西陣織の老舗HOSOOが、ヘンプ(大麻布)を用いるファブリックブランド「MAJOTAE(マヨタエ)」のブランド事業を継承する。FASHIONSNAPによると、マヨタエは自然布研究家の吉田真一郎氏、帯匠の山口源兵衛氏、エイベックス・グループの三者が2014年に立ち上げたブランドで、江戸期の大麻布の制作工程を研究し、現代技術で日常使い可能なテキスタイルへ展開してきた。HOSOOは国内外での成長を見据え、シルクと並ぶ歴史を持つヘンプをポートフォリオに加え、ラグジュアリー分野での拡大を目指すという。現在展開中の約30種類のヘンプテキスタイルは継続販売し、デュベカバーやピローケースなど一部プロダクトはリブランディングののち、2026年以降にHOSOOブランドの一環として発売予定だ。
HOSOOはヘンプについて「少ない水で育ち、環境負荷が低く、抗菌性にも優れる」と説明。日本では縄文時代から布として用いられ、神事にも関わってきた素材で、使い込むほど白く柔らかくなる特性があるという。伝統織物の技とヘンプの素材特性を掛け合わせ、インテリアやファッションの高付加価値テキスタイルとしての展開が期待される。ギャラリー活動や海外見本市での発信も進めるHOSOOのブランド力を背景に、マヨタエの認知拡大とエシカル素材の市場浸透がどこまで進むかが注目だ。