北アフリカのモロッコ政府が、家禽(ニワトリなどの家畜用)向けのCBD含有飼料に関する研究を正式に承認したことが明らかになった。CBD成分が飼料として動物の健康や生産性に与える影響について科学的な検証を行うことが目的で、農業・畜産分野でのカンナビノイド活用の可能性を探る一歩として注目されている。
今回承認された研究プログラムは、モロッコ農業省が関与する枠組みの下で進められるもので、特にCBD(カンナビジオール)成分が家禽の行動やストレス反応、免疫・成長にどのような影響を及ぼすかを評価する。CBD は一般的に人間向けのリラクゼーションや炎症抑制に用いられているが、畜産物の健康と生産性への応用はこれまで十分に研究されていなかった分野だ。
研究はまずパイロット試験の段階から開始され、CBD を添加した飼料を用いた複数の鶏群について、健康状態、生育速度、ストレス指標などが長期的にモニタリングされる。モロッコ政府関係者は「畜産業は国の重要な基幹産業の一つであり、先進的な飼料の開発と動物福祉の向上を両立させたい」と説明している。
モロッコはすでに対人用のカンナビス利用にも柔軟な姿勢を見せている国で、医療用大麻制度や合法化議論が進んでいる。今回の家禽向け研究承認は、アニマルヘルス(動物健康)と農業技術の融合という新たな潮流の象徴ともいえる。
一方で、家禽用飼料へのCBD添加には規制上の課題も残る。食品安全基準、残留成分規制、消費者の受容性など、多岐にわたる法的・社会的検討が必要とされる。モロッコ政府内でも専門家パネルが立ち上がっており、安全性と倫理性の両面から慎重な審査が行われる見込みだ。
国際的には、畜産物の生産性向上やアニマルウェルフェア(動物福祉)の観点から、飼料添加物の研究が進んでいるが、CBD 成分の活用はまだ初期段階だ。モロッコの取り組みは、農業大国としての同国の競争力を高めると同時に、グローバルな畜産技術の新潮流を生むかもしれないとして業界の関心を集めている。
今後の研究成果は、家禽業界だけでなく、広くカンナビノイド利活用全般における新たな可能性を示すものとして注目される。
参考記事:Morocco Approves CBD Poultry Feed Study(International CBC)



