週刊大麻ニュース|8月9日 – 8月15日

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2025年8月9日から2025年8月15日の期間に世界の大麻・CBD業界で起きた出来事をまとめた『週刊大麻ニュース』をお届けします。大麻に関する合法化、政治、ビジネスなどのテーマを中心に取り扱っております。

※日本国内の違法行為を推奨するものではありません。

目次

コロラド州初のサイケデリック人材育成、コロラド大デンバー校で始動

コロラド大学デンバー校(CU Denver)が、州内初となる公立大学ベースのサイケデリック・ファシリテーター養成プログラムの受講生募集を開始した。コロラド州は2022年の住民投票(Proposition 122)でサイロシビン等の個人使用を非犯罪化し、治療施設での実施や施術者(ファシリテーター)の州ライセンス制度を整備してきたが、公立大が主導する本格的な養成課程は初めて。修了者は、所定の実習を経て州ライセンス申請に必要な要件の一部を満たすことができる。

プログラムは16週間・全2科目で、自己学習型モジュールと週2回の夜間オンライン授業を組み合わせる。学費は7,500ドル(教材費等別途250〜400ドル)。修了後は州承認の提携先で40時間の臨床実習と40時間のコンサルテーションを行い、最短で半年弱で申請準備が整う想定だ。対象はセラピスト、看護師、ソーシャルワーカー、精神科医など、すでに臨床現場で働く専門職が中心。秋学期の出願締切は9月22日としている。

同校のセンター・フォー・サイケデリック・リサーチは「営利に依存しない大学プログラムとして、倫理と安全を最優先に、エビデンスに基づく施術者育成に資する」と強調。州にはすでに十数の民間トレーニングも存在するが、公立大学が提供する点で透明性と学術的妥当性の確保が期待される。一方、サイロシビンは依然として連邦の規制物質(スケジュールI)であり、FDA審査も残されているため、制度設計と人材育成を並行させながら、安全な実装に向けた検証が続く見通しだ。

参考記事:CU Denver launches nation’s first university-led psychedelic training program(Axios Denver)

トランプ大統領、「大麻の連邦再分類」を数週間以内に判断へ—初言及

米ホワイトハウスで8月11日に行われた記者会見で、トランプ大統領が連邦法における大麻の「再分類(リスケジューリング)」について初めて公に言及し、「いま検討している段階で、数週間以内に結論を出す」と発言した。対象となるのは、規制物質法(CSA)で大麻をスケジュールIからスケジュールIIIへ移す案で、これはバイデン前政権下で始まった見直し手続きが年明け以降、行政法判事の審理や不服申立てで停滞しているもの。トランプ氏は会見中、判断時期に触れる際にボンディ司法長官の方を振り返り、政権として最終判断に向けた協議を進めていることを示唆した。

トランプ氏は「医療面で良い話も聞く一方で、子どもや大人に悪影響を及ぼすという意見もある」と賛否の強さを認めつつ、「再分類を検討しており、数週間のうちに適切な判断を下したい」と述べ、決定が賛成・反対いずれに転ぶかは予断を許さないとした。

再分類プロセスを所管するDEA(麻薬取締局)では、7月にコール新長官が就任したばかり。コール氏は公聴手続きの前進を優先課題に掲げていたが、就任時の重点項目からは再分類が外れており、最終判断の行方は政権中枢の意思決定に委ねられる構図だ。

業界側は、スケジュールIIIへの移行が研究のハードルや税務負担(内国歳入法280E)を緩和しうるとして注視する一方、連邦議会では法案で再分類を阻止しようとする動きも続いており、政権の最終判断が市場の先行きに与える影響は大きいとみられる。

参考記事:Trump Publicly Addresses Cannabis Rescheduling: Decision Coming in ‘Next Few Weeks’ (Cannabis Business Times)

アイルランド、HHCを違法薬物に指定 所持・販売・輸出入を全面禁止

アイルランド保健省は、ヘキサヒドロカンナビノール(HHC)を麻薬乱用法(Misuse of Drugs Act 1977)のスケジュール1に分類し、輸出入・製造・所持・販売・供給を違法とする措置を発表した。発表にはジェニファー・キャロル・マクニール保健相、ジェニファー・マーナン・オコナー公衆衛生担当相、メアリー・バトラー精神保健担当相が名を連ねた。スケジュール1は「治療的価値がほとんどなく乱用リスクが非常に高い」薬物区分で、取り締まり権限の強化により国家警察アングアルダの違法薬物流通摘発を後押しする狙いがある。

HHCはカンナビノイドの半合成化合物で、電子タバコやベイプ、ハーブミックス、オイル、エディブル(グミや焼き菓子)、チンキなどとして流通してきた。2022年に国内で初検出されて以降、精神病エピソードや入院との関連が報告され、ゴールウェイ大学病院の研究では、21か月間に精神病症状で受診した患者でHHCが2番目に多い薬物だったとされる。別の分析では「初発精神病の3分の1にHHCが関与」との所見も示され、政府は若年層のメンタルヘルスへの悪影響を強く懸念している。

今回の指定は、EUおよび国連麻薬委員会が公衆衛生上の重大なリスクと認定した14物質(合成オピオイドや半合成カンナビノイドを含む)を国内規制に反映したもの。政府は「薬物使用に対するヘルス主導アプローチ」を掲げ、治療体制の拡充や予防教育の強化も並行して進めるとしている。

参考記事:Ministers for Health announce that HHC is now classified as an illegal drug(gov.ie)

※本記事は、日本国内ならびに国外での違法行為を助長する意図はありません。
この記事の内容は、あくまで読者の皆様のリサーチや学習の一環として提供しています。
法律に関する最新情報は各国の公式サイトをご確認ください。

編集者

赤木 孝臣のアバター 赤木 孝臣 CANNABI INSIGHT代表/編集長

CANNABIS INSIGHT 編集長。2022年にメディアを立ち上げ、国内外のCBD・大麻産業を政治、経済、ビジネスという観点から取材・分析。日本国内のCBD市場調査レポート『CBD白書』の編集発行をはじめ、年間ニュースを俯瞰する企画『大麻・CBDニュース総選挙』を主宰・運営。CBDジャーニー、カナコン等の業界カンファレンスやコミュニティでの登壇・モデレーション、事業者向けの寄稿・解説を通じ、大麻・CBDについての社会的意義や経済可能性を調査しています。

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