英国で、医療用大麻を処方された患者が法的な問題を専門家に相談できる窓口が初めて立ち上がった。医療用大麻は合法であるにもかかわらず、警察対応や職場での扱いを巡って混乱が続く中、患者の不安を軽減する狙いがある。
相談サービスを開始したのは、英国の医療用大麻関連企業 Releaf。法律事務所と連携し、患者が直面しやすい警察による職務質問、所持品確認、製品の一時没収、雇用上のトラブルなどについて、法的観点から助言を行う体制を整えた。
背景には、英国警察が新たに示した医療用大麻に関するガイダンスがある。ガイダンスでは、正規に処方された医療用大麻の所持・使用が合法であることが明記されたが、現場の警察官レベルでは十分に浸透していないとの指摘が出ている。患者からは「合法なのに説明を求められる」「処方証明を示しても疑われる」といった声が相次いでいた。
Releafによると、相談窓口にはすでに多くの問い合わせが寄せられており、特に多いのが警察対応への不安だという。外出先での職務質問や、公共の場での使用を巡るトラブルなど、日常生活に直結する相談が目立つとされる。
同社は、医療用大麻患者が「常に違法性を疑われる前提で生活しなければならない状況」は問題だと指摘する。相談サービスを通じて、患者が自らの権利を正しく理解し、必要な場面で冷静に対応できる環境を整えることが目的だとしている。
英国では2018年に医療用大麻が合法化されたが、制度と社会的理解の間には依然としてギャップがある。今回の相談窓口の開始は、単なる制度上の合法化にとどまらず、患者の実生活を支える仕組みづくりとして位置付けられている。
警察ガイダンスの更新と民間による法的支援がどこまで現場の混乱を解消できるのか。英国の取り組みは、医療用大麻制度を導入・運用する他国にとっても一つの参考事例となりそうだ。



