【世界の大麻ニュース】週刊カンナビスニュース 2/25-3/3

2023年2月25日(土)から2023年3月3日(金)の期間に世界の大麻・CBD業界で起きた出来事をまとめた『週刊大麻ニュース』をお届けします。大麻に関する合法化、政治、ビジネスなどのテーマを中心に取り扱っております。

※日本国内の違法行為を推奨するものではありません。


2月25日(土)カリフォルニア州、2007年以降に生まれた住民へのタバコ販売を禁止する法案を提出
2月26日(日)
2月27日(月)バージニア州、デルタ8THC含むカンナビノイドの規制強化
2月28日(火)カナダ政府、大麻による税収が累計10億カナダドルを突破
2月28日(火)イタリアの裁判所、ヘンプとCBDの規制を覆す判決
3月1日(水)リゾート都市、ホテルに大麻専用ラウンジの開設を計画中
3月2日(木)無印良品、ヘンプ製品のアイテム数拡大を発表
3月2日(木)三重県定例議会にて、産業用大麻の質疑が行われる
3月3日(金)カナダの大麻企業、スヌープ・ドッグとライセンス契約を締結

【目次】

目次

カリフォルニア州、2007年以降に生まれた住民へのタバコ販売を禁止する法案を提出

カリフォルニア州では、2007年1月1日以降に生まれた住民へのタバコ販売をすべて禁止する新たな法案が提出されました。タバコ事業者が対象となる年齢へタバコを販売した場合に罰則を受けることになります。この法案が成立すると、現在喫煙をしている人は引き続きタバコ製品を購入できますが、2007年以降に生まれた住民に関してはタバコ製品を生涯購入することができなくなります。

今回の法案のポイントは「大麻の販売」には適応されないということです。カリフォルニア州では大麻よりタバコの使用に対して強い規制を設け始めており、このような考えの地域がアメリカだけではなく、カナダなどでも広がってくると考えます。

【参考記事】
California Bill Would Ban Tobacco Sales to All Born After 2006(HIGH TIMES)

バージニア州、デルタ8THC含むカンナビノイドの規制強化

バージニア州議会は、デルタ8THCを含むカンナビノイド製品に厳しい規制を設ける法案を承認しました。大麻製品を販売する者は、州の免許を取得する必要があり、違反者には1日1万ドルの罰金が科せられます。0.3%を超えるTHCを含む製品や1パッケージあたりのTHC量、適切なパッケージ表示など厳しい規制が義務付けられる予定です。バージニア州では2021年に嗜好用大麻の法律が一部緩和されましたが、いまだに慎重な対応を取っています。

【参考記事】
Virginia lawmakers pass tough delta-8 THC restrictions(MjBizDaily)

カナダ政府、大麻による税収が累計10億カナダドルを突破

カナダ政府が発表したデータによると、2018年に大麻が合法化されて以来、約4年間で総額10億カナダドル(約1000億円)以上の税収があったことがわかりました。現在、カナダでは「1グラムあたり1ドル」、または「生産者の販売価格の10%」のどちらか大きい方に税がかかる仕組みになっており、業界では手数料や仕組みに異論を唱えている事業者も多くいるとのことです。大麻先進国の一つでもあるカナダが税収に対してどのような姿勢を見せるのかに注目です。

【参考記事】
Canadian government’s cannabis duty surpasses CA$1 billion(MjBizDaily)

イタリアの裁判所、ヘンプとCBDの規制を覆す判決

イタリアの裁判所が、ヘンプとCBD製品に関する規制を覆す判決を下しました。現在、イタリアでは嗜好用大麻は合法化されておらず、一部規制を設けています。今回の裁判はヘンプやCBD利用を目的に栽培された大麻製品に対して違反性があるかどうかで議論が行われていました。結果として、大麻のTHC含有量が0.2%以下であれば、花や葉を大麻とは見なさないと判断され、判決を覆すことになりました。当記事によるとイタリアは大麻政策の改正に前向きな姿勢を見せているとのことで、今後は成分規制や大麻を取り締まる規制が整備されていくかもしれません。

【参考記事】
Italian Court Rules Hemp Flower And Leaves Are Not Narcotic In Latest Victory For Industry (BusinessCann)

