EUが産業用ヘンプの扱いを大きく転換する動きだ。欧州委員会は、2027年からヘンプの「花穂(フラワー)」を含む全草を農産品として明確に位置づける提案を公表。これが法制化されれば、葉・花・抽出物までが農業製品として流通可能となり、農家は共通農業政策(CAP)の補助金・助成にアクセスしやすくなる見通しだ。現在は種子や茎の扱いが中心で、各国の運用差が市場分断を招いてきたが、提案は法的明確化と統一基準での取引を狙う。ヘンプの税番(CN)を花・葉なども含む分類に拡大し、EU共通カタログ登録品種・認証種子の使用、輸入時のTHC証明なども規定する方向だ。さらに「CBDや低THCヘンプ製品は麻薬ではない」との位置づけを改めて整理し、2020年のECJ「カナヴェイプ」判決の趣旨を反映させる。
THC上限は現行提案で0.3%据え置きだが、欧州議会の農業委員会(AGRI)は0.5%への引き上げを後押ししており、今後の修正協議で争点となる見込み。議会採決は早ければ2026年初頭、その後に理事会(加盟国)との最終調整を経るスケジュール感で、可決されれば27年から新枠組みが動き出す。業界側は「補助金アクセスや基準統一により投資リスクが下がり、農家にとって作付けしやすい作物になる」と歓迎。一方で、各国現場での運用や、高THC大麻との識別・取り締まり実務など課題も残る。いずれにせよ、ヘンプの“花”を正式に農作物と認めることは、EUのヘンプ産業にとって画期的な一歩となりそうだ。
参考記事:EU Proposal to Recognise Hemp Flower as a Crop in Landmark Shift for Industry (Business of Cannabis)


