米国でも依然として保守色が濃いテキサス州で、成人向け嗜好用大麻を完全合法化する大胆な法案が州議会に提出された。提出者は下院の民主党議員で、法案は「21歳以上の成人による大麻の所持・購入・自家栽培を認め、州税を課して公共教育やインフラ整備に充てる」という内容。さらに、過去の軽微な大麻関連犯罪の記録抹消や、社会的・経済的弱者を優先するライセンス枠の創設など、近年の他州が導入した“社会正義”条項も盛り込んだ。
ただし可決へのハードルは極めて高い。テキサス下院・上院とも共和党が多数派を握り、州知事のグレッグ・アボット氏も「規制緩和には慎重」と公言している。仮に議会を通過しても、州憲法改正を伴うため住民投票で過半数の賛成が必要だ。地元メディアは「実現の可能性は低いが、保守州でも合法化議論がタブーでなくなった象徴的な一歩」と評価している。
現在テキサス州にはごく限定的な低THC医療用プログラムがあるものの、対象疾患や製品形態が狭く、市民や退役軍人団体などから「制度が不十分」との声が上がっていた。世論調査では州民の過半数が嗜好用合法化を支持しており、「2026年までに合法化を実現すべき」とするビジネス界のロビー活動も活発化している。
法案提出を受けて、州下院の公聴会では医療関係者や元法執行官が「違法市場対策と税収確保のためには規制された販売網が必要」と証言。一方で保守派議員からは「交通安全や青少年への影響を軽視している」との反対意見があがり、早くも激しい論戦が始まっている。
成立までの道のりは険しいものの、テキサス州での合法化論議が再び州都オースティンの議事堂を揺らし始めたことは確かだ。全米で合法州が40州を超えた今、最南部の巨大マーケットがいつ方針転換するのか、ビジネス界と規制当局の双方が注視している。
参考記事:Texas marijuana legalization proposal introduced in state House(MjBizDaily)


