コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領が「コカインもウイスキーのように合法化すべきだ」と発言し、国際社会に波紋が広がっている。米カンナビスメディア High Times の報道によれば、ペトロ氏は5月上旬に開かれた国際麻薬政策フォーラムで演説し、「コカインが違法なのは、主に生産国がラテンアメリカだからだ。禁止政策は犯罪組織を肥大化させただけで、公衆衛生上の解決策にはならなかった」と指摘した。
大統領は、アルコールやタバコが課税と品質管理の下で流通している現状を引き合いに出し、「同じ仕組みをコカインにも適用すれば、暴力と環境破壊を伴う違法市場を縮小できる」と主張。さらに、強制的な根絶作戦が地域住民の生活を破壊し、森林伐採などの環境負荷を高めてきたと批判した。
国内では左派・リベラル層から「歴史的な転換点になる」と歓迎する声が上がる一方、保守系野党や宗教団体は「消費拡大を招く無責任な提案」として反発。米国の一部議員も「国際的な薬物対策を逆行させる」と懸念を示している。
ペトロ政権は就任以来、コカ栽培農家への強制根絶を縮小し、合法的な代替作物への転換支援に力を入れてきた。昨年には医療用途のコカイン研究推進も表明しており、今回の合法化発言は「脱・麻薬戦争」路線をさらに押し広げるものとなる。
同案が法制化されるには国会審議や国民投票など越えるべきハードルが多いが、国連麻薬委員会(CND)や米州機構(OAS)でも議論が活発化する可能性が高い。中南米で進む薬物政策の“パラダイムシフト”が、国際的な規制体制を揺さぶるのか注目される。


