週刊大麻ニュース |4月12日-4月18日

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2025年4月12日(土)から2025年4月18日(金)の期間に世界の大麻・CBD業界で起きた出来事をまとめた『週刊大麻ニュース』をお届けします。大麻に関する合法化、政治、ビジネスなどのテーマを中心に取り扱っております。

※日本国内の違法行為を推奨するものではありません。


4月12日(土)カナダの研究、大麻合法化が違法市場を縮小する
4月13日(日)
4月14日(月)オーストラリア特別地域、個人栽培の大麻に関する実態調査を発表
4月15日(火)チリ、大麻合法化に向け本格始動
4月15日(火)ミシガン州最高裁、大麻臭だけの車内捜索は違法
4月16日(水)イスラエル、カナダ産大麻への高関税を承認
4月17日(木)大麻合法化と研究資金提供の現状に関する調査結果
4月18日(金)米連邦、安全基準を全国で統一する「STATES 2.0法案」再提出
4月19日(金)バンクーバー、今年も非公認420イベントが開催されるのか?

目次

カナダの研究、大麻合法化が違法市場を縮小する

カナダにおける嗜好用大麻合法化が、医療用・違法・全体の大麻支出額に与えた影響を評価した研究が、国際薬物政策ジャーナルに発表されました。主な結果として、嗜好用大麻の合法化実施後5年間において、違法大麻の支出額は大幅に減少し、合法大麻が市場シェアの大部分を占めるようになったことが明らかになりました。合法化前には88.2%を占めていた違法大麻の市場シェアは、24.3%にまで低下。一方で、合法大麻は72.0%のシェアを獲得しました。カナダ政府が掲げていた「嗜好用大麻の合法化によって違法市場を排除する」という政策目標は、合法化から7年が経過し、徐々に実現しつつあるといえます。

【参考記事】
Association of recreational cannabis legalization with changes in medical, illegal, and total cannabis expenditures in Canada (International Journal of Drug Policy)

オーストラリア特別地域、個人栽培の大麻に関する実態調査を発表

​『Scientific Reports』で発表された研究では、オーストラリア首都特別地域(ACT)で2020年に導入された大麻の個人使用および少量栽培の非犯罪化後の影響が調査されました。​311人の栽培者を対象とした調査によると、栽培の主な動機は自家消費(70%)、栽培の楽しさ(65%)、違法市場の回避(約50%)でした。​平均的な使用量は1日1グラム、年間の栽培本数は中央値で4本でした。​​52%の参加者が法的な不明確さにより逮捕の不安を抱えており、特に収穫量と所持制限の関係が問題視されています。​この研究は、非犯罪化が個人栽培者に一定の自由をもたらした一方で、法的明確化の必要性を示唆したものとなりました。

【参考記事】
An analysis of the cultivation, consumption and composition of home-grown cannabis following decriminalisation in the Australian Capital Territory (Sci Rep.)

チリ、大麻合法化に向け本格始動

チリでは、嗜好用大麻の使用を合法的に規制するための法案が提出されました。現在、政治家や市民団体、さらには有力な大統領候補までが、大麻を合法化という形で規制することを支持する動きを見せています。法案では、成人が最大6株の開花した大麻を自宅で栽培し、年間800グラムまで保管、公共の場では最大40グラムまでの所持が認められます。一方で、消費は私的空間に限定され、学校や公共交通機関、未成年の近くなどでの使用は禁止されます。今回の法案とそれを取り巻く政治的・社会的な動きは、チリが大麻政策において大きな転換点を迎えていることを示しています。

【参考記事】
Chile Moves To Legalize Adult-Use Cannabis With Backing From Presidential Candidate (BENZINGA)

ミシガン州最高裁、大麻臭だけの車内捜索は違法

ミシガン州最高裁は、大麻の臭いだけを根拠に警察が車を捜索することは違法であるとの判断を示しました。裁判所は、「警察が車から匂いを感知しただけでは、令状なしに車内を捜索する正当な理由にはならない」と明言しました。この判決を受け、過去にデトロイトで車を捜索され、銃器関連の罪で起訴されていた男性の訴追は棄却されました。判事のひとりは、「大麻の匂いが合法な使用や、他者による使用の残り香である可能性もある」と指摘しています。なお、ミシガン州では2018年に21歳以上によるマリファナの所持と使用が合法化されていますが、車内での使用は引き続き禁止されています。

