タイ政府は2025年、大麻(カンナビス)をめぐる規制を大幅に強化し、その結果、全国で7,000店を超える大麻販売店が閉鎖されたと発表した。新たな許認可制度と厳格な更新要件が背景にあり、国内の大麻市場は大きな変革期を迎えている。
タイ保健省によると、2025年末までに全国には18,433件の大麻関連事業者が登録されていたが、そのうち**免許の有効期限を迎えた8,636件のうち更新申請をしたのはわずか1,339件(約15.5%)**にとどまった。このため、約7,297件が再申請を行わず営業を終了し、実質的に閉店した形となった。
今回の閉店ラッシュは、タイ政府が導入した新たな規制の影響によるものだ。これまでの2016年制定の省令では、急速に拡大した大麻販売の実態に対応できなくなったとして、新省令が閣議承認され、商業目的の大麻販売や取り扱いについて、許可対象施設の種類や運営基準が明確化された。医療機関や薬局、ハーブ製品販売店、伝統医療従事者の四つに限定され、処方や販売には有資格者の関与が求められるようになったという。
保健省は、こうした規制見直しについて「大麻市場が急拡大する中で、消費者保護と地域社会への影響軽減を図るため」と説明。新ルールでは、営業施設の設備や管理体制の厳格化、臭気対策、適切な保管条件の確保、そして営業中の専門スタッフ配置などが義務付けられる予定だ。
一方、政府は医療用としての大麻供給体制については安心感を強調している。医師の処方に基づく医療用途向けの供給については、全国の医療機関で対応可能な体制が整っており、患者が必要な治療を受けられるよう十分な医療人材と設備があると説明されている。
この動きは、タイが2022年に大麻を非犯罪化して以来、急拡大してきた娯楽目的の販売店が“新たな規制の網”にかかった形だ。政策転換は地域社会の安全や若年層への影響を抑制する狙いもあるが、自由化から管理強化へと舵を切った象徴的な事例として国際的な注目も集めている。



