Charlotte’s Webとは。少女の病から生まれたウェルネス企業|大麻の企業分析

この記事では、シャーロットウェブ (Charlotte’s Web) の企業概要やそのビジネスモデル、戦略について詳しく解説します。シャーロットウェブは、CBD製品を中心に天然由来のウェルネス製品を提供する認定Bコーポレーションとして、社会的責任を重視しながら成長してきました。

特にその成り立ちには、創業者スタンリー兄弟が開発したヘンプエキスが少女シャーロット・フィギ氏の治療に大きな効果を発揮したことが深く関わっています。

目次

Charlotte’s Web の概要

項目

情報

企業名

Charlotte’s Web Holdings, Inc.

設立年

2014年

設立者

the Stanley Brothers

本社所在地

コロラド州ルイビル

従業員数

201~500人

事業内容

– ヘンプ由来のフルスペクトルフィトカンナビノイド健康・ウェルネス製品の製造・販売
– 大麻品種の開発

Charlotte's Web TOP

画像引用元 – Charlotte’s Web TOP

シャーロットウェブは、天然由来のウェルネス製品を提供する、認定Bコーポレーションです。 同社のミッションは、自然に生活を改善することです。

B Corporation(略してB Corp):
社会や環境に配慮した企業活動を行う企業に対して与えられる国際的な認証制度です。

シャーロットウェブは、信頼性の高い製品を提供しCBD業界をリードしてきました。また、地球に優しいウェルネスの普及を目的に、研究や科学の推進に力を入れています。

退役軍人、兵役経験者、教師、学生、看護師向けに割引を提供し、アスリート支援のために競技団体とも提携しています。

Cookiesの提供製品:

シャーロットウェブは、さまざまなCBD製品を提供しています。製品カテゴリには以下が含まれます。

  • グミ

  • オイル

  • カプセル

  • 局所剤(肌に直接塗布して使用する製品)

  • ペット

Charlotte's Web SHOP

画像引用元 – Charlotte’s Web SHOP

Charlotte’s Web リンク先 

社名の由来

「Bristol Farms」の記事によると、シャーロットウェブの社名は、シャーロット・フィギという少女に由来しています。シャーロットは、生後3ヶ月で最初の発作を起こし、ドラベ症候群と診断されました。従来の治療法が効果を示さなかったため、母親のペイジさんはCBDの効果を期待して、Jared Stanley氏とJoel Stanley氏に助けを求めました。

後のシャーロットウェブの創業者となるStanley兄弟(スタンリー兄弟)は、CBD含有量が高くTHCが少ない独自のヘンプ遺伝子を開発していました。2012年、ペイジさんは当時5歳のシャーロットのため、精神作用のない自然な代替医療を模索しており、Joel Stanley氏と連絡を取ります。シャーロットはヘンプエキスに驚くべき反応を示し、その結果が評判を呼び、広く知られることとなりました。

Stanley兄弟はその後、CBDを求める約1万5千人の人々に無償でヘンプエキスを提供しました。しかし、生産を継続するために料金を請求することを求められ、人々はこのエキスが将来も手に入ることを望みました。その思いを受け、兄弟は会社を設立し、シャーロットの名前にちなんで「シャーロットウェブ」と名付けました。

絵本とも関係?
「シャーロットウェブ」という名前自体は、明らかにE.B.ホワイトの有名な児童文学作品『シャーロットのおくりもの(Charlotte’s Web)』を連想させるものです。シャーロットウェブ社の名前は、直接的には実在の少女に由来していますが、同名の有名な児童文学作品を意識的に連想させる効果もあるかもしれません。両者は直接的な関係はありませんが、名前を通じて間接的につながっているといえるでしょう。

CEOについて

シャーロットウェブのCEO、Bill Morachnick  (ウィリアム(ビル)モラックニック)氏について紹介します。

モラックニック氏は、プレミアムで差別化された製品やブランドを、世界中の多様なチャネルと製品カテゴリーで構築してきた実績を持つ、グローバルビジネスのエキスパートです。企業のグローバル展開や持続的な成長戦略の策定・実行に長けた起業家でもあります。

