非営利団体アンガス・リード・インスティチュートがカナダの成人1,850人を対象に行った最新の世論調査によると、ジャスティン・トルドー首相の政策成果のうち、「大麻改革(合法化)」が最も高く評価され、52%が「政権の成功」と回答した。失敗とみなしたのは24%にとどまり、調査対象となった10の政策項目の中で、過半数の支持を得たのは大麻合法化だけだったという。
同調査は2025年3月4日から6日にかけて実施され、誤差は±2%ポイント。大麻合法化に次いで支持が高かったのは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応(47%)や社会サービスの拡充(46%)、ロシア・ウクライナ情勢への対応(45%)が続き、男女平等(38%)や炭素税(19%)などは大麻合法化ほどの支持を得られなかった。
カナダは2018年に世界でも珍しく、連邦レベルで嗜好用大麻を合法化。若者の消費増大や犯罪率上昇などの懸念はあったものの、政府の報告や調査によれば、多くの消費者が違法市場から合法販売へと移行し、今や大多数が規制された安全な流通を利用しているとされる。高校生の「マリファナの入手しやすさが減った」という回答が増えるなど、政策面で一定の成果が認められるとの指摘もある。
一方で、医療用大麻への影響や酒類の売上減少など、合法化による産業界の変化も観察されている。米国との比較では、大麻使用率と合法化支持率がほぼ同水準にある一方、州ごとに法規制が異なる米国と比べ、カナダは連邦一括での合法化によって施策を進めていることが特徴的だ。
今回の調査結果は、トルドー政権の支持が必ずしも安定していることを意味しないが、「大麻合法化」は同政権における数少ない“過半数評価”の政策と言える。賛否両論ある中でも、カナダ人が大麻改革を重要な転換点として捉えていることが改めて浮き彫りになった。
ニュースを深掘り!編集長がオススメする大麻・CBDの関連記事
カナダの関連の大麻・CBDニュースをさらに深掘りするためには以下の記事もおすすめです。

