冬の寒さが本格化する1月から2月にかけて、アメリカとカナダで大麻入りチョコレートの売上が大きく伸びている。大麻業界のデータ提供事業を展開するHeadset社や、オレゴン州の嗜好品大麻メーカーGrön(グロン)などによると、バレンタインデーやホリデーシーズンを中心に“チョコレート需要”が高まるためだ。
グロンの創業者兼CEOであるクリスティン・アップル氏は「1月と2月が最もチョコレートが売れる時期です」と述べ、実際に冬季の販売数が大きく伸びていることを強調する。グロンは現在、米国内の6つの州とカナダで事業を展開しており、2025年にはさらに3つの州へ進出予定だ。しかしながら、同社の売上全体に占めるチョコレート部門は20%強にとどまっており、グミ人気にシェアを奪われている状況が続いている。「チョコレートは過小評価されており、まだまだグミなどへの関心が強い」とアップル氏は残念がる。
一方、データ上でも“チョコレートの可能性”は示唆されている。Headset社によれば、米国市場のエディブル売上全体に占める大麻入りチョコレートのシェアは9.4%、カナダでは14.2%を占め、世界最大手の大麻関連企業ティルレイ・ブランズ(Tilray Brands)傘下のChowie Wowieはカナダで売上が前年比35%増と好調を維持している。グミがエディブル市場の75%以上のシェアを握るとはいえ、ティルレイ・カナダのブレア・マクニール社長は「チョコレートには復活の兆しがある」とコメントし、世界のノンインフューズド(非注入)チョコレート市場が年率4〜5%で成長している点に注目。「こうした需要の蓄積が、THC入り製品にも波及する可能性がある」と見通しを語る。
ただし、チョコレートの製造は湿度や温度管理が厳しく、グミを同じキッチンで同時に作ることは困難だといわれる。カカオ価格の高騰リスクもあり、メーカー各社はサプライヤーとの長期契約や生産設備への投資によってコスト増を抑えようとしている。カリフォルニア州を拠点とするKiva Confectionsでは、原材料費を固定化する取り組みを進め、クリスマスからバレンタインデーにかけて続く“チョコレート繁忙期”に安定供給できるよう調整を図っている。
グミ市場の旺盛な需要を背景に、チョコレートはどうしても影が薄くなりがちだが、冬期のギフト需要を追い風に売上が伸び続けていることは確かだ。メーカーやデータ企業は「冬は大麻入りチョコレートのピークシーズン」と明言しており、今後は差別化されたフレーバーや上質なカカオを用いた高級ラインなど、新たなマーケティング戦略と相まって、チョコレート部門がさらなる飛躍を遂げる可能性がある。
参考記事:Marijuana-infused chocolate experiencing seasonal sales spike(MjBizDaily)
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