カナダのオンタリオ州に居住する15歳から105歳までの全住民を対象とした大規模な研究が報告された。大麻使用障害により病院ベースのケア(救急外来受診または入院)を受けた個人が、死亡リスクの増加と関連しているかどうかを調査したものである。
この研究の主要なポイントとして、大麻使用障害で病院ベースのケアを受けた個人は、年齢と性別を一致させた対照グループと比較して、5年以内の死亡リスクが有意に高いことが明らかになった。具体的には、約2.8倍のリスク増加が観察された。このリスク増加は、自殺(9.70倍)、外傷(4.55倍)、オピオイド中毒(5.03倍)、その他の薬物中毒(4.56倍)、および肺がん(3.81倍)による死亡において特に顕著であった。
一方、アルコール使用障害(1.30倍)、刺激剤使用障害(1.69倍)、およびオピオイド使用障害(2.19倍)で同様のケアを受けた個人と比較して、大麻使用障害で病院ベースのケアを受けた個人は5年以内の死亡リスクが低いことも示されている。
本研究には、オンタリオ州の全住民の健康保険データを利用したこと、大規模なサンプルサイズ、および年齢や性別だけでなく、併存する精神疾患、物質使用障害、慢性疾患などの要因を調整した統計分析を用いたことが特筆される。これにより、死亡リスクの関連性を、他の要因の影響を排除した上で評価することが試みられている。
このような研究の背景には、世界的に大麻の使用が増加しており、特に大麻の合法化と商業化が進む中で、大麻使用障害とその関連する健康被害への懸念が高まっているという状況がある。過去の研究では、精神疾患や交通事故との関連性は示唆されていたが、死亡リスクとの関連性を大規模な集団で調査した研究は限られていた。本研究の知見は、大麻の合法化と商業化が進む世界的な傾向の中で、臨床的および政策的な対策を検討する上で重要な意味を持つと考えられる。
研究では、詳細な大麻の使用頻度や種類に関するデータが入手できなかったことや、喫煙やリスク行動といった未測定の交絡因子が存在する可能性などが限界として挙げられている。しかし、分析の結果からは、それでも『大麻使用障害で病院にかかる人は死亡リスクが高い』という結論自体は、ある程度信頼できると考えられているようだ。
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