アメリカ初の州公認の薬物消費施設を開設

アメリカで初めて、州公認の「薬物を安全に消費するための施設(Safe Drug Consumption Site)」が、ロードアイランド州に開設されます。この施設は、薬物使用者が医療従事者の監督のもとで安全に薬物を使用できる場所を提供することで、過剰摂取による死亡を減らし、依存症治療などの社会サービスへとつなげることを目的としています。ニューヨークにも同様な施設が市の承認を得て運営されているが、州からの認可は受けていません。

この施設はハームリダクションという考え方に基づいていると言えるでしょう。ハームリダクションとは、薬物使用などのリスクを伴う行為を完全にやめさせるのではなく、その行為に伴う害(ハーム)をできる限り減らし(リダクション)、自分のペースで生活を改善していけるようにサポートすることを目的とするアプローチです。

▶︎ ハームリダクションについて

非営利団体運営のもと過剰摂取のリスクを減らし、必要に応じて迅速な救命措置を行うことが可能で、バンクーバーやフランスでは、同様の施設によって過剰摂取による死亡率が低下したという実績があります。

バイデン政権はこの施設の開設を容認する姿勢を見せていますが、連邦政府内では意見が分かれており、司法省は反対の立場をとっています。初期調査では、近隣住民の75%が施設の開設を支持していることが明らかになりました。

ブラウン大学の研究チームは、この施設が薬物使用者や地域社会に与える影響を詳細に調査する予定で、過剰摂取リスクの変化、治療の利用状況、地域社会への影響などを評価することが明かされています。

情報元:PoliticsThe US’s First State-Sanctioned Safe Drug Consumption Site Prepares To Open In Rhode Island (Marijuana Moment)

目次

先週の世界の大麻・CBDニュースをみる

12月1日(日)トランプ大統領のDEA長官候補が辞退
12月2日(月)ケンタッキー州、医療用大麻の提供者を見つけれるWEBサイトを開設
12月3日(火)世界最大級の大麻イベント「MJBizCon 2024 」開催
12月4日(水)スヌープ・ドッグ、大麻オンラインショップを立ち上げる
12月5日(木)英国CBD製品、国際食品基準の承認へ
12月5日(木)コスタリカで嗜好用大麻合法化の国民投票が却下
12月6日(金)EDWIN、大麻を使用したジーンズを発売
12月6日(金)NFL、大麻に関する規定を再度改定

週刊大麻ニュース |11月30日-12月6日

※本記事は、日本国内ならびに国外での違法行為を助長する意図はありません。
この記事の内容は、あくまで読者の皆様のリサーチや学習の一環として提供しています。
法律に関する最新情報は各国の公式サイトをご確認ください。

編集者

Takaomi Akagiのアバター Takaomi Akagi CANNABI INSIGHT代表/編集長

CANNABIS INSIGHT 編集長。2022年にメディアを立ち上げ、国内外のCBD・大麻産業を政治、経済、ビジネスという観点から取材・分析。日本国内のCBD市場調査レポート『CBD白書』の編集発行をはじめ、年間ニュースを俯瞰する企画『大麻・CBDニュース総選挙』を主宰・運営。CBDジャーニー、カナコン等の業界カンファレンスやコミュニティでの登壇・モデレーション、事業者向けの寄稿・解説を通じ、大麻・CBDについての社会的意義や経済可能性を調査しています。

目次