アメリカのドナルド・トランプ大統領が、大麻(マリファナ)を連邦法上の「危険性の高い薬物」から、より規制の緩いカテゴリーへと再分類する方針を検討していることが分かった。再分類は連邦政府の大麻政策としては1970年代以来最大の変化となる可能性があるとみられており、業界関係者や投資家の間で大きな注目を集めている。
現在、大麻は連邦法の規制物質法(Controlled Substances Act)に基づき、Schedule I(最も危険で医療用途が認められていない物質)のカテゴリーに位置付けられている。この分類はヘロインやLSDと同じ扱いで、連邦の大麻に関する研究や銀行取引、税控除などに大きな制約を課してきた。今回の再分類構想では、これをSchedule IIIに移すことで、コデイン入り鎮痛剤などと同等レベルの規制とする方向が検討されている。
トランプ氏は12月11日、下院議長マイク・ジョンソン氏と電話で政策を協議。その後、保健福祉省長官ロバート・F・ケネディJr.氏やCMS(メディケア・メディケイドサービスセンター)のトップ、そして大麻業界の重役らとも意見交換を行ったと伝えられている。ジョンソン氏は慎重な姿勢を示したものの、トランプ氏は再分類に前向きな姿勢を崩していないという。
ただし、再分類が即座に実現するわけではない。ホワイトハウス当局者は「最終決定に至っていない」と述べており、実施には連邦法に基づく規則制定プロセスを経る必要があるとされる。大統領の**行政命令(Executive Order)**を通じて司法省に再分類の方向性を示す計画があるものの、法的手続きの詳細は未確定だ。
再分類が実現すれば、大麻関連ビジネスには追い風となる可能性がある。Schedule III として扱われれば、現在の厳しい税制規制(Section 280E)や銀行サービスへのアクセスの困難といった障壁が緩和される可能性が指摘されている。また、医療用途の研究や製品開発の裾野が広がるとの見方もある。実際、大麻株式市場では報道を受けて関連株が急騰する動きもみられ、投資家の関心は高まっている。
一方で、この政策方向には批判もある。完全な合法化ではないため、州ごとの法制度との整合性、青少年への影響、依存性や安全性に対する懸念が依然として残る。専門家の間では、「医療用途を正式に認識することで規制のあり方が変わる一方、乱用対策も強化されるべきだ」との意見も出ている。
アメリカではすでに40州以上で医療用大麻が合法化され、24州で成人用の使用も認められているが、連邦法上では依然として全面的な合法化には至っていない。今回の再分類検討は、そうした法制度の大きな転換点となる可能性をはらんでいる。
大麻産業は数十億ドル規模の成長市場であり、法制度の変化は国内の事業者のみならず、ヘンプ・カンナビノイド関連の国際ビジネスにも大きな影響を及ぼすと見られている。
参考記事:Trump seeks to cut restrictions on marijuana through planned order(Washington Post)