【参考記事】
Michigan’s top court says police can’t search cars solely because of marijuana odor (AP)

イスラエル、カナダ産大麻への高関税を承認

イスラエル政府は、カナダから輸入される医療用大麻の花穂に対し、最大165%の反ダンピング関税(不当廉売関税)を今後4年間にわたって課すことを決定しました。この措置は、カナダ産の大麻が原産国での販売価格より著しく低い価格でイスラエルに輸入され、国内の大麻生産者が不公正な競争にさらされているとの調査報告を受けて導入されるものです。関税の導入については、関係機関の間で意見が分かれました。国内生産者を保護する立場から経済産業省は導入を推進しましたが、保健省は患者の経済的負担増加や製品の品質・アクセスの低下を懸念して反対しました。また、競争庁も競争の阻害につながる可能性があるとして、反対の立場を示しています。

【参考記事】
ברקת החליט: היטל של עד 165% על קנאביס רפואי המיובא מקנדה

大麻合法化と研究資金提供の現状に関する調査結果

アメリカ合衆国で進む大麻の合法化を背景に、州政府による大麻研究支援の実態を調査した研究が発表されました。報告によると、医療用または成人用大麻を合法化している38州のうち、研究支援の仕組みを法的に定めているのは17州にとどまり、実際に研究資金を割り当てているのはそのうち12州に過ぎません。

支援の方法としては、大学などの研究機関への直接的な資金提供や、州機関を通じた助成金の配分などがあり、カリフォルニア州ではこれらの手法の両方が採用されています。大麻の合法化が進むなか、研究投資や制度整備も並行して進めることが、アメリカの大麻市場がさらなる成長を遂げるためには重要であるといえるでしょう。

【参考記事】
State funding for cannabis research: an analysis of funding mechanisms and levels (Journal of Cannabis Research)

米連邦、安全基準を全国で統一する「STATES 2.0法案」再提出

米連邦議会で、大麻を合法化した州や部族の制度を尊重し、連邦刑事罰を外す「STATES 2.0法案」が再提出された。州の規則に従う栽培・販売は連邦法違反とならず、FDAなどが「21歳未満販売禁止」「成分表示」など基本的な安全基準を全国で統一する。ただし税率や店舗数は各州の裁量に任せ、全国一律合法化には踏み込まない。共和・民主の超党派提案で、共和党支持者でも州主体を望む声が過半数との最新世論調査が追い風。それでも可決には上院審議と大統領選の行方が大きく影響し、成立は依然不透明とみられる。

【参考記事】
Bipartisan Congressional Lawmakers File Bill To End Federal Marijuana Prohibition In Legal States In Line With Trump’s Stance (Marijuana Moment)

バンクーバー、今年も非公認420イベントが開催されるのか?

バンクーバー市は、4月20日に予定されている恒例の「4/20」カンナビスイベントについて、今年も主催者不在の“非公認イベント”として開催される可能性が高いと発表しました。市は、サンセットビーチ周辺を中心に駐車場の閉鎖や車両進入規制を実施し、当日は警察官やレンジャーの増員配置によって警備体制を強化する方針です。4月20日は、世界各地で“非公認”の大麻イベントが開催される可能性があり、各都市の対応にも注目が集まります。

【参考記事】
Vancouver gears up for annual unsanctioned 4/20 cannabis ‘protestival’ – BC (Globalnews.ca)


週刊大麻ニュース2025年4月12日から4月18日は以上になります。

CBDアドベントカレンダーが面白い!大麻栽培者の現場の声やCBDブラント・ショップの活動履歴や立ち上げ理由、また新しくCBD業界に参入する方などCBDに関する想いが詰まっている文章ばかりでいいなと。皆さんの熱量を感じるそんな企画だなとおもいました。(私は想いというより事例や傾向になってしまいましたが…)

そんなCBDアドベントカレンダーも残すところわずかになり、4月20日も差し掛かってきました。他にもどのような記事や企画がでてくるのか?楽しみです!

CBD白書がんばります!

大麻・CBDのビジネス、経済メディア「CANNABIS INSIGHT」編集長:たかおみ

※本記事は、日本国内ならびに国外での違法行為を助長する意図はありません。
この記事の内容は、あくまで読者の皆様のリサーチや学習の一環として提供しています。
法律に関する最新情報は各国の公式サイトをご確認ください。

編集者

CANNABIS INSIGHT代表/編集長
世界の大麻・CBDのビジネスや経済情報を調べています。

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