タイ公衆衛生省は火曜日、これまで事実上“自由化”されていた大麻の取り扱いを医療目的に限定する新たな省令に署名した。ソムサック・テープスチン大臣によれば、今後は大麻を購入・所持・使用する際に医師の処方箋と診断書の提示が必須となり、同省は近く大麻を再び麻薬リストに加える方針だ。施行日は示されていないが、伝統・代替医療局は「周知期間を設け、事業者が準備できる猶予を与える」と説明している。
省令は販売店にも厳格な条件を課す。新ライセンス制度の下で店舗は常駐の医療従事者を置き、毎月の検査結果を提出しなければならない。義務違反が二度確認されれば営業許可は取り消される。すでに営業中の数万店とされる大麻ショップも新許可の取得が求められ、業界全体が大幅な再編を迫られる見通しだ。
政府が大麻を医療用途へ回帰させる背景には、2022年の非犯罪化以降、規制の空白を突いた無秩序な店舗増加や若年層の乱用への懸念がある。ペートンターン・チナワット首相の諮問チームは5月中旬に「娯楽目的は禁止すべき」と結論づけ、5月下旬から6月上旬にかけて実施された公聴会でも大多数が医療限定を支持した。同省は今回の省令が「社会的合意を反映したもの」と強調する。
一方、解禁を主導してきたプームジャイタイ党(BJT)は、医療と娯楽双方を認める独自の大麻規制法案を再提出する構えを崩していない。ソムサック大臣は「現政権下でその法案が成立する見込みは薄い」と述べ、推進派との溝は依然として深い。
タイの大麻市場は観光と地域経済の起爆剤として期待されてきたが、今回の方針転換でビジネス環境は一変する。公衆衛生省が示す具体的な施行日と詳細基準が固まるまで、事業者は対応策を探りながら不透明な移行期に直面することになりそうだ。
【参考記事】
Somsak signs order requiring doctor’s prescription for cannabis(Bangkok Post)
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