化合物によるもので、これらはハーブや柑橘類、松の木など多くの植物に含まれています。​一方、従来の大麻の臭いは硫黄化合物に起因しており、これが大麻特有の強い香りの主な原因とされています。

【参考記事】
Cannabis smell shifts from full skunk to a hint of citrus(NPR)

トランプ政権で進む大麻スケジュール再分類の行方とは

トランプ政権下での大麻の再分類に関する動向について、元下院議員のマット・ゲイツ氏がタンパベイ・タイムズ紙に寄稿した記事で、大麻が現在の「スケジュールI」から「スケジュールIII」へ移行する可能性が高まっていると伝えました。ゲイツ氏は、トランプ前大統領がこの政策変更を支持しているとし、再分類が実現すれば医療用途の認識が広がり、研究の制約が緩和され、関連事業者への税負担が軽減されると強調しています。

また、彼はトランプ氏が長年、官僚的な障壁を取り除くことに注力してきたと述べ、大麻の再分類もその一環であると主張しました。しかし、トランプ氏自身による大麻政策に関する発言は限られており、2024年の選挙戦中に再分類を支持する投稿を行ったものの、大統領就任後には具体的な言及はありません。

【参考記事】
Trump’s First Pick For Attorney General Says Marijuana Rescheduling Is ‘On The Horizon’ (Marijuana Moment)

米国、テキサス州のヘンプ由来製品が8,200億円の売上高を記録

テキサス州のヘンプ産業が州経済に及ぼす影響についての最新の経済報告書が発表されました。この報告書によると、ヘンプ由来のカンナビノイド市場は年間売上高55億ドル、税収2億6,800万ドルを生み出し、総経済効果は103億ドルに達しています。特に小売部門が好調で、2025年の売上は43億ドルに達し、2023年の33億ドルから大幅に増加しました。また、雇用も拡大しており、業界全体の雇用者数は5万3,300人となり、2年間で3,200人の増加が見られました。しかし、テキサス州議会で審議されている新たな規制案「上院法案3号(Senate Bill 3)」が可決されれば、この市場の成長が阻害される可能性があります。この法案は、ヘンプ由来のTHC製品の販売を全面的に禁止するものであり、施行されれば750億ドルの経済損失と4万人以上の雇用喪失が見込まれています。

【参考記事】
New Report Reveals Texas Hemp Market Contributes $10 Billion to State Economy(Cannabis Business Times)


週刊大麻ニュース2025年3月22日から3月28日は以上になります。

DMM本社にてCBDの勉強会が開催されたので参加してきました。今までにはなかった各業界団体が集まり、CBDやヘンプ、大麻栽培について熱い議論が行われました。

いやー、とても面白かったですね。各団体の考え方や各企業の取り組みなど皆さんそれぞれ違って良いか悪いかわからないですがカオスな空間になっていました。特に面白かったのは大麻栽培についてです。3月から栽培免許の規制が変わったのですが、まだまだ多くの課題がありそうだなと。例えば、栽培免許を取る目的や今後の展望(ビジョンやロードマップ)を描けているのかや管理体制、抽出機械が高い(費用がかかる)ことから誰でも栽培免許がとれるわけではなさそうです。

取得難易度が高いからこそ、やる価値があるというとそうではあるのですが、やはりかなりの気合いが必要そうだなと思わされました。

それにしても勉強会に参加しているCBD事業者のレベルが数年前と比べて変わってきている気がします。優秀な層が増しているといいますか。

CBD市場がオワコンみたいな話もありますが、最近はそうではなさそうな気がしています。優秀な層をはじめ、中小企業や大企業が参入しつつあり、雰囲気が変わりつつあるような気がします。

大麻・CBDのビジネス、経済メディア「CANNABIS INSIGHT」編集長:たかおみ

※本記事は、日本国内ならびに国外での違法行為を助長する意図はありません。
この記事の内容は、あくまで読者の皆様のリサーチや学習の一環として提供しています。
法律に関する最新情報は各国の公式サイトをご確認ください。

編集者

CANNABIS INSIGHT代表/編集長
世界の大麻・CBDのビジネスや経済情報を調べています。

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