2006年から2016年まで、モラックニック氏はレイノルズ・アメリカン社の国際事業部門、サンタフェ・レイノルズ・タバコ・インターナショナル(SFRTI)の社長を務め、スタートアップ企業を成長させ、ヨーロッパ、アジア、中東で事業を展開するネットワークを管理しました。SFRTIは2016年、日本たばこ産業に50億ドルで買収され、その後モラックニック氏は東京でCEO兼会長を務めました。2018年に米国へ戻り、その後も複数の企業の経営顧問や取締役を務め、事業拡大を支援しています。

彼はサンダーバード国際経営大学院で経営学修士号を取得し、ネバダ大学ラスベガス校でグローバルビジネス戦略の非常勤教授も務めています。

シャーロットウェブの会長、ジョン・ヘルド氏は「ビルは豊富な経験を持ち、シャーロットウェブを次の成長段階へ導くリーダーです」と述べています。モラックニック氏は、2023年9月13日にCEOを辞任したジャック・トルトーリ氏の後任としてCEOに就任しました。

▶︎ CEO LinkediN

マーケティング戦略とブランドイメージ

ブランドストーリー

シャーロットウェブは、単なる企業ではなく、使命をもって誕生しました。初めの目標は、ヘンプエキスのメリットを必要な人々に広めることでした。現在でも「自然に生活を改善する」という使命がビジネスの中心にあります。シャーロット・フィギの物語がブランドの起源に深く関わっており、彼女のてんかん治療にヘンプエキスがどのように役立ったかが広く知られることで、国際的な認知を得ました。

ターゲットとパートナーシップ

シャーロットウェブは、退役軍人やアスリート、慢性的な痛みを抱える人々をターゲットに、戦略的パートナーシップを活用しています。特に、MLBの公式CBDパートナーとなり、スポーツ業界でもブランドの認知を拡大しました。

社会的責任と持続可能性

シャーロットウェブはBコーポレーションとして、高い社会的・環境的基準を維持し、自然由来のウェルネスを広める使命を掲げています。これにより、持続可能なビジネス慣行に共感する消費者の支持を得ています。

これらの要素が総合的にシャーロットウェブの信頼性、透明性、社会的責任を強調するマーケティング戦略を支え、強力なブランドイメージを確立しています。

Charlotte’s Web の今後の展望と課題

プレミアムスポーツラインの拡充

シャーロットウェブは、NSF Certified for Sport®認証を取得した広域スペクトルCBD製品を中心に、プレミアムスポーツラインを発表しました。アスリート市場でのさらなる拡大を目指しています。

国際市場への進出

同社はTilrayとの製造および流通パートナーシップを活用し、まずカナダ市場への進出を計画しています。これにより、国際市場での足がかりを築き、将来的には他国市場への展開も視野に入れている可能性があります。

新規顧客層の開拓

これまで主に健康志向の高い成人やペットをターゲットにしてきたシャーロットウェブですが、今後は製品開発やマーケティング戦略を通じて、若年層や高齢者など、より広範な顧客層にもアピールすることを目指しています。例えば、特定の健康ニーズに応じた新製品の展開が見込まれます。

まとめ

シャーロットウェブは、プレミアムスポーツラインの拡充や国際市場への進出、新規顧客層の開拓を通じて、今後も成長を続けることを目指しています。Bコーポレーションとしての社会的責任や環境への配慮を重視したビジネスモデルにより、消費者の信頼を集め、CBD業界のリーダーとしての地位を確立しています。持続可能な発展と新市場への展開が今後のカギとなるでしょう。

参考資料

編集者

CANNABIS INSIGHT代表/編集長
世界の大麻・CBDのビジネスや経済情報を調べています。

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