カンナビノイド関連事業者で構成する一般社団法人・全国大麻商工業協議会(全麻協)は23日、CBDやCBG、CBNなどを含む食品向けの自主基準「カンナビノイド含有食品に関するガイドライン」を公開した。昨年12月の大麻取締法改正で市場拡大が見込まれる中、製品の品質確保と消費者保護、業界の健全な発展を目的に策定した。
ガイドラインは①製品ラベルの統一(成分量・由来原料・摂取目安の明記)、②THC非含有証明や重金属・農薬検査など安全性チェック、③薬機法・景表法に沿った広告表現の制限、④未成年や妊婦への販売自粛、⑤適切な保管・流通体制の整備――などを網羅。第三者機関によるCOA(分析証明書)の公開も推奨する。
税関手続きや食品衛生法との整合も示されており、同協議会は今後、事業者向け研修や消費者への啓発活動を行うほか、厚労省・消費者庁との連携で制度整備を働きかける方針。全文は協議会サイトで公開中だ。
全麻協は「自主基準を業界全体で共有し、透明性と信頼性を高めることで日本のカンナビノイド産業を持続的に成長させたい」とコメントしている。
以下ガイドライン本文
■カンナビノイド含有食品(CBD, CBG, CBNを含む)に関するガイドライン
- 目的
本ガイドラインは、カンナビノイド(CBD、CBG、CBNを含む)含有食品の製造、販売、流通に関わる事業者が遵守すべき事項を定め、以下の目的を達成することを目的とする。
1.消費者の安全・安心の確保
製品の品質と安全性を確保し、正確かつ透明な情報提供を通じて、消費者が安心して製品を使用できる環境を整備する。
2.事業者の倫理的なビジネス慣行の推進
関係法令の遵守はもとより、業界自主基準に基づく高度な透明性と倫理性の実現を図る。
3.業界の健全な発展の支援
市場の信頼性向上と持続可能で公正な事業環境の形成を指針として示す。
- 食品製品表示および製品ルール
2-1. カンナビノイドを含む食品表示事項
製品の品質と安全性を確保し、正確かつ透明な情報提供を通じて、消費者が安心して製品を使用できる環境を整備する。
2-2. カンナビノイド表示方法の統一指針
CBDアイソレートの場合:「麻抽出物(CBD含有)」または「カンナビジオール」と記載する。
CBNアイソレートの場合:「麻抽出物(CBN含有)」または「カンナビノール」と記載する。
CBGアイソレートの場合:「麻抽出物(CBG含有)」または「カンナビゲロール」と記載する。
カンナビノイド成分の含有量:「1回当たり○mg」など、定量的で明瞭な形式で表示する。成分分析試験の結果と表示値の乖離を±10%以内に抑える。
2-3. 原材料の情報開示
使用しているカンナビノイドの種類(CBD、CBG、CBNなど)や由来(麻由来・合成など)を明示する。
原材料の生産国、最終加工国などのトレーサビリティを確保し、問い合わせに応えられるよう必要な情報を管理する。
2-4. 使用方法および注意事項
適切な摂取量・推奨使用方法を記載する。
妊娠中・授乳中・未成年など特定の人が使用を控える旨を表示する。
個人差によって体調が悪くなる可能性があること、および不調が生じた際の対処方法を明記する。
例1)「体に合わない場合は使用を中止してください」
例2)「眠気を伴う場合があるため、運転は避けてください」
例3)「乳幼児の手の届かない場所に保管してください」
2-5. 分析証明書(COA)の提供
製品に対応する第三者検査の証明書を公開(QRコードや製品ウェブサイト等)し、消費者が詳細情報を確認できるようにする。
- 安全性評価と品質管理
3-1. THC非含有または基準値以下の保証
日本の法令に基づき、違法成分(THC等)が基準値以下であることを第三者検査にて証明する。
3-2. 食品適格性の確認
