ドイツの製薬企業ヴァータニカル(Vertanical)が、複数成分を含む“ホールプラント(全草)”の医療用大麻製剤「VER-01」を2026年にもドイツで提供開始できる見通しだと明らかにした。7年超・2億5,000万ドル超の投資を経て、慢性痛を対象に自国での第3相無作為化比較試験(RCT)を通過。ドイツで医薬品として承認されれば、EU域内では相互承認手続きで市場展開を広げられるとしている。単一成分薬が主流の承認経路で、複数カンナビノイドを含むボタニカル製剤がRCTをクリアしたのは節目といえる。
同社は英米でも治験を進行中で、英ロンドンの病院で完了した第2相の解析が進むほか、米国では第3相に向けてFDAと協議を続ける。VER-01はTHCやCBD、CGNなど100以上の化合物を含む設計で、臨床では慢性腰痛での疼痛改善を示し、副作用は初期にめまい・口渇など軽度〜中等度が見られたが、依存性は示されていないとする。医療者からは「花(乾燥大麻)に比べ処方しやすい剤形で、オピオイド代替の可能性に期待」との声も上がる。一方、英国はEUの相互承認が使えず、MHRAが独自に有効性・安全性を審査する必要がある。実際の上市時期は、各国の審査や追加データの行方に左右されそうだ。
参考記事:Europe’s First ‘Whole Plant’ Cannabis Medicine Could be Available by 2026(cannabishealthnews)



