米THC入り飲料、売上約1,600億円を突破

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米調査メディアMJBizDailyのまとめで、THC入り飲料の米国内売上が2024年に初めて10億ドル(約1,600億円)を突破したことが分かった。低用量(ローディング)で“飲む大麻”として気軽に楽しめる点が浸透し、クラフト炭酸飲料やセルツァー、ティー系など新商品の投入が相次いだことが追い風になったという。

市場拡大の背景には、州の嗜好用大麻ディスペンサリーでの取り扱い拡大に加え、ヘンプ由来のデルタ9-THC飲料が州法の範囲内で一般小売やバー/レストランにも流通したことがある。これにより購入機会が大幅に増え、アルコールの「代替」需要やソバーキュリアス(断酒・減酒志向)層の取り込みが進んだ。

一方で、州ごとに異なる規制やラベリング基準、年齢確認の運用、課税の扱いは依然として課題。連邦レベルでは次期ファームビル(農業法)やヘンプ由来カンナビノイドの取り扱い見直しが議論されており、法整備の行方がサプライチェーンや販売チャネルに影響を与える可能性がある。カテゴリーは急伸しているものの、全体の大麻市場やアルコール市場と比べればまだ黎明段階で、各社は製造コストの圧縮、常温流通対応、リピート率の改善など収益化に向けた取り組みを強化している。

業界関係者は「THC飲料は‘その場で楽しむ’体験価値が強く、オンプレミス(店内提供)や音楽フェスなどイベントでの露出が新規顧客の入り口になっている」と指摘。大手飲料企業の関心も高まりつつあり、今後は共同開発や資本提携を通じて製造・流通のスケール化が進むとの見方が出ている。

参考記事:THC beverage sales top $1 billion in 2024(MjBizDaily)

※本記事は、日本国内ならびに国外での違法行為を助長する意図はありません。
この記事の内容は、あくまで読者の皆様のリサーチや学習の一環として提供しています。
法律に関する最新情報は各国の公式サイトをご確認ください。

編集者

Takaomi Akagiのアバター Takaomi Akagi CANNABI INSIGHT代表/編集長

CANNABIS INSIGHT 編集長。2022年にメディアを立ち上げ、国内外のCBD・大麻産業を政治、経済、ビジネスという観点から取材・分析。日本国内のCBD市場調査レポート『CBD白書』の編集発行をはじめ、年間ニュースを俯瞰する企画『大麻・CBDニュース総選挙』を主宰・運営。CBDジャーニー、カナコン等の業界カンファレンスやコミュニティでの登壇・モデレーション、事業者向けの寄稿・解説を通じ、大麻・CBDについての社会的意義や経済可能性を調査しています。

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