スイスの議会委員会が、18歳以上の成人による大麻の所持・使用を合法化する計画を提案した。提案内容によれば、スイス国民は3株まで自宅で栽培することが可能となり、大麻製品の販売は非営利の枠組みの下でのみ許可される。委員会は、厳格な規制のもとで青少年保護を強化し、違法市場を抑制したい考えだ。
提案書では、大麻の影響下での運転や未成年者への販売を明確に禁止。また、公共の場での大麻の喫煙は、現行の受動喫煙防止法に基づき、タバコと同様に違法行為として扱われる見通しだ。スイスでは2012年に大麻が非犯罪化されており、10グラム未満の所持は罰則対象外となっているが、依然として大麻自体は違法薬物に分類されている。
一方、複数の都市ではすでに成人用大麻の試験プログラムが行われており、ヨーロッパ初の合法的な薬局が2023年にAllschwil(アルシュヴィル)でオープンした。しかし、委員会によれば、実際に消費されている大麻の大半はまだ違法に取引されているという。今回の提案は非営利を原則とする厳格なライセンス制度を設けることで、違法市場を縮小させることを目指している。
一方、保守政党であるスイス人民党(SVP)は、「こうした動きは薬物使用を奨励することにつながる」と批判的な立場を示している。今後、提案された合法化プランがどのように議会で審議され、実際の法律として成立するか、国内外から注目が集まっている。
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