欧州食品安全機関(EFSA)が、食品としてのカンナビジオール(CBD)の安全性評価を更新し、成人(体重70kg想定)の1日摂取上限を2mgとする案を公表した。9月9日にドラフトを示し、10月14日まで意見募集(パブリックコメント)を行う。業界や専門家の一部からは「極めて低い」との声も出ており、EU域内のサプリ市場や製品設計に影響が及ぶ可能性がある。
EFSAは、ヒト・動物データの不足が依然として大きいとして厳格な不確実係数(400)を適用。25歳未満、妊娠・授乳中、薬剤併用中の人については安全摂取量を設定できないとの立場も示した。これまで「安全量を特定できない」としてきた評価を、条件付きで数値化した格好だ。
各国の運用とのギャップも議論を呼ぶ。英国の食品基準庁(FSA)は2023年に1日10mgの目安を示しており、EFSA案はそれをさらに下回る。業界メディアは「大幅な再処方(低用量化)やラベル表示の見直し、年齢・対象者の限定が進む」と指摘。販売各社は、EUの最終判断と各国当局の整合性を見極めながら対応を迫られそうだ。
一方、今回の数値は最終決定ではない。EFSAはパブリックコメントの結果や追加データを踏まえ、最終意見を取りまとめる見通し。医療上の助言ではなく、「食品(サプリ)」としての評価である点にも留意が必要だ。
参考記事:CBD en Europe : l’EFSA veut restreindre la consommation à 2 mg/jour(Newsweed)