サイケデリック治療の試験導入へ 米マサチューセッツ州で法案が前進

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マサチューセッツ州議会の合同委員会(メンタルヘルス・物質使用・回復委員会)が、サイケデリックの治療利用を巡る法案を前進させた。委員会は上院法案S.1400を可決し、審議を財務関連の合同委員会に付託。法案は保健当局(DPH)の監督下で「臨床的に適切な患者」を対象に、監督された環境でサイケデリックを投与する治療パイロットを設ける内容で、州内で発行されるライセンスは最大3施設に限定。多職種の医療チームによる院内投与、患者評価と経過モニタリング、治療アウトカムのデータ収集など、詳細設計はDPHの規則に委ねるとされる。

背景には、昨秋の住民投票での包括的な合法化案が否決された一方、医療現場での治療的活用を求める声が根強いことがある。今回のパイロットは、まず臨床データを積み上げ「安全で最良の実施基準」を整える狙いで、対象疾患としてうつ、不安、PTSD、物質使用障害などが想定される。委員会での賛成一致の可決を受け、賛同団体は「治療抵抗性の患者にとって生命線になり得る」と評価。一方、制度の具体設計や費用負担、医療提供体制の確保などは今後の審議に委ねられ、年内に追加の公聴会も予定されている。

参考記事:Mass. committee votes to advance psychedelic therapy bill(wwlp)

※本記事は、日本国内ならびに国外での違法行為を助長する意図はありません。
この記事の内容は、あくまで読者の皆様のリサーチや学習の一環として提供しています。
法律に関する最新情報は各国の公式サイトをご確認ください。

編集者

Takaomi Akagiのアバター Takaomi Akagi CANNABI INSIGHT代表/編集長

CANNABIS INSIGHT 編集長。2022年にメディアを立ち上げ、国内外のCBD・大麻産業を政治、経済、ビジネスという観点から取材・分析。日本国内のCBD市場調査レポート『CBD白書』の編集発行をはじめ、年間ニュースを俯瞰する企画『大麻・CBDニュース総選挙』を主宰・運営。CBDジャーニー、カナコン等の業界カンファレンスやコミュニティでの登壇・モデレーション、事業者向けの寄稿・解説を通じ、大麻・CBDについての社会的意義や経済可能性を調査しています。

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