食品として利用可能かどうか、食品等輸入届出書(該当する場合)などを確認する。
3-3. 重金属・農薬・微生物等の安全性検査
原料を販売する会社は、重金属・農薬・微生物汚染試験などを行い、安全性を担保する。
最終製品の出荷前検査において、違法成分(THC等)が含有されていないかを検査し、安全性を担保する。
3-4. 第三者機関による試験の推奨
信頼性の高い検査機関(ISO認定など)による試験を推奨し、客観的な品質保証を行う。
3-5. 品質管理およびトレーサビリティ体制の構築
製造工程での異物混入・汚染防止や、原料から最終製品までの履歴管理を徹底する。
有事の際に迅速なリコール対応が可能となるよう、製品回収の手順と責任者を明確にしておく。
- 広告・表示における留意点
4-1. 公序良俗への配慮
過度に刺激的な表現やドラッグイメージを助長する表現は、産業および製品のイメージを損なうため慎む。
4-2. 医薬的効能・効果の標榜禁止(薬機法)
「○○病が治る」「不眠症が完全に改善」「がんを治療する」などの表現は禁止する。
疾病名や治療行為を連想させる文言や画像についても十分注意する。
4-3. 誇大広告・根拠なき優良表現の禁止(景品表示法)
「絶対効く」「業界No.1の効果」「根拠なく“最高品質”と断言」などの表現は禁止する。
- 販売における年齢制限・注意喚起
5-1. 未成年者への販売配慮
VAPE製品は20歳未満への販売を禁止し、店舗やオンラインでの年齢確認を徹底する。
その他の形態のCBD製品(オイル、グミ等)についても、可能な限り未成年(18歳未満または20歳未満)には販売を推奨しないという自主基準を明記する。
5-2. 妊娠中・授乳中の方への注意
妊娠中・授乳中の方、または持病のある方などは使用を控えるよう明記を行う。
例)「妊娠中・授乳中の方、またはその他の医学的な懸念がある場合は、使用前に医師へ相談すること。」
5-3. 運転や機械操作に関する注意
眠気などが生じる可能性を踏まえ、摂取後の運転を避けるよう周知する。
5-4. 小児の誤飲防止
チャイルドロック式容器・安全キャップを推奨し、菓子タイプ製品には一層の注意表示を強化する。
保管場所についても「小児の手の届かない場所に保管すること」を明示する。
- 保管・流通上の注意点
6-1. 適切な保管環境
高温多湿や直射日光を避け、製品の品質維持に適した温度・湿度で保管・輸送することを推奨する。
6-2. 密閉・防湿対策
開封後の酸化・劣化を防ぐため、容器の密封を保ち、輸送時の衝撃や破損を防ぐ措置を講じる。
6-3. 違法成分検出時の対応
製品ロットの特定、事実確認、所轄官庁への報告・指導に従った適切な対応を速やかに実施する。
所轄官庁へ報告・相談し、その指示に従って適切な対応を行う。
6-4. お客様サポート
回収専用窓口(電話・メール等)を設置し、問い合わせ対応を行う。
必要に応じてSNSやECサイトのマイページ・通知機能等を活用し、迅速な情報提供体制を確保する。
- 国内既存ガイドラインとの整合性
7-1. 法令の遵守
大麻取締法・麻薬及び向精神薬取締法・薬機法・景品表示法・食品衛生法・食品表示法・健康増進法などを常に確認し、最新の規定に基づいて運用する。
7-2. 行政機関との連携
厚生労働省・消費者庁などと連携し、カンナビノイド製品を扱う事業者団体として情報を集約・提言する。法改正や新たな通達にも柔軟に対応する。
- 今後の展望
8-1. ガイドラインの継続的見直し
法制度や科学的知見の変化に応じてガイドラインを定期的にアップデートする。
8-2. 業界・社会への啓発活動
セミナーや研修会、オンラインメディア等を通じて、事業者・消費者への教育・啓発を継続する。


