2025年3月8日(土)から2025年3月14日(金)の期間に世界の大麻・CBD業界で起きた出来事をまとめた『週刊大麻ニュース』をお届けします。大麻に関する合法化、政治、ビジネスなどのテーマを中心に取り扱っております。
※日本国内の違法行為を推奨するものではありません。
3月8日(土)カナダ人の52%が「大麻合法化」をトルドー首相の最大成果と評価
3月9日(日)カナダ大麻企業、大手タバコ会社から総額136億円の資金調達
3月10日(月)ドゥテルテ前大統領を逮捕 ICCが「麻薬戦争」で人道に対する罪を追及
3月11日(火)4月1日施行「SNS規制」、薬物関連投稿も規制対象へ
3月12日(水)スコットランド、医療用大麻の購入数が過去最多を記録
3月13日(木)カリフォルニア、ヘンプ由来のTHC製品の規制延長が提案される
3月14日(金)米国「2025年・働きやすい大麻企業」ランキングが公開
3月14日(金)米FDAが注射型CBD製品に警告
【目次】
カナダ人の52%が「大麻合法化」をトルドー首相の最大成果と評価
非営利団体アンガス・リード・インスティチュートがカナダの成人1,850人を対象に行った最新の世論調査によると、ジャスティン・トルドー首相の政策成果のうち、「大麻改革(合法化)」が最も高く評価され、52%が「政権の成功」と回答しました。失敗とみなしたのは24%にとどまり、調査対象となった10の政策項目の中で、過半数の支持を得たのは大麻合法化だけになりました。
カナダ大麻企業、大手タバコ会社から総額136億円の資金調達
カナダ・ニューブランズウィック州に本拠を置く大麻生産企業Organigram Holdingsが、英たばこ大手ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)からの出資を完了し、総額約1億2460万カナダドル(約8,700万米ドル)の大型資金調達を実現したことがわかりました。同社が発表したニュースリリースによると、BATの子会社BT DEインベストメンツが普通株式と優先株式を新たに取得し、追加投資額は4,150万カナダドルになるとのことです。本件は大麻業界の大きな資金調達事例になりました。
ドゥテルテ前大統領を逮捕 ICCが「麻薬戦争」で人道に対する罪を追及
フィリピンのドゥテルテ前大統領(79)が、国際刑事裁判所(ICC)の令状に基づいてマニラ空港で逮捕されました。ドゥテルテ氏は2016年から2022年まで大統領を務め、いわゆる「麻薬戦争」で数千人の死者が出たとされています。すでにフィリピンはICCを脱退していますが、ICCは「脱退前の疑惑には管轄権が及ぶ」と主張しており、逮捕は正当だといいます。前大統領の逮捕が国内政治にどう影響を与えるか注目が集まっています。
【参考記事】
Rodrigo Duterte: Philippines ex-leader arrested after ICC warrant(BBC)
4月1日施行「SNS規制」、薬物関連投稿も規制対象へ
2025年3月11日、「特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律」、通称「SNS規制」が4月1日より施行されることが閣議決定されました。これに伴い、SNSプラットフォーム運営者向けのガイドラインが発表され、規制対象となる情報は削除される可能性があります。また、薬物関連の投稿も規制の対象となるとされており、違反した場合、投稿の削除が行われる可能性があります。これにより、CBDや大麻ビジネスに関心のある個人や関連企業は、発信内容に十分注意を払う必要がありそうです。
【参考記事】
特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律(e-gov)
スコットランド、医療用大麻の購入数が過去最多を記録
スコットランドでは、医療用大麻を合法的に購入する人々の数が過去最多を記録しました。スコットランドでは、NHS(国民保健サービス)の待機リストが長期化する中、現在、3,440人の患者が不安症やうつ病、慢性痛などの治療目的で医療用大麻の処方を受けています。スコットランドにおいて、医療用大麻は違法な嗜好用大麻とは異なり、厳格に管理された低用量の成分が含まれたものが処方されます。今後もスコットランドでは医療用大麻の需要が増加すると思われます。
【参考記事】
Record Number In Scotland Buy Legal Medical Cannabis Privately (ICBC)
カリフォルニア、ヘンプ由来のTHC製品の規制延長が提案される
カリフォルニア州当局は、ヘンプ由来のTHCを含む製品に対する規制を6月まで延長する方針を発表しました。行政法務局(OAL)の承認が得られれば、さらに90日間の延長も視野に入り、最終的には恒久的な規制へと移行する可能性もあります。昨年の秋頃からヘンプ由来のTHCに関する規制強化について本格的な議論が行われており、今後の議論の進展により、ヘンプ業界と大麻業界のバランスがどのように変化していくのか注目されます。
【参考記事】
California extends hemp-derived THC ban (MJBizDaily)
米国「2025年・働きやすい大麻企業」ランキングが公開
大麻業界専門メディア「Cannabis Business Times」が、「2025年版・働きやすい大麻企業」ランキングを発表しました。このランキングは、米国内の大麻関連企業を対象に従業員満足度や福利厚生、キャリア成長の機会などを総合評価し、毎年開催されるイベントで発表されるものです。今回の上位企業は、社内研修や健康保険制度など、従業員をサポートする仕組みが充実している点が評価されました。このような取り組みが注目されることで、大麻産業のイメージが向上し、一般的な産業と変わらない職場環境であることの認識が広がることが期待されます。
【参考記事】
Meet the 2025 Best Cannabis Companies to Work For (Cannabis Business Times)
米FDAが注射型CBD製品に警告
カリフォルニア州のあるスタートアップ企業が、注射型のCBD製品を販売していることが発覚し、米食品医薬品局(FDA)が警告書を出したことがわかりました。FDAによれば、このCBD注射製品は未承認の医薬品に該当する可能性があり、安全性や有効性が確認されていないまま市場に出回っている点を問題視しています。また、FDAは「未承認の注射製品が適切な治験を経ずに販売されるのは法律違反の恐れがある」と警告の正当性を強調しています。
【参考記事】
Pico IV Inc. – 700591 – 03/06/2025 (FDA)
週刊大麻ニュース2025年3月8日から3月14日は以上になります。
大麻・CBDを陰謀論や過激な政治批判の一つにしなくてもいいのでは?と思ったり。最近、Xの運用を頑張っているのですが記事が伸びるとどうしてもそのような場面に出くわすことがあり、良いも悪いも「大麻ぐらい」でそこまで過激性を持たなくてもいいのになと。吸いたいや医療用が…!みたいな主張はかなり理解できるのですが、世間に対するコミュニケーションとしてその路線はイケてるのでしょうか。もっと大麻の品種の話したり、成分のこと勉強したり、ビジネスの話を楽しくできる場がある方が「あー、大麻ってこんな側面もあるんだね」って思ってくれることがあるんじゃないかな。
何が正解かはないけど個人的にはそのように思う場面が多々あり、純粋な楽しさを表現する方が他人は興味持ってくれるのにな…
大麻・CBDのビジネス、経済メディア「CANNABIS INSIGHT」編集長:たかおみ