チリでは、嗜好用大麻の使用を合法的に規制するための包括的な法案が提出された。チリでは政治家や市民団体、さらには有力な大統領候補までが大麻を合法化という形で規制することを支持する動きを見せている。
4月9日、左派系政党の議員連合が個人使用を目的とした大麻の栽培・所持・消費を合法化する法案を議会に提出した。この法案は、医療用大麻の擁護者であるアナ・マリア・ガズムリ議員の主導のもと、「Regulación por la paz」という議員グループによって立ち上げられた。
法案では、成人が最大6株の開花した大麻を自宅で栽培し、年間800グラムまで保管し、公共の場では最大40グラムまで所持することが認められる。一方、消費は私的空間のみに限定され、学校や公共交通機関、未成年の近くなどでの使用は禁止される。また、営利を目的としない最大500人の栽培協同組合も合法化される見通しだ。
この法案は、現行の厳しい禁止政策によって市民が違法市場に依存せざるを得ない状況を変え、犯罪組織の影響力を削ぐことを目的としている。さらに、次期大統領選においても大麻の合法化が重要な争点となっており、有力候補の一人であるウラド・ミロセビッチ議員は、自らは使用しないとしつつも、公衆衛生と市民の権利保護の観点から合法化の推進を公言している。
現在、チリでは医療用大麻は合法だが、娯楽用途については法的な曖昧さが残る状態で、麻薬密売と密接に関わる状況だ。今回の法案とそれを取り巻く政治的・社会的動きは、チリが大麻政策において大きな転換点に差しかかっていることを示しており、合法化の是非をめぐって国民的議論となりつつある。
参考記事:Chile Moves To Legalize Adult-Use Cannabis With Backing From Presidential Candidate (BENZINGA)
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