週刊大麻ニュース|7月19日 – 7月25日

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2025年7月19日から2025年7月25日の期間に世界の大麻・CBD業界で起きた出来事をまとめた『週刊大麻ニュース』をお届けします。大麻に関する合法化、政治、ビジネスなどのテーマを中心に取り扱っております。

※日本国内の違法行為を推奨するものではありません。

目次

チェコ、大麻個人使用・自家栽培を非犯罪化 2026年1月施行

チェコのペトル・パヴェル大統領は7月17日、嗜好用大麻の個人使用と自宅での少量栽培・所持を非犯罪化する刑法改正に署名した。新制度は2026年1月1日に施行予定で、21歳以上の成人は1人あたり最大3株の栽培と、乾燥大麻100グラムまでの自宅所持、公的空間で25グラムまでの所持が明確に認められる。上限を超えた場合は引き続き行政罰または刑事罰の対象となるが、他人のために所持した場合も一定条件下で犯罪とみなされない方向が示された。販売(商業的流通)は依然禁止で、当初検討された小売り解禁段階までは踏み込んでいない。

今回の改正は、軽微な薬物事案で司法資源が消耗していた状況を是正し、刑務所過密や不必要な訴追を減らしながら、重大犯罪への集中を図る広範な刑法改革パッケージの一部。個人栽培・所持を明確化することで闇市場依存を抑え、消費者の安全性向上と有害性低減につなげる狙いがある。チェコは2010年以降、少量所持を事実上非犯罪化してきたが、今回の数値基準設定で法的枠組みがさらに明瞭になった。

同国はマルタ(2021年)、ルクセンブルク(2023年)、ドイツ(2024年)に続き、「個人用の所持・栽培は合法/販売は未解禁」という“段階的・準合法化”モデルを採る4番目のEU加盟国となる。これらの国々で商業販売を全面解禁していない背景には、EU法や国際薬物条約上の大麻分類による法的ハードルが残る点が指摘される。ドイツやマルタで導入が進む非営利型の大麻ソーシャルクラブ制度は、チェコでは今回の改正には含まれていないが、今後の議論余地は残されている。

また、今回の法改正群には、シロシビン(マジックマッシュルーム由来成分)のうつ病など治療目的利用を認める措置も含まれ、チェコは欧州で先進的なサイケデリック医療の導入国の一つとして位置づけられる。大統領は専門店やライセンス制栽培の選択肢にも言及しつつ「数年単位で議論を進める」考えを示しており、個人非犯罪化を起点に制度の段階的整備が進むかが次の焦点となる。

参考記事:Czech President Signs Bill To Decriminalize Recreational Cannabis For Personal Use(Forbes)

ビクトリア州、嗜好用大麻合法化で「10億豪ドル規模」の経済効果試算 

オーストラリア・ビクトリア州で嗜好用大麻を合法化すれば、今後10年間で州経済に最大100億豪ドル(約1,100億円超)の付加価値を生む――そんな試算を盛り込んだ報告が公表された。報告では、合法市場の創設により新規雇用や税収が拡大し、観光・ホスピタリティから農業、研究開発まで幅広い産業に波及効果が及ぶと指摘。現在は違法市場に流れている消費を公式な流通網へ移行させることで、品質管理や未成年保護といった公衆衛生面の改善も期待できるという。

試算によれば、消費者の支出が合法市場に移ることで、州政府は物品税やライセンス料など複数の税源を確保可能。さらに栽培・製造・小売の各段階で事業機会が生まれ、中小企業の参入や地方経済の活性化にもつながるとした。一方で、制度設計を誤れば違法市場が存続する恐れがあるため、適正な税率設定や広告・販売規制、製品検査体制の整備が不可欠とも強調している。

報告書は、他州や海外での合法化事例を比較しつつ、段階的導入やパイロットプログラムでデータを蓄積するアプローチを推奨。州議会に対し、経済効果のみならず社会的コストや公衆衛生の指標を長期的に追跡する枠組みを構築するよう求めている。合法化の是非を巡る議論が続く中、ビクトリア州でも「経済」と「健康・安全」を両立させるモデルづくりが現実味を帯びてきた。

