2025年3月15日(土)から2025年3月21日(金)の期間に世界の大麻・CBD業界で起きた出来事をまとめた『週刊大麻ニュース』をお届けします。大麻に関する合法化、政治、ビジネスなどのテーマを中心に取り扱っております。
※日本国内の違法行為を推奨するものではありません。
3月15日(土)スペイン最大級の大麻フェス「Spannabis」開催
3月16日(日)カナダが大麻規制を大幅緩和、包装や栽培上限など見直しへ
3月17日(月)国連麻薬委員会がHHCを禁止に スケジュールIIの薬物に指定
3月18日(火)退役軍人の約半数が「痛み軽減のため大麻を使用」
3月19日(水)南アフリカ保健省、大麻や麻由来の食品の製造・販売を禁止
3月20日(木)ミシガン州の嗜好用大麻価格が2024年から30%急落
3月21日(金)ユタ州で嗜好用大麻合法化の支持が過半数に 最新世論調査が示す
3月21日(金)オーロラ・カンナビス、うどんこ病耐性の大麻品種を開発
スペイン最大級の大麻フェス「Spannabis」開催
バルセロナを舞台に開かれた大麻関連イベント「スパナビス(Spannabis)」がフィナーレを迎え、欧州のみならずアメリカからの参加者も注目を集めました。今年のスパナビスでは、ヨーロッパ市場の成長ぶりを示す出展が多かったほか、グローバルブランドも多数出展されました。特にアメリカから参入を検討する企業や投資家がバルセロナまで足を運び、大麻関連のノウハウや最新の研究成果を求めた様子が目立ちました。
【参考記事】
An American Eye on Spannabis’s Finale in Barcelona(mgmagazine)
カナダが大麻規制を大幅緩和、包装や栽培上限など見直しへ
カナダ保健省は、国内の大麻産業を取り巻く課題に対応するため、規制を改定しました。改定では、ライセンス、包装・ラベル、生産、記録管理、安全対策の5つの主要分野が見直されています。具体的には、プリロール(あらかじめ巻かれたジョイント)の1グラム制限が撤廃され、吸入用抽出物にはエチルアルコールを最大7.5グラムまで使用可能になりました。また、乾燥大麻や生の大麻、種子の包装に窓付き容器や多色デザインが認められ、ラベルにはQRコードや大きな容器でも剥がせるラベルが使用できるようになりました。今回の規制緩和は大麻産業の成長を後押しするでしょう。
【参考記事】
Health Canada eases cannabis industry burden in regulations update (MJBizDaily)
国連麻薬委員会がHHCを禁止に スケジュールIIの薬物に指定
国連麻薬委員会(CND)が合成カンナビノイドの一種であるHHC(ヘキサハイドロカンナビノール)を、新たに大麻やメタンフェタミンと同じレベル(1971年の向精神薬に関する条約のスケジュールII)の規制下に置く方針を示したことがわかりました。HHCは近年、グレーゾーンの製品として一部市場に出回っていたが、今回の動きにより、国際的な規制がさらに厳格化される見通しになります。
【参考記事】
World Leaders Vote to Ban HHC, List as Schedule II Drug(Cannabis Business Times)
退役軍人の約半数が「痛み軽減のため大麻を使用」、NORMLの最新調査で判明
学術誌Global Advances in Integrative Medicine and Healthで発表された最新調査で退役軍人のほぼ半数が慢性的な痛みや不快感を和らげるために大麻を利用している実態がわかりました。2025年3月13日にリリースされたこの調査は、全米各地の退役軍人を対象に行われたもので、痛み止めとして処方薬の代わりに大麻を選択しているケースが多くあると言います。調査結果を受け、NORMLの関係者は「多くの退役軍人が大麻を痛みの緩和手段として活用している実態を踏まえ、各州の医療大麻プログラムや連邦法の見直しが求められる」とコメントしています。
【参考記事】
Survey: Nearly Half of Military Veterans Use Cannabis for Pain Relief(NORML)
南アフリカ保健省、大麻や麻由来の食品の製造・販売を禁止
I南アフリカの保健省は、突如として大麻や麻由来の食品の製造・販売を禁止しました。この決定は、近年の南アフリカ憲法裁判所による大麻の非犯罪化に反するもので、成長中の大麻産業に大きな打撃を与えています。禁止は1972年「食品、化粧品、消毒剤法(the Foodstuffs, Cosmetics, and Disinfectants Act)」に基づいており、大麻(カンナビス・サティバ・L属由来)の種や麻の種子油、種子粉を含む食品の輸入・販売・製造を禁じる内容が官報で発表されました。
【参考記事】
Department of Health bans the making and selling of cannabis edibles in South Africa (IOL News)
ミシガン州の嗜好用大麻価格が2024年から30%急落
ミシガン州の嗜好用大麻市場では、価格の大幅な下落が業界に打撃を与えています。州の大麻規制局の最新データによると、2025年2月の嗜好用大麻の平均小売価格は1オンスあたり65.21ドルとなり、前年の91.94ドルから約30%も下落しています。この価格崩壊により、栽培コストを回収できない生産者が増えており、多くの事業が今年さらに廃業に追い込まれる可能性が指摘されている状況になっています。
【参考記事】
Michigan recreational marijuana prices plunge 30% from 2024 (MJBizDaily)
ユタ州で嗜好用大麻合法化の支持が過半数に 最新世論調査が示す
最新の世論調査によると、ユタ州の有権者の過半数が嗜好用大麻の合法化に賛成していることがわかりました。医療用大麻については以前から一定の支持がありましたが、嗜好用に対する賛成が過半数を超えたのは今回が初めてとされています。この調査はユタ州の有権者を対象に実施され、約51~52%が全面的な合法化に肯定的な立場を示した一方で、反対意見も4割近くに上っており、合法化にはまだ時間がかかる可能性があります。
【参考記事】
Poll shows majority of Utah would vote to legalize recreational marijuana(fox13)
オーロラ・カンナビス、うどんこ病耐性の大麻品種を開発
カナダ大手の大麻企業オーロラ・カンナビス(Aurora Cannabis)は、栽培時に一般的な植物病害である「うどんこ病」に耐性を持つ複数の大麻品種の開発に成功したと発表しました。これらの品種は農薬に頼らず、病気の発生リスクを大幅に低減できる点が大きな特徴とされており、高品質な大麻を安定的に生産できる可能性が広がると期待されています。大麻業界では、今後も品種改良がさらに進展していくことが見込まれます。
週刊大麻ニュース2025年3月15日から3月21日は以上になります。
来週DMM本社で開催されるCBD業界の勉強会(交流会)に参加します!久しぶりに皆さんにお会いできることを楽しみにしています。そして、色々情報交換させてください!
大麻・CBDのビジネス、経済メディア「CANNABIS INSIGHT」編集長:たかおみ