リゾート都市、ホテルに大麻専用ラウンジの開設を計画中

アメリカのニュージャージー州にあるリゾート都市「アトランティックシティ」で大麻専用ラウンジが開設される予定です。利用規約が明確化され、規制当局の承認を得ることができれば開設準備を進めることができます。ニュージャージー州は嗜好用、医療用どちらも合法化されており、他の大麻起業家もアトランティックシティで大麻専用ラウンジを開設することを発表しています。

【参考記事】
Cannabis Lounge Planned for Atlantic City Hotel(HIGH TIMES)

無印良品、ヘンプ製品のアイテム数拡大を発表

無印良品を運営する株式会社良品計画は、「ヘンプ」を使用した衣料品のアイテム数を拡大し、23年春夏シーズンに合計15アイテムを販売することを発表しました。ヘンプは環境に配慮した天然素材であり、通気性と吸放湿性、速乾性に優れています。無印良品は、「感じ良い暮らしと社会」を実現するために、今後も天然素材の活用や環境負荷の低減を考慮した商品開発を進めるとしています。

【参考記事】
3/7(火)無印良品 「ヘンプ」を使用した衣料品を拡大(PRtimes)

三重県定例議会にて、産業用大麻の質疑が行われる

引用:三重県議会 中継 令和5年第1回定例会(2月28日)一般質問 中嶋年規議員(自由民主党)

「三重県定例議会」にて自民党の中嶋年規議員が産業用大麻に関する質疑を行いました。「GXとヘンプ」の概要やヘンプと大麻(基準値以上のTHC入り)の違いなどが説明されつつ、質疑が進行しました。昨今、話題にあがる「環境問題」に対するヘンプの有効性や可能性が前向きに述べられ、三重県の動きに注目が集まります。

【参考記事】
【ビッグニュース】産業用大麻のファーストランナーへ、三重県知事「規制から活用へ、国に先んじて先手先手で対応していきたい」 (HempTODAY Japan)

カナダの大麻企業、スヌープ・ドッグとライセンス契約を締結

カナダの大麻企業、Atlas Global Brands社が、スヌープ・ドッグ氏との「独占ライセンス契約」を締結したことが明らかになりました。この契約により、スヌープ・ドッグ氏の名前や肖像権などを大麻製品の製造、包装、販売、広告などに活用できることになります。この契約は、カナダの嗜好用大麻製品に加え、ドイツ、イスラエル、オーストラリアの医療用大麻製品にも適用されるとのことです。

【参考記事】
Marijuana company Atlas Global, Snoop Dogg sign international licensing deal(MjBizDaily)


週刊カンナビスニュース2023年2月25日から2023年3月3日は以上になります。

「合成もしくは体感強めのカンナビノイド事業者」vs「CBDのみ販売している事業者」のような構図を最近よく見かけます。前者は「合成で救われている方もいる、体感を求めているユーザーをCBD市場に取り込んでる」、後者は「国の規制を変えるにはまずCBDから」といったそれぞれカンナビノイドに対する言い分があるように思えます。私たちCANNABIS INSIGHTは大麻が社会に受け入れられることに強い興味を持っているので、規制緩和のプロセスが適切に進む方のスタンス寄りではあります。

ただ、他の業界とは違って体に入れるものであり、健康被害をもたらす可能性がある業界であることは理解しておきたいところです。

よくわからないカンナビノイドを摂取しない、信用できない事業者の製品は購入しないことなどはどちらのスタンスであれ、主張していかなければと思っています。

両者には正義があるというコメントを見かけました。

私たちも含め、お金が絡むとどうしてもポジショントークになりがちですし、そりゃ正義だってそれぞれあると思います。

しかし、どのポジションに立っても、「健康被害のリスクに優るメリット」ってあるのかな?と僕個人的には思います。健康になりたいのに、健康に悪くなる可能性を許容するってあまりよくわからない感覚というか…

とりあえず、どちらの主張でもよくわからないカンナビノイドや事業者の商品は買わないようにする。これはユーザーリテラシーとして必要なことかもしれないですね。

カンナビスインサイト記事の作成者:たかおみ

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編集者

CANNABIS INSIGHT代表/編集長
世界の大麻・CBDのビジネスや経済情報を調べています。

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