参考記事:Legal Cannabis Sales Could Add $10 Billion To Victoria’s Economy(ICBC)

テキサス州、医療用大麻を合法化 全米40番目の導入

米非営利団体マリファナ・ポリシー・プロジェクト(MPP)は8日、テキサス州が医療用大麻を合法化し、同制度を導入する全米40番目の州になったと発表した。州議会で可決された法案が知事の署名を経て成立し、慢性疼痛やがん、PTSDなど一定の重篤疾患を対象に、州の管理下で大麻製品の処方と販売が認められる。具体的な発足時期や患者登録の手続き、製品のTHC含有量上限など運用細則は今後、州保健当局が規則を整備していく見通しだ。

保守的な州とされるテキサスでの合法化は象徴的で、MPPは「患者が安全で合法的な医療用大麻にアクセスできる重要な一歩」と歓迎。一方で、対象疾患の範囲が狭い、在宅栽培が認められていないなど制限も多く、患者団体や改革派からは「更なる拡充」を求める声も上がっている。既に多数の州が医療用から嗜好用へと政策を進める中、テキサスの制度設計と今後の改正議論が注目される。

参考記事:Texas Becomes 40th State to Legalize Medical Cannabis(MPP)

米議会予算案、州医療大麻の保護・再分類凍結・中国系違法栽培調査が焦点に

米連邦議会で審議中の2026会計年度予算案(商務・司法・科学関連歳出法案)に、大麻政策をめぐる3つの注目条項が盛り込まれた。上院歳出委は7月18日に法案を可決、下院も15日に小委員会を通過させており、今後の本会議審議が焦点となる。

①医療用大麻プログラムの保護を継続
上下両院案とも、州が運営する医療用大麻制度を連邦司法省の介入から守る「ローレンバッカー=ファー条項」を10年連続で維持。条項は、合法州が患者・事業者を取り締まるための予算執行を禁じる内容で、規制整備が遅れる州にとってセーフティーネットとなってきた。

②下院案は“再分類阻止”を試みる
一方で下院共和党案には、DEAによる大麻の規制区分見直し(スケジュールⅠ→Ⅲ案)の手続きを予算面で凍結する文言が盛り込まれた。共和党内でも意見は割れており、同趣旨の条項は上院案には含まれていない。

③中国系組織関与の違法栽培を調査
上院案は、FBIとDEAに対し「外国人、とりわけ中国系組織が関与する違法大麻栽培」の実態調査を90日以内に報告するよう指示。連邦政府が国外勢力絡みの違法栽培を正式に調べるのは異例だ。

医療プログラム保護と再分類阻止条項、さらに中国系違法栽培調査――三つ巴の修正が同一法案でせめぎ合う形となった。最終的にどの条項が残るかは、今後の上下院協議とホワイトハウスの判断に委ねられる。

参考記事:Congress budget bills address medical marijuana, rescheduling, Chinese grows(MjBizDaily)

※本記事は、日本国内ならびに国外での違法行為を助長する意図はありません。
この記事の内容は、あくまで読者の皆様のリサーチや学習の一環として提供しています。
法律に関する最新情報は各国の公式サイトをご確認ください。

編集者

赤木 孝臣のアバター 赤木 孝臣 CANNABI INSIGHT代表/編集長

2022年4月20日にCANNABIS INSIGHTを創刊。国内外の大麻・CBDニュースの発信や、国内有識者へのインタビュー、産業動向の解説などを行っている。CBD業界の情報発信として「CBD白書」「ASAラジオ」「大麻・CBDニュース総選挙」などの企画を運営。業界イベントへの登壇や取材活動も行い、日本のCBD・ヘンプ産業に関する情報発信とコミュニティ形成に取り組んでいる。さらに、CBD原料比較プラットフォーム「アサバンク」を開発し、原料サプライヤーと事業者をつなぐ業界インフラの構築を進めている。

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